古代人の暮らしと飛鳥山の歴史『北区飛鳥山博物館』(北区・王子)

東京都(23区)

歴史、文化、自然と幅広い展示を行うミュージアム。古代人の暮らしぶりや、飛鳥山の発展などを知ることができます。映像コンテンツもありカジュアルな雰囲気なので、予備知識がなくても楽しめる博物館です。

訪問日:2024/9/7(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

カジュアルな博物館

飛鳥山公園には3つの博物館があります。そのうちの一つが今回ご紹介する北区飛鳥山博物館

階段を降りた先が受付。受付のそばには豊島郡衙のとある風景と題された再現建築が建っています。かつて武蔵国豊島郡に属していた北区。豊島郡の役所である郡衙(ぐんが)において、税として徴収した稲を収納した正倉という建物であるそう。

近づくとモニターには博物館の紹介映像が流れ、音声案内が始まります。

手前に置かれた役人と農民、2人の人形による会話形式で進む音声案内。農民が役人を「ずっと手を上げてて疲れないんですか?」といじったり、「ここから動けない私たちの変わりに楽しんできて」と言い放ったりと、コミカルで楽しい雰囲気。わくわくする演出です。

マスコットキャラクターのコン吉による「おしえてコン吉」コーナーも、あちこちに設置されています。

縄文人の営み

展示は旧石器時代や縄文時代といった古代からはじまります。ガラスに包まれた真っ黒な古木は、縄文時代に生息していたとされるクリの化石。土中で炭化しており、真っ黒な姿をしています。

目を引くのは縄文時代中期の中里貝塚。幅100m、長さ500m〜1kmという巨大な貝塚。層は深いところで4.5mもあったそう。見つかったのはほぼ全てがカキとハマグリ。魚骨や獣骨は混じっていなかったそうです。

こちらは縄文時代中期の丸木舟。全長5.8m、最大幅70cm、最深40cmという大きさです。縄文人たちは、これで海を渡っていたそう。

引き込まれる古代ロマン

唐突に現れるのは土偶。高さ約26cmという大型のものです。胸のふくらみは女性のようですが、それ以外の体つきは男性にも見えます。頭頂部には穴が空いており、何かを差していたのかもしれません。

再現された弥生時代の竪穴住居。入口部分にはディスプレイが埋め込まれており、外を歩く弥生人たちの姿を見ることができます。

この映像、実写であるため非常にリアル。入口だけという狭い視界ですが、柵から侵入者が入ってきたり、乱闘になったりと様々なドラマが繰り広げられています。ずっと眺めていられる映像です。

こちらは赤羽台4号墳より出土した埴輪。人物埴輪は、頭に頭巾、腰には大刀を構えています。

飛鳥山のにぎわい

厨子に入っているのは、1695年につくられたという太田道潅坐像。北区は平安時代より豊島氏によって治められていましたが、戦国時代に太田道潅に敗れ太田氏の領土へ。

座敷の奥にあるスクリーンでは江戸時代の飛鳥山を紹介する様々な映像が。スクリーン手前の玉子焼きがスイッチというユニークな仕組みです。

江戸幕府8代将軍・徳川吉宗によって行楽地として整備された飛鳥山。春は花見所、夏は水浴び、秋は紅葉狩り、冬は雪見も楽しめる江戸屈指のレジャースポットとして、人々に親しまれてきました。

江戸時代の花見弁当の食品サンプルも。イカやお刺身、せんべいなど様々なメニューが詰まっています。彩りも鮮やかで、楽しい雰囲気が伝わります。

他にも、水害対策で造られた盛土である「水塚(みづか)」、江戸東京近郊の野菜、王子稲荷と狐伝説、荒川の生態系など、ユニークな展示が多数。長めに時間をとって、じっくり楽しみたい博物館でした。

アクセスと営業情報

・JR京浜東北線の「王子駅」より徒歩5分
・東京メトロ南北線の「西ケ原駅」より徒歩7分
・都電荒川線(東京さくらトラム)の「飛鳥山」より徒歩4分

開館時間 10:00~17:00
休館日 月曜、年末年始
料金 300円
公式サイト https://www.city.kita.tokyo.jp/hakubutsukan/

※掲載の情報は2024年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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