圧巻の美術作品『イタリアパビリオン』(大阪・関西万博パビリオン)

大阪・関西万博

おそらく全パビリオンで最も並ぶ時間が長い超人気パビリオン。内部は彫刻作品や絵画が並ぶ、まるで美術館のような仕上がりとなっています。古代ローマの彫刻やダ・ヴィンチ直筆のスケッチなど、他ではなかなか見られない貴重な展示品がたっぷりと詰まっています!

訪問日:2025/6/30(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

行列必至なパビリオン

西ゲート近くにあるイタリアパビリオン。入口では、ミンモ・パラディーノによる、彫刻作品《Sant’Elmo》(サンエルモ)が来館者を出迎えます。長いトゲが無数に生える兜を見て、まるでスリップ・ノットのクレイグ・ジョーンズが頭に浮かんだのは私だけではないハズ…。

ここはおそらく関西万博において最も人気なパビリオン。Xを見ると、「6時間待ち」というとでもない待ち時間を叩き出しており、予約ナシで挑むと万博滞在時間の大半が待ち時間に溶けてしまうという恐るべきパビリオン。

今回、奇跡的に7日前抽選にて月曜の10:34枠に当選!最近イタリアのバンド「Area」をよく聴いていたおかげかもしれません。

ということで、長く伸びる待ち行列を傍目にするっと入場。ちなみに、予約時間より遅れても全然大丈夫ですが、早く行くのはダメなようです。システム的な理由だとは思いますが、「イタリアは遅れていくのがマナー」という謎の説も。

内部ではイタリアパビリオンのマスコットキャラクター、その名も「イタリアちゃん」がグリーティング。イタリア文化と日本文化の融合の象徴であるため、イタリアの3色柄があしらわれた振袖を纏っています。

ところで「イタリアちゃん」って、英語表記だとそのまま”Italia”なのでしょうか?気になったのでイタリアパビリオンの公式サイトを見てみると、”Italia-chan”となっていました!さかなクンみたいな感じかな・・・?

芸術作品のオンパレード

最初はミニシアターからスタート。5分ほどの映像で、音楽、歌、舞台芸術のプロフェッショナルな人々が紹介されていきます。

映像が終わるとメインの展示室へ。ホール状の広々とした空間で、様々な展示品が並んでいます。

ずらりと並ぶのはセラミック製の白い心臓のインスタレーション。ヤゴの《Apparato Circolatorio (循環器系) 》という作品です。

ティントレットによって描かれた《伊藤マンショの肖像》も展示されています。日本初の外交使節団である「天正遣欧少年使節」によってヨーロッパに派遣された人物。この使節団のイタリア訪問は、日本とイタリア間における初の外交会談。それに関する人物の肖像画は、この大阪万博という場にぴったりの作品です。

ファルネーゼのアトラス

館内で最も注目を集めていた作品が古代ローマ時代の彫刻《ファルネーゼのアトラス》。大理石を使用した彫刻作品で高さは約2m、重さは2トンにも及びます。

筋肉の力強さはもちろんのこと、髪の毛や肩にかけた布のドレープは非常に精巧に造られています。豪快さと繊細さを兼ね備えた作品です。

アトラスはギリシア神話に登場する天空を支える巨人。膝をつき全身で支えるその天球には、オリオンやケンタウロスをはじめとした様々な星座が刻まれています。

ちなみに、ファルネーゼというのは彫刻家の名前ではなく、コレクターの名前。造られたのは西暦150年頃という、とんでもなく長い歴史を持つ彫刻であり、作者は不明なのです。

顔を含む大部分は16世紀の発掘時に修復されていますが、天球部分は作成当時のものであります。そのため、世界最古の天球儀としての価値もあるそうです。

キリストの復活と埋葬

5月中旬より展示を開始したのがミケランジェロの《キリストの復活》。高さ約2mの大理石製の彫刻で、日本では2度目の公開であるそう。

そのすぐそばにある薄暗い部屋に展示されているのはカラヴァッジョの《キリストの埋葬》。1603〜1604年に描かれた絵画で、ヴァチカン美術館が収蔵しています。

最初は横たわるキリストに目が行きますが、やがて視線は外側へ向かい、5名の人へと移っていきます。みな悲しそうな表情ですが、最後尾の女性のうつろな目で天を仰ぐ姿は特に印象的。

アートだけじゃない展示

次のスペースでは、ほぼ週替りでイタリア各州の展示が行われています。訪問時はリグーリア州のターン。リグーリア海に面しており、まるで神戸のようなおしゃれな港町。州都であるジェノバは、ジェノベーゼ発祥の地であるそう。

続いて現れるのはレオナルド・ダ・ヴィンチの《アトランティックコード》。直筆のスケッチは、びっくりするほど精巧に描かれています。

職人さんの実演コーナーも。ヴァイオリンやゴールドの加工を目の前で行ってくれます。寡黙に作業を行っていますが、カメラに気がつくとちらりと陽気な一面を見せてくれたりもします。

伝統的なものが多いパビリオンですが、最新技術に関する展示もあります。水中で植物を栽培する「ネモズガーデン」や、教育やリハビリテーションのための「スマートブロック」など、テクノロジーが詰まった内容です。

屋上庭園とショップ

展示室を抜けた屋上は、庭園が広がっています。目の前には大屋根リングが広がる開放的なスペース。レストラン「イータリー」も設置されています。

ここにもいくつかの作品が屋外展示されています。フランチェスカ・レオーネの《No Name》は、リサイクル素材を使用した作品。

出口にあるショップはイタリアちゃんのぬいぐるみと、車じゃないフェラーリのワイン、あとはウールとコースターが販売しておりました。ほぼイタリアちゃんがメインで、ラインナップは少なめです。

屋外には、比較的列が短いテイクアウトコーナーも。ピザ、ホットサンド、ジェラートなど、イタリア感あふれるメニューを販売していました。

さあ、次は日本館へと向かいます!実はイタリアパビリオンを見学中、11:30の当日予約解放タイミングで12:50の回の確保に成功していました。ちょっと時間があるので、ベルギーパビリオンでワッフルを食べて小休止してから向かいます!

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