荘厳なるドームで学ぶ正教の歴史『東京復活大聖堂(ニコライ堂)』(千代田区・御茶ノ水)

東京都(23区)

御茶ノ水駅すぐ近くで圧倒的な存在感を放つ大きな聖堂。時間内であれば、一般の人も内部を見学することができます。静かで荘厳な空間は、心がおちつくスポットです。

訪問日:2023/7/29(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

日本正教会の大本山

JR御茶ノ水駅の聖橋口から南へ進むと見えてくるのが、東京の街では異彩を放つドーム状の建築。こちらは東京復活大聖堂、通称「ニコライ堂」と呼ばれる施設です。

ここは日本正教会(日本ハリストス正教会)の大本山。カトリックやプロテスタントとは異なり、東ローマ帝国の国教として発展したキリスト教の教派です。

原設計を担当したのはミハイル・シチュールポフ、そして明治時代に数多くの西洋建築を日本に造り上げたジョサイア・コンドルが実施設計を担当。1884~1891年の7年の歳月をかけて造られるも、1923年に関東大震災で一度崩壊。その後、岡田信一郎によるいくつかの改変を経て1929年に復活。1962年には国の重要文化財にも指定されました。

ビザンチン様式とは

この大聖堂は、日本最大のビザンチン様式の建築物であるそう。

ビザンチン様式というのは、コンスタンティノープルを首都としたビザンツ帝国(東ローマ帝国)で興った建築様式。1000年以上にも渡る歴史があるため、その特徴は時期によって異なりますが、一般的にはドームやモザイクなどが特徴。現在でも正教会の聖堂やイスラム教のモスクに使用されています。

日本では他にはどこにあるのかなと思って調べてみたところ、「函館ハリストス正教会」や「京都ハリストス正教会」がその影響を受けた建築であるようです。

荘厳なドーム内部

この大聖堂は、誰でも300円で拝観可能。リュックは下ろす、男性は脱帽などのルールがありますので、拝観時はご注意ください。また、内部の撮影も禁止されております。

ドーム状の広い空間は、金色のシャンデリアや燭台が並ぶ荘厳な空間。華やかなステンドグラスからは光が差し込みます。

案内板などはありませんが、受付にて建築や日本正教会についてわかりやすく書かれたパンフレットがいただけます。堂内のベンチに腰掛けて、ゆったりと眺めてみるのおすすめです。

なお、内部には冷房はありませんが、複数の扇風機が配置されています。真夏日でしたが、ひんやりした空気でとても快適でした。

ニコライとはなにもの?

この施設に名を冠しているニコライというのは、ロシア人の修道司祭であるニコライ・カサートキンのこと。

正教の教えを日本に伝え、日本正教会を創建、日本各地に聖堂を建てました。多くの宣教師によって広められたカトリックやプロテスタントとは異なり、たった1人の手によって伝導されたのが凄いところ。

生涯を日本へと捧げ、日露戦争時も日本に留まり「日本人の務めとして、日本の勝利を祈るように」と勧めたそう。1912年に日本国内にて永眠。1970年には亜使徒聖ニコライ、聖ニコライ大主教へと列聖されます。
(※列聖=信仰の模範となるにふさわしい信者を聖人の地位にあげること)

八端十字架

聖堂にあしらわれた十字架をよく見ると、カトリックやプロテスタントの教会で見かけるものとは少し異なっています。

通常の十字架に2本加えてあり、文字通り八端になっていることから「八端十字架」と呼ばれています。上の棒は十字架に貼られた罪状札を、下の棒は足台を表しているそうです。

正教会の十字架は全てこれ、というわけではなく特にロシア正教会やブルガリア正教会など、一部で多く用いられているそう。

気づいたのですが、もしかしてニコライ堂って真上から見ても十字架・・・?気になる方は、Google Mapの航空写真モードで探してみてくださいね。

アクセスと営業情報

JR中央線・総武線の御茶ノ水駅から徒歩2分、東京メトロ千代田線、新御茶ノ水駅から徒歩2分、東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水駅から徒歩6分、都営地下鉄新宿線の小川町駅から徒歩7分。

拝観時間 13:00~17:00 ※10~3月は15:30まで
休館日 月曜
料金 300円
公式サイト https://nikolaido.org/

※掲載の情報は2023年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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