伊是名島 Part 3 レンタルバイクでめぐる伊是名島 〜尚円王の史跡めぐり〜(伊是名村)

伊平屋島・伊是名島

伊是名島を語る上で外せない人物が尚円王。伊是名島出身で琉球王国の王となった人物です。島内にはまだ金丸と呼ばれていた若き日の尚円王にまつわるスポットがたくさん。特に重厚な石垣で造られた玉御殿は非常に見ごたえがあります。

訪問日:2022/3/26(土)

尚円王とは何者なのか

さて、今回の記事では伊是名島にある尚円王ゆかりのスポットをめぐりますが、その前にそもそも尚円王とは何者なのかを簡単にまとめてみます!

14世紀の沖縄では、3つの王国が並立した三山時代が続いていました。100年にわたるこの時代を終わらせ、初の統一王朝を造り上げたのが尚巴志(しょうはし)という人物。その後6代に渡って続く王朝は第一尚氏王統と呼ばれています。

第一、ということは第二があります。

第6代琉球国王である尚徳王の没後に、クーデターを起こしたのが金丸(かなまる)この者こそが伊是名島出身の尚円王なのです。クーデターと聞くと「野心を持った人物による反乱」のような印象を受けますが、尚徳王が没した時点で金丸は隠遁の身であり、家臣に推されて王の座についたとも言われています。

とはいえ、尚徳王の王妃や子の命を奪い、第一尚氏の一族を追放したとの記録もあり、政変であったことは間違いなさそうです。(尚徳王は悪政を布いており重臣や民の信頼を失っていたともいわれているそうですが、真相は定かではありません。)

彼に始まる王朝は第二尚氏王統と呼ばれることになります。1469年~1879年の長い間、19代に渡り琉球を治めますが、明治政府による廃藩置県が施行されるとその後は華族となりました。

尚円王御庭公園

尚円王生誕580年を記念して整備された公園が尚円王 御庭(うなー)公園。港からも比較的近く、歩いても15分程度でアクセスできる場所にあります。

ここの見どころは若き日の金丸像。掲げた左腕と表情から強い志を感じるこの像は、伊是名村出身の版画家である名嘉睦稔(なかぼくねん)氏によって制作されました。

ところで、なぜ生誕580年なのでしょうか?600年の方が記念として相応しく感じます。ネットを見ていると「580(イヒャオー)年を記念して」という記載を見かけますので、580に何か意味がありそうです。おめでたい数字や年数のようですが、詳しいことはどこにも記載されておらず・・・。伊是名島は謎が多いです。

みほそ所

樹木が生い茂るひっそりとしたスペース、ここは尚円王の生誕の地であり、へその緒が埋められているといわれています。

もともと別の場所に埋められていましたが、金丸が王に即位した後、恐れ多いとこの地へ移されたそう。それ以降、神聖な場所として祀られています。

みほそ所のすぐ近くにはくだみ石と呼ばれる石が置かれています。この石は金丸が馬に乗る際に踏み台にしていたという伝承が残っているそう。

潮平井

みほそ所の近くにあるのが潮平井(スンジャガー)。静かに流れるせせらぎは、尚円王が産湯に使った場所と言われています。

この潮平井と先ほどのみほそ所、尚円王御庭公園の敷地内にありますが、公園を抜けるよりも道路側から見学するのがおすすです。

尚円王通水節公園

ふれあい民俗館から1kmほどのところにある小さな公園が尚円王 通水節(かいみじぶし)公園。尚円王生誕600年を記念して2014年に造られました。

ここの見どころもまた尚円王騎馬像。後ろを振り返るようなポージングですが、これは愛する女性との逢瀬からの帰り道、後ろ髪をひかれる思いで女性の住む方向を振り返っている姿とのこと。

先ほどの像と同様に、こちらも青年時代。それもそのはず、金丸は24歳にして島を出ているため、島に縁があるのは若き日の姿なのです。なお、作者は同じく名嘉睦稔氏とのことです。

像の隣には、尚円王の恋心をうたった歌碑、そしてスイッチ式の音声ガイドも設置されています。

さきほどは御庭公園の際に600年の方が記念に相応しいのではと書きましたが、600年記念はコチラだったのですね・・・!

伊是名玉御殿

港から約2kmのところにそびえる伊是名城(いぜなぐすく)跡。標高約98メートルの城山に築かれた山城です。

その中腹に位置する荘厳な石垣。こちらは伊是名玉御殿(いぜなたまうどぅん)。伊是名島でもおそらく一番人気の高い観光名所です。

玉御殿というのは、いわば王家の墓。世界遺産にも登録された首里城のものが有名ですが、王を輩出したここ伊是名島にも存在しています。

首里の後に造られたもので、尚円王の父・母・姉・親戚が祀られているそう。なお、尚円王自身は他の国王とともに、首里の玉陵に眠っています。

フェリーで運天港へ

さて、そろそろ帰りの船の時間なので仲田港へ。レンタルバイクを使った2時間の滞在でしたが、玉御殿→龍神洞→ギタラ展望台→アハラ御嶽→神の岩座→伊平屋島番所跡→尚円王通水節公園→尚円王御庭公園と、思いのほかたっぷりとまわれました。
屋外のスポットばかりだったのでそれほど急ぎ足にならずにめぐることができましたが、もし伊是名村ふれあい民俗館に入ることができていたら、「時間足りないっ!」てなってた可能性は高いです。

港にて、チケット片手にタラップが降りてくるのをずっと待っていたら、係の人が「あっち!あっち!」と指さしている・・・・タラップはもう終了で、車両口からの搭乗となっていました!あやうく目の前で乗り過ごすところでした。

港で買った「島米あられ」と「モリンガ茶」。米あられは柚子胡椒味でとっても美味しい!モリンガ茶は帰宅後に飲んでみたのですが、ほんのり青汁っぽくて、いろいろなモノに合いそうなお茶でした。

港についたら、フェリーの乗り換え。次は伊平屋島です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました