高畠町 古墳めぐり ~金原古墳・羽山古墳・清水前古墳~(高畠町)

山形県

多数の古墳が残る山形県高畠町。比較的まちなかで見ることができるので、気軽に古墳めぐりが楽しめます。墳丘の規模はコンパクトですが、復元整備されているものも多く、見ごたえあります。

訪問日:2024/5/1(水) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

古墳が多数残る髙畠町

日本各地に築かれていた古墳。一般的には「古墳時代」と呼ばれる3世紀中頃から7世紀頃に多く築造されますが、山形県南部の置賜地方では8世紀に入ってからも造られていました。中でも、特に多くの古墳が残っているのが高畠町。

Google Mapで「古墳」と入力してみると、出るわ出るわ多数の古墳がヒットします!!

古墳以外にも、迫力の採石場を見学できる「瓜割石庭公園」や、三重塔が残る「安久津八幡神社」、髙畠石でつくられた「旧高畠駅」、泣いた赤鬼の物語で知られる「浜田広介記念館」など、観光名所が多数あります。古墳めぐりとあわせていろいろ訪問してみるのも超おすすめな町です。

金原古墳

最初に向かったのは金原古墳。Google Mapのポイントに向かうと、案内板があり、路肩に車を停めるスペースもありました。

矢印通りに畑の中の道を進んでいくと、プレートとともに、こんもりとした墳丘の姿が。7世紀中頃に築造されたと考えられている古墳で、現存している墳丘の直径は24m。これは高畠町の古墳の中でも最大規模とのこと。畑に包まれているので畑古墳とジャンル分けしてみましょう。

羨道と玄室からなる石室も見ることができます。凝灰岩の切石でできていることなので、おそらく高畠町名産の「髙畠石」でできているのでしょう。なお、石室の天井となる蓋石は失われており、オープンな状態です。

ちなみに、このあたりはキジがたくさん!古墳を眺めていたら、目の前を派手なオスのキジがバッサバッサと飛んでいきました。古墳とキジの写真撮りたかったなぁ。

清水前古墳

続いて向かったのは瓜割石庭公園の近くにある清水前古墳。駐車場はありませんが、国道113号線から入って古墳目の前に停めることができます。こちらも先ほど同様に畑古墳です。

2つの古墳が並んでおり、手前が1号墳。金原古墳と同じく凝灰岩の石室があります。封鎖されているわけではないのですが入口はとっても小さく狭いため入りにくいです。

その隣りにあるのが2号墳。1号墳と同規模、石室もほぼ同じ状態です。この2つの古墳は、県の史跡にも指定されています。

案内板によると、7世紀後半の築造であり、須恵器片、内黒土師器片、鉄釘、刀子、骨片が出土したそうです。

かつては7〜8基の古墳があったとされますが、現在は1〜3号墳を残すのみとのこと。国道113号線を挟んで3号墳があるそうなので探しに行ってみましたが、見つけることができませんでした・・・!

存在しているけど草木で見えないステルス古墳なのか、もしくは風化して消滅してしまったエアー古墳なのか・・・。

鳥居町支群

安久津八幡神社の拝殿のそば、木々に包まれるように多数の古墳が残されています。こちらは、安久津古墳群の鳥居町支郡

木々に包まれた3号墳では、高畠石を用いた横穴式石室を確認できます。

同規模の4号墳は、石室が開けた状態です。

大きな木が生えた2号墳。各古墳は、墳丘前にプレートが置かれています。古墳めぐりをしていると、「案内がないと見つからないステルス古墳」なんてケースが多数あるので、わかりやすいのはとってもありがたい。

1号墳はもう自然に帰ろうとしているような姿です。

いずれも森の中に溶け込んでいるフォレスト古墳です。いや、神社の境内にあるから神社古墳でも良いかもしれません。

羽山古墳

続けて向かったのは羽山古墳。青竜寺というお寺の前にちょっとしたスペースがあり、そこから登っていきます。

最初の側道を右に、次の側道も右に。案内がないので不安になりながら進んで行きます。

開けたスペースがあり、東屋と招魂碑が置かれています。ここまで来ると案内板も出てきて一安心。

上ること5分ほどで古墳が見えてきました。石垣のように小さな石が組み上げられた姿が力強さを感じる姿。山の上にあるため、大きな石は運べなかったのかもしれません。

山形県指定文化財で古墳時代後期の典型的な古墳であるそう。「メノウの勾玉」という珍しい出土品でも知られています。

さぁ、この古墳はなんというジャンルにしましょうか。山の中にあるので、山古墳で良いでしょうかね?

安久津支群

「うきたむ風土記の丘考古資料館」のすぐ目の前にも古墳があります。まほろば古の里歴史公園という広場に鎮座するのは、安久津支群。7基あったうち2基が復元されています。

2号墳は調査が行われ、石室が復元。ここもやっぱり地元産の凝灰岩で造られているとのことなので、きっと髙畠石が利用されている事でしょう。

7世紀後半の築造であり、須恵器や土師器が出土したとのこと。羨道の一部に作り替えがあるので、「追葬」された可能性も考えられています。

えっと、芝生古墳、もしくは公園古墳とかで良いかな。

 

うきたむ風土記の丘考古資料館

安久津支群のそばに建つうきたむ風土記の丘考古資料館。日向洞窟、大立洞窟、火箱岩洞窟など、多数の洞窟遺跡の紹介や出土品の展示、再現された縄文時代の竪穴式住居などを見ることができます。

高畠町に限らず、南陽市山形市など置賜地方の古墳の紹介コーナーも。もしかしたら、次に行きたい古墳が見つかるかもしれません。

展示を眺めていて気になったのは「置賜の横穴式石室の古墳は富裕農民層の家族墓が多い」との記載。

通常古墳めぐりをしていると、ほとんどの場合記載されているのが埋葬者について。「その地域の豪族や権力者と推定される」などの推測があるのですが、高畠町の古墳にはどこにもそれがありませんでした。

家族墓ということならば、埋葬者の記載が無いのはもちろん、小ぶりな墳丘が多数集まっている特徴も、追葬がされるというのも納得です!最後の最後で何だか妙にすっきりした古墳めぐりでした。

 

※オレンジ色で記した○○古墳というジャンル分けは、私が勝手に呼んでいるだけです!なのでくれぐれも日常生活で「ステルス古墳が・・・」みたいに使用されないようにご注意くださいね!!ちなみに勝手なジャンル分けは以下の記事がはじまりです。

狛江古墳群 Part 1 駅の南側の6つの古墳めぐり(狛江市)
東京都の狛江市には、古墳がいっぱい!メジャーな巨大古墳などはありませんが、太古の昔から人が暮らしていた歴史を感じることができます。駅から徒歩で気軽にめぐることができますが、少々上級者向けかもしれません・・・!

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