与論島 Part 5 島にそびえ立つミュージアム『サザンクロスセンター』(与論町/奄美群島)

与論島

島全体を見渡すことができる資料館。自然、歴史、文化、芸術と様々な分野の展示が広がり、色々な角度から島を知ることができます。島の祭事「十五夜踊り」に関する展示も見どころです。

訪問日:2024/9/21(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

島を学べるミュージアム

サザンクロスセンターは、1993年に島の南部にオープンしたミュージアム。かっこよすぎる名前は、与論島が南十字星が見える最北限の島であることからつけられたそうです。

1階では島の特産品やおみやげも販売しているので、立ち寄りスポットにもおすすめ。

大潮の干潮時に出現する百合ヶ浜の雰囲気を再現したコーナー。白い砂浜には貝殻やサンゴがたくさん。置かれている流木は、人気アイドルグループ嵐が「IN THE SUMMER」のMV撮影時に座っていたそうです。

唐突に現れる白い自転車。これは与論島でロケが行われた映画『めがね』に登場する自転車です。映画を見た方は、きっとこの自転車の後ろに乗ってみたくなるはずです。

与論島で1番高い展望室

まずエレベーターで一番上へ行き、そこから降りてくるのがおすすめとのこと。ということで、まずは最上階となる5階へ向かいます!

5階は展望室になっており、島内を一望できます。遮るもののない360°のパノラマが広がり、どこを見ても青い空と青い海が広がる景色は最高です!

西側には与論城跡の石垣。この場所にある城ならば、常に島を見渡すことができたのでしょう。

東側には手前に地主神社の赤い鳥居、そして奥にはうっすらと赤崎海岸らしき海辺が見えます。もしかして、タイミングが合えば百合ヶ浜も見えたりするのでしょうかね?

自然や歴史を感じる展示

続く4階では与論の星空や鳥の写真、与論城の調査結果などが、3階では「沈船あまみ」「海中宮殿」などのダイビング映像が流れています。

横たわるのは「サバニ」という木の舟。細い船型が手軽に砂浜に上げやすく、波にも強いため与論には適しているそう。

不思議なカタチの漁具は「ソーラムンダニ」。サワラ漁に使用される疑似餌であり、これを海に入れてサワラをおびき寄せてモリで突くそう。

こちらの民具は「ソテツの実割り機」。かつては定期船も本数が少なく、台風で畑がやられると食料不足に陥ることが多かったそう。そんなときに、この道具を使ってソテツの実を食べることで凌いでいました。

なお、ソテツの実には毒があり灰汁抜きを十分に行わないと中毒症状を引き起こす可能性がありました。食べる物が無く有毒な蘇鉄に頼らざるを得ない状況を指して「ソテツ地獄」とも呼ばれていたそうです。

南国が描かれた芸術

与論島出身の画家である池田政敏氏の絵画も多数展示されています。琉装やアダン、サンゴ礁など南西諸島らしい風景が、くっきりとした色彩で描かれており見応えあります。

個人的に気になったのはこちらの《定期船》。マルエーフェリーが運行している「フェリー波之上」を描いた作品であり、植物の海を進むような構図が非現実的な感覚をもたらしてくれます。

伝統芸能・十五夜踊り

与論島を代表する伝統芸能、十五夜踊りの映像も見ることができます。嶋中安穏、五穀豊穣を祈る祭事であり、旧暦3月、8月、10月の十五夜の日に開催されます。伝説によると1561年、当時の与論領主が3人の息子を島内・琉球・大和に遣わし、それを1つの芸能としてまとめあげたものであるそう。そのため各地の芸能が入り混じっているのが特徴です。

こちらは「嶋中安穏」と書かれた十五夜踊りの際に使われる大旗。左右を舞う昇り龍、爪は4爪ですね。

一番組と二番組に分かれた踊り手が交互に踊りを奉納します。その際に使用される十五夜踊りの面がこちら。赤白黒のくっきり3色カラーですごいコミカルな表情をしています。

十五夜踊りは明治時代に中断するも、天災や病がまん延したため復活、現在まで途切れることなく続いているそうです。1993年には国の重要無形民俗文化財にも指定されました。

そんな十五夜踊りの展示のすぐそばに広がるのは、仮面神コーナー。悪石島のボゼ、三島村のメンドンなど、島好きなら反応してしまう仮面神たちが集まっていました!

アクセスと営業情報

すぐそばには与論城跡、琴平神社、地主神社があります。あわせての訪問がおすすめです!

開館時間 9:30~17:30
休館日 水曜
料金 400円
公式サイト https://southerncrosscenter.wixsite.com/mysite

※掲載の情報は2024年9月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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