独自のテンションと愉快な解説でエンタメ性抜群な水族館。北国らしく氷の海で暮らす生き物やアザラシなどの海獣も充実しています。他では見ることのできないレア生物や、独創的なグッズなどマニアックな楽しみ方もできます。
雪国の個性派水族館
多くの水族館が存在する北海道。そんな中でもひときわ個性的なのが、小樽市内にあるおたる水族館。小樽駅からバスに乗って向かった水族館は、すっかり雪に包まれていました。
館内には冷たい海に暮らす生き物たちがたくさん。大水槽・海のパノラマ回遊水槽では大きなサメやエイが悠々と泳いでいます。
サカナたちがぐるぐると泳ぎ続けている回遊水槽オホーツク海・ベーリング海水槽に泳いでいるのは、オオカミウオや世界最大のカレイ・オヒョウ。カレイといえば底にいるイメージがありましたが、ここのカレイたちは常にぐるぐると泳ぎ続けています。
寒い海のサカナたち
ニシン水槽でなぜか泳ぐホテイウオ。ニシンの産卵がまだなので、その代わりという役目を任されています。
青白い光の中を泳ぐのはマダラ。鍋料理や汁物、白子などなど食卓でもお馴染みの魚ですが、その出で立ちはなんだか神秘的です。
北海道にしかいないオショロコマ。するどい歯が生えており、水槽内にで常に小競り合いを繰り広げています。縄張り争いが強そうな雰囲気です。
天ぷらでおなじみのたくさんのワカサギのなかに、なぜか1匹だけ投入されたイトウ。めまぐるしく動く小魚の中で、ずっしりと圧倒的な存在感を放ちます。
楽しすぎる解説文
ほとんどの水槽に解説が貼られているのですが、どれも非常にユーモアたっぷり。コレを見ているだけでも楽しめてしまいます。
唐突に現れるマガキレンジャー。ひたすら底を掃除しているだけのマガキガイ。誰も見ていない、もしくは見ても「キモい」で終わってしまうざんねんな生き物なのですが、このように特集されているだけでそれはもう奇跡です。
目につくのは「 ♪ク~イズクイズ♪」と書かれた貼り紙。その水槽にちなんだおもしろクイズが書かれており、見る人を楽しませてくれます。「チョウザメのヒゲの役割は何でしょうか」といった真面目な内容から、「コンブが海でダシが出ないのはなぜでしょうか」などのユニークなものまで、その内容は様々。
個人的に一番インパクトがあったのがコチラ。あきらかにおかしい位置に貼られています。
そこに書かれたクイズはこちら。
①貼る場所を間違えた
②まぼろし
③大切なことをつたえたい
正解は・・・・秘密です!ぜひ現地でお確かめください!
たのしいショータイム
ショースタジアムでは、イルカとオタリアのショーもやってます。おたる水族館のショーは季節によってプログラムが変わるのですが、夏場に訪れると最大6頭のトドが海に飛び込む、迫力のトドダイブを見ることができるそう。
冬期限定でペリカンウォークも開催中!水族館の館内通路を大きなモモイロペリカンが歩いていきます!ペリカンって間近で見ると迫力満点。
そして冬のおたる水族館といえば大人気のペンギン散歩。旭山動物園のオウサマペンギンも有名ですが、ここでは少し小型のジェンツーペンギンが歩きまわります。ペンギンって歩いているだけでかわいいからずるい!
謎の生物「ワレカラ」
今回初めて知った生き物、それはワレカラ。世界中の海にいる甲殻類で、主に海藻にくっついている小さな生物。海藻があるところにはだいたいいるらしく、日本各地どこでも見ることができるそう。ただしサイズが1cm程度とかなり小さく、そして細長いため意識しないと生き物として見れません。
今まで泳いできて海にもいたのかな?佐渡島にも波照間島にも奄美大島にもいたのかな?
そんなマイナー生物のワレカラですが、なんと古今和歌集や枕草子にも出てくるそう。Wikipediaにもワレカラが出てくる短歌や俳句がいくつも掲載されています。
また、ことわざにも「われから食わぬ上人(しょうにん)なし」というものがあります。これは、殺生を避けている聖人でも、海藻にまざったワレカラを気づかずに食べてしまっている、すなわち「清廉潔白なつもりでも避けられない過ちがある」という意味らしい。
マニアックな生物かと思いきや、日本古来の文化にも根差しているというなんともびっくりな生物でした。
問題作のグッズ
水族館といえば楽しいグッズコーナー。特に、その水族館の人気者をグッズ化したオリジナルグッズは要チェックです!
なにコレ!?!?
なんとも形容し難い不思議なキャラクター。栗のようなルックスは、横スクロールアクションゲームの1stステージで1番最初に登場する敵キャラクターのようです。
その正体はフウセンウオ!しかも名前が「まことくん」という、全然フウセンウオに抵触しないネーミング。
私はこの独特のセンスが気になってしまい、ぎりぎりまで買おうかどうか悩んでいました・・・。でも、今日1日連れて歩くのに抵抗があったのであきらめました。都内の水族館とかで見かけたら即買いだったかもしれません。
ちなみに、ホンモノのフウセンウオにも会えます。
うーん、たしかに何をモチーフにしたかと問われたらフウセンウオなのですが、なんだか腑に落ちないです。このおたる水族館のセンスはかなりアブノーマル。
こちらはペン太。おそらくジェンツーペンギンだと思うのですが、今度はストレート過ぎるネーミング。見逃してはいけないのが、ショルダーバッグのようにフウセンウオを下げているところ。
他にも、なぜかフィーバーしているアザラシとカワウソのメモ帳など、他の水族館とは一線を画したデザインのグッズが並んでいます。
数多くの水族館をまわってきましたが、ここまで尖っているデザインははじめてかもしれません。この独特なセンスは暫定日本一です。
アクセスと営業情報
おたる水族館は小樽駅から離れており、歩いて行くのはかなり厳しい。小樽駅前のバスターミナルからバスが出ていますので、こちらを利用するのがポピュラー。乗車時間は約20分、料金は片道240円。1時間に1~3本程度と本数はあまり多くないなのでご注意ください。
また、帰りのバスも事前にチェックしておくのがおすすめ。それにあわせて水族館の滞在時間を決めるのがベターです。
水族館以外にも行く予定がある方は、小樽市内の指定エリアのバスが乗り放題となる一日乗車券(800円)もおすすめです。水族館入館料も割引となるため、とってもお得です。
入館料:冬期:1,000円
コメント