木々が開けた渓流に突然現れる龍門の滝。垂直に流れ落ちる1段目と、岩肌を滑らかに流れる2段目、2つに分かれたダイナミックな姿が魅力的です。中国の黄河にちなんだ名前が付けられていますが、この名前は現代でも良く使われるある単語のもとにもなっています。
遊歩道で気軽にアクセス
「九重”夢”大吊橋」や「飯田高原」などの観光名所で知られる大分県の九重町(ここのえまち)。今回ご紹介する「龍門の滝」も、そんな九重町を代表する観光スポットのひとつ。
駐車場からは、約200mの遊歩道を歩いていきます。舗装されており、歩きやすい道。普段着で全然問題ありません。
道中に見えてくるのは竜門寺。曹洞宗や臨済宗とともに禅宗のひとつに数えられる黄檗(おうばく)宗の寺院ですが、このお寺についてはまた後程。
お寺のすぐそばから滝が見えてきました!ここまで駐車場からわずか3分。かなりアクセス良好な滝です。
2段に分かれた姿
全体を見渡すならばここからで充分ですが、もう少し近づけそうな予感。スロープを下って、川を渡って近づいてみることにしました。
全体の規模は落差26m、幅40m。石積の堤防からは、大迫力の滝の姿を間近に見ることができます。
よく見ると2段に分かれた「段瀑(だんばく)」で、1段目の滝は垂直に流れ落ちる「直瀑(ちょくばく)」。
2段目は岩肌を滑るように流れる「滑瀑(かつばく)」。1段目の滝の滝壺からあふれ出た水が流れ出して形成されています。岩の割れ目が、巨大な亀の甲羅のようです。
かつては滝遊びスポット
正面からはかなりの急傾斜に見える滝ですが、2段目の滝は非常になだらかな。横から見ると、まるでスライダーのような姿をしています。
実はこの滝、水遊びスポットとしても知られています。天然のすべり台として、夏場になると浮き輪やマットを敷いて滝を滑る子供たちの姿でにぎわいます・・・と言いたいところですが、令和2年の大雨による落石で2024年4月時点では滝壺遊泳禁止となっていました!
下流での水遊びはOKとのこと。周辺にはキャンプ場や日帰り入浴ができる温泉宿もあるので、夏場のレジャーにはとっても良さそうなスポットです。
中国にちなんだ名称
先ほどの竜門寺というお寺は、鎌倉時代に宋の国からやってきた蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)という僧侶が建立したと伝えられています。
中国の黄河にある激流「龍門」に似ていることからこの滝を「龍門の滝」と命名し、この寺を建てたそう。
この黄河の龍門という場所ですが、ここを登った鯉は龍になるという伝説で知られる場所。それにちなんだ言葉として良く知られているのが「登龍門」。物事における関門を指す言葉として、「新人作家の登竜門」「ブレイク俳優への登竜門」など、きっと多くの人が聴き覚えのあるのではないでしょうか。
ちなみに蘭渓道隆は鎌倉の建長寺を開いたり、伊豆の修禅寺を臨済宗に改宗したりと各地にその歴史を刻んでいます。
アクセスと見学情報
大分自動車道の九重ICから車で約15分。訪問時は駐車場は全て無料でした。というか、人が誰もいませんでした・・・!
すぐ近くには、かつての機関車の車庫や転車台を保存・展示した「旧豊後森機関庫」があります。車で10分ほどなので、合わせての訪問がおすすめです。
見学所要時間は、駐車場からスタートして20分程度でした。とっても気軽に見学できる滝です。
見学時間 | 24時間自由 |
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料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.town.kokonoe.oita.jp/docs/2018021500032/ |
※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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