都の南を守る京都五社『城南宮』(京都市伏見区)

京都府

平安遷都から続く長い歴史をもつ神社。境内に広がる回遊式庭園「神苑」では、ウメやサクラが見事な庭園に加えて、平安・室町・桃山といった様々な時代をイメージした庭園が連なります。

訪問日:2025/3/31(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

長い歴史を持つ古社

京都駅を南へ5kmほどの所に鎮座する城南宮。都の守護と国の安泰を願って平安遷都の際に建立されました。正確な創建年は不詳ですが、成り立ちから考えるに約1300年の歴史を持っていると考えられます。

その後、白河上皇や鳥羽上皇によって城南宮を囲むように城南離宮(鳥羽利休)が造営され、「院政」の拠点となっていきます。京都を主戦場とした大きな戦い「応仁の乱」によって荒廃するも、江戸時代に復興。その後、幕末には「鳥羽・伏見の戦い」によって再び主戦場となります。

そんな争いを乗り越えてきた城南宮ですが、京都五社に数えられています。京都を代表する5つの神社、全部言えますか?

正解はコチラ!!

1. 上賀茂神社(北、玄武)
2. 八坂神社(東、蒼龍)
3. 城南宮(南、朱雀)
4. 松尾大社(西、白虎)
5. 平安神宮(四神の中心)

平安神宮を中心に、東西南北で四神をつかさどっているようです。平安神宮の創建は1895年と近代に入ってからなので、比較的最近定められたのでしょうかね。

落ち着いた社殿建築

境内の入り口に立つのが城南鳥居。屋根が葺かれているのが特徴的です。

鳥居に記されているのは「三光の御神紋」。太陽と月と星を組見合わせたものであり、昼夜問わずに輝く城南宮の方除の御神徳を象徴しているそうです。

鳥居の先には壁の無い建築。舞殿かと思いきや、こちらは拝殿

拝殿の奥にある本殿は昭和53年(1978年)に再建されたもの。華美な装飾などはないシンプルな社殿は、平安時代後期の建築様式を踏襲しているそうです。

主祭神は城南大神。「八千矛神」「息長帯日売尊(神功皇后)」「国常立尊」という3柱を合わせた神様とのこと。「方除の大社」としても信仰されており、方角の災いを取り除くことから新築や引っ越し、旅行などの安全を祈る人が訪れるそう。旅行で立ち寄るのにぴったりのご利益ですね!

季節の花に彩られた神苑

社殿を取り囲むように広がる庭園、神苑。椿、枝垂れ梅、桜、萩、菊など源氏物語ゆかりの植物が植えられていることから、「源氏物語 花の庭」とも呼ばれています。

参拝自由な神社ですが、ここは有料。拝観料は時期によって変化し、300円~1,000円ほど。

園内は5つのエリアに分かれています。最初の「春の山」では、ツバキのお出迎え。鹿児島、伊予風車、源氏車など様々な品種がそろっています。

2月中旬~3月中旬頃に「しだれ梅と椿まつり」を開催しており、しだれ梅と落ち椿のコラボレーションが人気の光景。3月末に訪問したところ、もう梅は終わっており、コケと落ち椿になっていました。

なお、植物の解説は普通の立て札ではなく、このような扇形の木の板が添えられています。情緒があって良いですね!

バリエーション豊かな庭園

本殿の裏を抜けた先にある「平安の庭」。平安時代の貴族の邸宅、寝殿造りの庭をモデルにしています。新緑と紅葉が特にキレイとのことです。

木陰に小さな東屋が!柱が可動式という非常に特殊な仕上がりです。

一度境内の外に出た後、参道を渡った向かい側の南苑へ。まずは「室町の庭」。茶道・生花・能楽といった日本文化が大成された室町時代の様式でつくられた池泉回遊式庭園です。4月末の藤、5月のつつじ、秋の紅葉など季節によって姿を変える庭園、3月末はシダレザクラと鮮やかなニシキゴイの組み合わせが華やかでした。

続く「桃山の庭」は水を用いずに水を表した枯山水様式。芝生が大海原、点在する岩が沿岸の島々を表しているそう。4月の桜、5月のつつじが見どころとのこと。

丁寧に仕上げられた五葉松は、まるで鶴が羽ばたいているかのようです。

ラストは「城南離宮の庭」。平安時代後期の様子を表す枯山水の庭園です。白い石が池を表しているそうです。


境内はそれほど広くはないので、参拝&庭園散策でゆっくりまわって40分ほど。平日ということもあってか混雑も少なく、清々しい気持ちでめぐることができました!

南苑の入り口では城南宮のグッズを取り扱っています。その中には、なんと城南宮のアクリルスタンドも!このアクスタは社殿や随神像などがそろったタイプであり、お値段は4,800円くらいとなかなか高価なシロモノ。最近ご当地アクスタ集めがマイブームな私ですが、さすがに手が届かず断念してしまいました。

やっぱり気になったので帰宅後に検索してみたのですが、Web検索もSNSもなぜか全く情報が出てきません。夢か幻だったのでしょうか・・・?

アクセスと参拝情報

地下鉄烏丸線、近鉄京都線の「竹田駅」から徒歩約15分。

拝観時間 境内自由 ※神苑は9:00~16:30
料金 無料 ※神苑は300円~1,000円
公式サイト https://www.jonangu.com/

※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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