大迫力の江戸凧から海外の凧までそろうミュージアム『凧の博物館』(中央区・日本橋)

東京都(23区)

日本各地に伝わる凧から、海外のユニークな凧まで、様々なコレクションが展示された凧専門のミュージアム。最後の江戸凧絵師である橋本禎造氏による迫力ある作品は必見です。

訪問日:2024/8/3(土) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

凧のミュージアム

日本橋にあるという凧の博物館。津々浦々の個性派ミュージアム好きとしては見逃せないスポットです。

地図で調べたポイントに到着するも、それらしいものが見当たりません。が、よく見ると2階の窓ガラスに「凧の博物館」の記載が・・・。全然主張がないため、「営業しているのかな?」とちょっぴり不安になります。

ビルの中に入ってみると、申し訳程度に案内板が。どうやらエレベーターで進んだ2階が展示室のようです。

入口はちゃんとスタッフさんがいて一安心。館内には華やかで立派な江戸凧をはじめ、国内外の様々な凧が展示されていました。ちなみに、日曜祝日は休館なのでご注意くださいね。

日本各地の凧

館内には様々な凧が展示されており、名前も添えられています。よく見ると地名を冠したものが多く、どうやら地域ごとに様々な種類の凧があるようです。

こちらは名古屋古流凧。江戸時代初頭、名古屋城下にて隠居した武士たちが考案したとされる凧。複雑な骨組みと、墨をぼかしたデザインなど非常に凝った作りをしています。作るのは難しく、さらに揚げるのもまた難しいそう。

まるで鳥のようなかっこいい姿の六郷とんび凧。大田区の六郷という地域の凧です。漁師町であり、カラスなどの鳥対策で考案されたとも言われています。

長崎県五島列島のバラモン凧は、鬼と武者をモチーフにしたデザインをしております。男の子の初節句に揚げ、こどもの成長や家内安全を祈るそうです。

マス目に入った小さな凧。こちらは長崎凧をミニサイズで複製したもの、そのデザインはなんと120種類!ちなみに長崎では「凧」を「ハタ」と読むそう。なので、長崎ダコではなく長崎ハタです。

他にも静岡の「相良凧」、青森の「津軽凧」、新潟の「六角まきいか」、八丈島の「八丈為朝凧」など、様々な凧が!見比べてみるととっても面白いです。

ユニークな凧

唐突に現れる昆虫標本。と思いきや、これも全て凧であるそう。トンボもチョウも、ホンモノそっくりに仕上げられています。

タイ、アフガニスタン、マレーシア、コロンビアなど世界各国の凧。骨組みなどは近いですが、デザインが全く異なっているのが面白いです。アメリカ軍が航空機に対する機銃掃射の練習に使用したという、ターゲットカイトも。

館内のモニターではずっと凧揚げの映像が流れています。恐竜や戦闘機、巨大なクジラなどユニークな凧の映像がたっぷり。おそらく海外の凧揚げフェスみたいな雰囲気です

次から次へと個性的な凧が揚げられる様子はとっても面白い。この映像、ずっと見ていられます!!

たいめいけんとの関係

唐突に現れるのは胸像。この像はたいめいけんの店主、茂出木心護(もでぎ しんご)さん。

なぜ洋食屋の店主が登場するのかといいますと、ここは彼が集めた凧を展示した博物館なのです。もともとはたいめいけんの店舗内にありましたが、2020年にこの場所に移転しました。

茂出木さんは料理人としての活動とともに、趣味が高じて1969年に「日本の凧の会」を結成。1977年に凧の博物館を創立するに至ったそうです。フランスで国際料理コンクールに受賞したことより、エッフェル塔で日本の凧をあげて周囲の度肝を抜いたことの方が自慢であった、なんてエピソードも見かけました。

最後の江戸凧師

個性的な凧の中で、異彩を放つのが棚と画材。ここは再現された橋本禎造さんの仕事場。

橋本禎造さんは、大正時代から昭和の凧絵師。歌川派の流れを汲む、最後の江戸凧師であったそう。

館内には、彼の作品である江戸凧が多数展示されています。力強く描かれた凧絵は、いずれも凄い迫力。吸い込まれそうな魅力を感じます。

特に凄みを感じたのはこちらの昇龍。黒雲の中を飛ぶ龍が、凧いっぱいに描かれています。三爪の腕で掴んでいるのは、目玉のような珠。迫力満点の姿がとにかくかっこいいです!


展示室は一部屋だけの小規模なミュージアムですが、ただ凧が並んでいるだけでなく、ちょっとした解説もあり想像以上に楽しめる場所でした。

さてさて、最後にこちらの一枚。

なんと、タコの凧!!!!

先ほどのモニター映像を見ていたら登場した超個性派な凧。風になびく脚がリアルで、まるで海を泳ぐような姿です。でもこれ海外映像のようですので、ダジャレ感は意識せずに揚げられている気がします。

アクセスと営業情報

開館時間 11:00~17:00
休館日 日曜・祝日
料金 220円
公式サイト https://www.taimeiken.co.jp/museum.html

※掲載の情報は2024年8月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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