激レアなオクタゴン古墳『三津屋古墳』(吉岡町)

群馬県

前橋市に隣接する吉岡町にある三津屋古墳は、八角墳という非常に個性的な姿をしています。日中は石室内部も公開されており、自由に見学可能。おまけで記事の最後にペーパークラフトについても載せてみました。

訪問日:2024/7/15(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

珍しい八角形古墳

古墳の墳丘には様々な形状があります。鍵穴のような形の「前方後円墳」や、円形の「円墳」、四角形の「方墳」は非常にポピュラーですが、中には少々ユニークな形のものも。

今回ご紹介する三津屋古墳も、そんな個性派な古墳の一つ。

なんと、八角形の「八角墳」という珍しい形状をしています。このような古墳は、全国でも10例程しか確認されていないそう。これは激レア古墳です!

1993年に発掘調査が実施され、その2年後である1995年に群馬県指定史跡に指定されました。

再現された墳丘

三津屋古墳は、2002年に築造当時の姿に復元されています。墳丘の規模は、対角長約23.8m・残存高さ4.5m。二段構成になっており、下段は一辺約9m・上段は一辺約6m。

墳丘に散りばめられた葺石も再現。上下を見比べてみると、使用されている石の形が異なっています。

下段のゴツゴツした石は「山石」、上段の滑らかな石は「川原石」と使い分けられていたそう。更に、角の部分には大きめの石が使用されて八角形が強調されていました。

下段部分の石室入口は一辺が切れており、前庭部が造られています。ここは祭事が行われた場所であったと考えられています。

石室内部は見学可能

石室には厳重な扉がありますが、8:30〜17:00の間ならば鍵が空いて中に入ることができます。

盗掘などにより破損しており、ほとんどの石は持ち去られてしまっています。大きな石だけが残っていますが、これも割って持ち出そうとした痕跡が。被葬者とともに埋葬されていたであろう副葬品も、全て持ち去られていたそうです。

奥の部分の壁石も持ち去られております。その代わり、見えるのは盛土の断面。10〜20cmの層に積み上げられており、寺院建築などで用いられる「版築」と呼ばれる工法で築かれているそう。

盛土の層をよく見てみると、真ん中あたりに黄土色の土が挟まれています。この部分は石室の天井を覆った粘土と考えられています。

被葬者はいったい何者?

ここに埋葬されていたのはいったいどのような人物だったのでしょうか。詳しいことはわかっていませんが、被葬者を想像する際にポイントとなるのが墳丘のカタチ。

このような八角墳は10例ほどとのことですが、そのほとんどが畿内における天皇、あるいはそれに準ずる位の高い人を葬るために造られたもの。同じく八角墳であり、墳丘が再現されているのが奈良県明日香村にある「牽牛子塚(けんごしづか)古墳」も、斉明天皇の陵墓であると考えられています。

(まだ行ったことないので、いつか必ず訪問します・・・!)

そのため、畿内より遠く離れた地ではありますが、この三津屋古墳の被葬者は大和政権と強いつながりを持つ有力な豪族であったと考えられています。

余談ですが、八角形というカタチには「すべての方向に光を当てる」、すなわち支配者としての姿勢を表しているとも考えられています。巨大な前方後円墳は威厳を誇示する意味合いがあったのに対して、地方を治める力を表現するというように、時代の変化があったのかもしれませんね。

まさかのペーパークラフト

三津屋古墳から車で5分程のところには、吉岡町文化財センターがあります。建物の周辺に残る「南下古墳群」に加えて、この三津屋古墳の解説なども見ることができるので、合わせて立ち寄るのがおすすめ。

そして、ここには三津屋古墳のペーパークラフトがあります!受付で尋ねるとタダでもらうことができます。ちょっと複雑そうですが、わかりやすい解説もついているので大丈夫!

せっかくなので色塗りしてみたくなりました。

ということで、家にあった唯一の画材、もらいものの「京王線クーピー」を使ってぬりぬり。京王線の車両に使用されているカラーのみ、という厳しい縛りがありますが、そこは色を重ねてなんとか乗り切ります。

色が塗り終わったあとは、ハサミとノリで組み立て。上段と下段の組み合わせが、うまく接着できず少々苦戦・・・。

築造完了!!

手のひらサイズのなんとも可愛らしい三津屋古墳。上部の切り込みは、貯金箱になるというギミック。石室入口を開くと、壊すことなく中のお金が取り出せます。

三津屋古墳にお立ち寄りの際は、ぜひこちらにペーパークラフトにも挑戦してみてくださいね!

アクセスと営業情報

関越自動車道の「駒寄SIC」から約5分。

駐車場は古墳の石室側(南)と墳丘上側(北)の2箇所にあります。石室側の方に停めたところ、目の前が古墳でした。

石室公開時間 8:30~17:00
料金 無料
公式サイト https://www.town.yoshioka.gunma.jp/kankou/culture/001438.html

※掲載の情報は2024年7月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

コメント

  1. […] […]

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