神島 Part 2 監的哨とカルスト地形と恐怖のクマゼミ (志摩諸島/鳥羽市)

三重県

前回に引き続き、志摩諸島の神島(かみしま)を徒歩で散策。中に入れるコンクリートの戦争遺跡「監的哨」や、石灰岩がむき出しになった特異な「カルスト地形」と、島の名所をめぐります。8月に訪問したところ、クマゼミの恐ろしさを知るのでした・・・。

訪問日:2018/8/4(土) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

徒歩でめぐる神島

徒歩なら2時間ほどで一周できる小さな離島・神島。朝イチの船で鳥羽マリンターミナルから船に乗り島に上陸、八代神社・神島灯台とまわったのが前回までのお話。

神島 Part 1 島へのアクセスと八代神社&神島灯台 (志摩諸島/鳥羽市)
鳥羽から行く志摩諸島の中でも最も遠く離れた神島(かみしま)は、その名の通り古来より神の住む島といわれています。鳥羽から30~50分ほどでアクセスでき、徒歩で一周可能なため日帰りでふらっと訪れても楽しめる離島。まずは島へのアクセス方法、そして島内の八代神社・神島灯台をご紹介しますね。

今回は引き続き神島一周の後半戦です。木々が晴れていた神島灯台からは、再び森の中の道に入ります。舗装されてない下り坂なので、足元には細心の注意を。神島は集落を離れると、基本的にこういった未舗装の道になります。

戦争遺跡・監的哨

しばらく歩くと見えてくるのは謎のコンクリート建造物。こちらは「監的哨(カンテキショウ)」。名前からは想像がつきにくいですが、その正体は戦時中に愛知県の伊良湖岬から発射される大砲の着弾点を監視した施設。いわゆる戦争遺跡の一種です。

しっかりした造りを保っており、内部に入ることもできます!通常こういった戦争遺跡は立ち入り禁止となっていることがほとんどなのですが、自由に出入り可能なのがびっくり。

最上部からの眺めは絶景!目の前には青く輝く伊勢湾が広がります。

なお、この監的哨の内部は大量のカタツムリが暮らす「でんでんハウス」となっていました。カタツムリ苦手な方は絶対入らないようにしてください。まあ、カタツムリは動きも遅いし向かってくることもないので全然平気です………!

カルスト地形

監的哨からはまたまた山道。虫に刺されたり、アブラゼミにおそわれながらも進むと、だんだん道が開けてきます。

集落とほぼ反対側あたりに差し掛かると、島の名所であるカルスト地形が広がります。緑と茶色の山肌にむき出しになった白い石灰石。なんとなく怪我して骨が見えちゃったみたいで痛そうな地形です。

さきほどの監的哨と同様に、こちらも間近で見ることができます。というか、特にロープや柵もないため、その気になれば触ったりもできてしまいそう。

カルスト地形の目の前は「ニワの浜」というビーチ。ここは海女さんの休憩所になっている場所らしい。海女さんの姿は見えませんでしたが、波打ち際で子供たちが遊んでいました。

このあとは港へ向けて戻ります。

恐怖のセミロード

さて、三重県に入ってからというもの、関東では聴いたことのないセミの声がずっと聴こえていました。その正体はクマゼミ。関東で見かけるアブラゼミやヒグラシよりも一回り大きく、とても強そうなセミです。

そんなクマゼミが神島の森の中には大量に生息しており、山道を歩いていると、恐ろしいボリュームで鳴き声が聞こえてきます。シャンシャンシャンシャンと激しい鳴き声が幾重にも重なり、まるでシューゲイザーのような轟音ノイズを作り出しているのです。

カルスト地形から港へ戻る際に、このような細い道を通ります。特に普通の道かと思い、通り抜けようとすると・・・・。

顔のすぐ脇を何かが飛んでいった!!!

そう、ここはクマゼミの群生地。歩くと右から左からクマゼミが次々と飛び出してくるのです。耳元をブォンブォンと飛び交う大きなセミ。ただでさえセミが苦手な私にとって、この道はヤバ過ぎます!!!

一気に走り抜けたいのですが、前方にも多数のクマゼミが飛び交っているためダッシュすることもできません。顔を守りながら体制を低くしてゆっくりゆっくり。クマゼミを刺激しないように進んで何とか通り抜けることができました。神島は素敵な島ですが、ここだけは2度と通りたくない道です・・・。

この道を回避するには、カルスト地形近くの学校から車道を進めば何とかなりそうです。私は海辺の景色につられて進んだがために、クマゼミ地獄に陥りました。

港周辺を散策

港までは舗装された下り坂。これまでの試練が嘘のように快適な道です。青い空と青い海は、まるで沖縄の離島に来たような気分。

さて、やっと港へ帰ってきました。一周の所要時間は【約2時間】でした。帰りの船までは時間があるので、港の待合室で一休み。自販機、ベンチ、トイレ、そして冷房完備!!8月の日差しに奪われた体力回復タイムです。

落ち着いたのでちょっと港周辺をさんぽ。積み重なった謎の容器、こちらはタコ壺に違いない!そして、港にはウェットスーツを着たおばさんたち。海女の文化がしっかり根付いているんですね。

完全に接触している軽トラック。何がおこってこのような停車をしているのでしょうか・・・。これも離島ならではの光景ですかね?

神島のTシャツを来ている人がいたので尋ねてみたところ、山海荘(さんかいそう)というところでグッズ販売があるらしい。こちらが神島Tシャツ。1枚3,500円くらいかと思いきや、なんと1,800円!しかも、化学繊維で出来た速乾タイプは1,200円という破格の値段!(※2018年8月時点)

そんなことをしていると、集落中に島内放送が鳴り響く。

「○○さん、△△さん、□□さんは次の船で荷物が届きます。港まで集まってください。」

島民に荷物の到着を知らせるアナウンス。そろそろ帰りの船がくるみたいなので港へ戻ります。

帰りは11:35の船に乗船。行きと同じく答志島の和具港を経由したところ、朝に見かけた釣り親子がまだ釣りをしていました。釣果はどんな感じなのでしょうかね。

12:17鳥羽マリンターミナルへ帰ってきました。もう1日終わった気分ですが、まだまだお昼。ということで、鳥羽バスターミナルから”CANばす”に乗り伊勢シーパラダイスへ向かいます!

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