甑島列島④ 上からも下からも楽しめる『長目の浜』(上甑島/薩摩川内市)

甑島列島

上甑島を代表する景色といえば、長目(ながめ)の浜。長く伸びる白い砂州は、古来より景勝地として知られています。今回は3つの展望台をめぐり、さらに実際に浜を歩いてみました。

訪問日:2023/11/3(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

長目の浜とは

甑島の人気観光スポット長目の浜は、約4kmにわたる長い砂州が伸びる絶景スポット。島津久光がその景観を褒め称え「眺めの浜」と呼んだのがその名の由来であるそう。

もともとは入江が続く入り組んだ地形でしたが、打ち寄せる波や沿岸流によってせき止められ、「なまこ池」「貝池」という湖ができあがりました。

なまこ池は面積51ha、最深部22m。名前の通りナマコが生息している他、メジナ、タイ、キスといった海水魚が多数暮らしています。貝池は面積16ha、最深部12m。池の中層に赤いバクテリア「クロマチウム」の層があり、それが底に見えることから二重底であると恐れられていました。このバクテリアは20〜30億年前に生息、世界的に見ても生息地が限られる、大変貴重なものだそうです。

長目の浜の延長には「鍬崎池」と「須口池」という湖もあり、「なまこ池」「貝池」と合わせて「甑四湖」とも呼ばれています。

展望台から見る

そんなちょっと特殊な地形である長目の浜。その美しさを堪能するには、高い位置から見渡すのがおすすめ。いくつかある展望スポットのうち、今回は3ヶ所をめぐってみました。

長目の浜展望所

里港から車で約10分、もっともポピュラーな展望台が長目の浜展望所

ここからは、うねる長目の浜を見渡すことができます。砂州が二段階になっていますが、奥の部分が長目の浜&なまこ池・貝池です。左側の手前に広がるのは鍬崎池という淡水に近い池。オオウナギやコイが生息しているそうです。

この展望所には遊歩道もあります。下って行くと海岸へ降りることができるそうですが、草が茂っており断念。なお、ここにはトイレはありませんのでご注意ください。

鍬崎展望所

長目の浜展望所のすぐそばにある展望所で、「ふれあいパーク鍬崎」とも記されています。ここは屋根付きの椅子とトイレもあるので、ひと休みにも良さそうです。

ここから見る長目の浜がこちら。他の展望所とは異なり、海側から見られるというのがポイント。

写真だと少し距離があるように見えますが、肉眼では充分。海がせき止められている様子を最も体感できるビュースポットです。

田之尻展望所

最も長目の浜の全貌を確認できるのが田之尻展望所。里港から車で25分くらいと、一番奥地にあるポイントです。ここは屋根付きの休憩所も備えています。

ここからは、まっすぐに伸びる眺めの浜を見ることができます。さらに、海の向こうには、ぼんやりと牛深や長島といった天草諸島の島々の姿も。

そして、ここのトイレはかなりキレイ!島では貴重なトイレポイントでもあります。

長目の浜を歩く

展望台から長目の浜を見渡した後、もし時間があったら実際に歩いてみるのもおすすめ!

長目の浜展望所から降りることもできますが、少々体力が必要になります。最も気軽に長目の浜を歩くことができるのが、こちらの「なまこ池と貝池の間のポイント」。

Google mapには記載されていませんが、ここまで車道が伸びており、さらに駐車場も備えています。最初どんな道か少し不安でしたが、この写真の通り、ばっちり舗装されていました。

駐車場から伸びる遊歩道。左がなまこ池、右が貝池です。貝池の方が水位が高いため、なまこ池へ水が流れ込んでいました。

少しだけ植物がしげる道を抜けると、見えてくるのは青い海と長目の浜。展望所から見た際は白砂に見えていましたが、実は全て丸い石でできています。砂浜に比べると少々歩きにくいですが、波打ち際を散策すると、様々な漂流物を見ることができます。

なお、こういった浜辺を歩く際に気をつけないといけないのは、戻り口がわからなくなること・・・!ついつい歩きすぎてしまう可能性もありますので、漂流物を確認しながら歩くのがおすすめです。

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