ジャスミンと砂漠と飛び交う仮面『チュニジアパビリオン』(大阪・関西万博パビリオン)

大阪・関西万博

小さいながらもチュニジアの魅力をたっぷり体感できるパビリオン。古代の仮面、国花のジャスミン、サハラ砂漠、伝統工芸、料理と楽しみがたくさん。しっかりと美意識を感じる展示方法や装飾も見事です。

訪問日:2025/6/30(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

コンパクトなパビリオン

チュニジアは北アフリカにある国。北東部は地中海に面しており、南部は広大なサハラ砂漠が広がる、砂漠と海の両方を楽しめるのが魅力の国です。世界遺産や古代ローマの遺跡も多く、歴史好きにも人気。

そんなチュニジアパビリオンは、カンボジア館とチリ館の間、コモンズB・コモンズCのすぐ近くにあります。真っ赤な壁と、上部に釣り下がる白い飾りが美しい外観。

この白いものは、国花であるジャスミンの花。その奥をよく見ると、伝統工芸のモザイクがあしらわれています。ちなみに待ち時間は月曜の17:00頃で10分待ち。小さなパビリオンですが、意外と待ち時間が発生することがあります。

飛び交う古代の仮面

入場すると、4面スクリーンのお部屋。約2分のナレーションのない映像が上映されます。

唐突に現れるのは謎の仮面。この仮面がスクリーンを超高速で飛び回るという、非常に呪術的な雰囲気。

おそらくこのお面は、カルタゴ時代の古代仮面。カルタゴというのはチュニジア北部にあった古代都市国家。古代ローマとライバル関係であり、3度に渡るポエニ戦争が勃発。第二次ポエニ戦争ではハンニバル・バルカ将軍によってローマを滅亡寸前まで追いやるものの、第三次ポエニ戦争にて敗北。紀元前146年に滅亡してしまいます。

神秘的なサハラ砂漠

チュニジアの国土の南半分はサハラ砂漠が広がっています。シアターの次の部屋、というより廊下部分は、夜のサハラ砂漠をイメージした幻想的な空間。

最初のシアターから続くため、最初は少し混雑しますが、少し待っていればすぐに誰もいない状況で写真撮影することができます。

突き当りには小さな覗き窓が2ヶ所。覗いてみると、リアルな砂漠の映像を見ることができます。岩場の風景やキレイな瞳のお姉さん、そして 「スター・ウォーズ」の映像が映ることも!

チュニジアは映画「スター・ウォーズ」のロケ地のひとつ。主人公ルーク・スカイウォーカーの故郷「タトゥイーン」のモデルとなった場所として知られています。

お次の部屋は、またまたシアター。「ワクチンの発明者」「社会学の父」など、チュニジアの偉人が紹介されます。さらにはスタートアップや医療・科学技術など現代チュニジアの革新が続いていく内容でした。

華やかな伝統工芸

これにて展示はおしまい。最後の通路に展示されているのは、チュニジア南西部の都市ガフサの「メルグーム」と呼ばれる手織物。ベルベル(アマジグ)という先住民族に伝わる伝統的な品物です。

進んで行くと、工芸品の販売コーナー。スプーンや器、ジューサーなど様々な製品が並んでいます。特徴的なかたちのタジン鍋も置かれています。

職人さんによる実演も。ここでは、リングにアラビア文字で名前を刻印してくれるそうです。

お手軽なチュニジア料理

ショップとともにカフェも併設。セルフオーダーのカジュアルなスタイルなので、気軽に現地の味を楽しむことができます。メニューは、クスクスやタジンといったチュニジアらしい料理がラインナップ。

こちらがタジン。てっきりタジン鍋を使った蒸し料理かと思いきや、それはモロッコのタジン。チュニジアのタジンは、卵にチキン・チーズ・オニオンを入れて焼き固めた、キッシュに似た一品。カリカリした食感と旨味がたっぷりなメニューです。

購入した料理はこちらでイートインも可能。大きなテーブルに座布団で座る感じが新鮮です。壁面を覆う装飾もとっても華やか。

スイーツも1個単位で販売しています。三角形のSamusa(サムサ)は、マカダミアナッツ、アーモンド、ゴマをチョコで包んだお菓子。丸いBasbousaは、ナッツ餅みたいなテイスト。どちらも日本人の口に合う美味しいお菓子でした!

ジャスミンとツボ

出口にもジャスミンの装飾が。垂れ下がる無数の花が美しく、最後まで徹底した美意識を感じます。ほんのりとジャスミンの香りが漂っているのは、気のせいではないはず・・・!

外では、職人さんが小さなツボを実演で作っています。館内のショップにて800円支払えば、好きなツボを持ち帰ることができます。

ただし、個包装はなく、板に乗ったそのままの姿でのお渡し。後先考えずに買ってしまうと、この先の万博めぐりは生乾きのツボをそのまま持ち歩くというハードモードに突入しますのでご注意を。

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