疫神を祀る神社と名物あぶり餅『今宮神社』(京都市北区)

京都府

平安時代に疫病を鎮めるために建立された神社。奇祭やすらい祭や、玉の輿でも知られる神社です。境内には願いが叶う神占石や京の北を守護する大代将軍社など見どころが多数。名物あぶり餅も見逃せません!

訪問日:2025/3/30(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

疫神を祀る神社

かつてこの地には疫神スサノオを祀る社がありました。都にて大規模な疫病が流行したため、疫神を船岡山へ遷し安置。その後、長保3年(1001年)にも疫病が流行、朝廷は疫神を再度この地に戻し、神殿を設けます。これが今宮神社のはじまりであるそう。

昭和元年(1926年)に建立された楼門。左右には神紋を記した提灯が掛けられています。

拝殿は元禄7年(1694年)に再建され、弘化3年(1846)に改修されています。上部には西陣織の三十六歌仙が掲げられていました。

本社の御祭神は大己貴命、事代主命、奇稲田姫命。健康長寿や開運のご利益があるそうです。

本社の隣の疫社では素戔嗚尊を祀っています。そういえば、スサノオって疫神なのですか!?海の守護神や縁結びの神など幅広い信仰を集める神ですが、その荒ぶる性格から災いや疫病を司るという性格もあるそうです。

末社と阿呆賢さん

切妻屋根の大将軍社。昔、平安京の四方に大将軍社を建て祀り、都の鎮護としていましたが、この大将軍社もその一つ。大徳寺門前に祀られていたものがここに遷されました。

この大将軍社が守るのは北。西は「大将軍八神社」、南は「藤森神社境内の大将軍社」、東は「岡崎神社」or「大将軍神社 東三條社」が守っています。

立派な社殿を持つ織姫社。御祭神の栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)は、織姫に機織りを教えた神様。織物に関わる人々の崇敬を集めています。さらに、織姫彦星の伝説から転じて、遠距離恋愛を見守る神様としても信仰されているそうです。

こちらの石は阿呆賢(あほかし)さん。「神占石」ともいわれる霊石です。病気平癒を祈り石を撫で、身体の悪いところを擦れば回復を早めるそう。

また、手のひらで3度打って持ち上げると重くなり、その後願いを込めて3度撫でて持ち上げ、もし石が軽くなっていれば願いが成就するそう。ビフォアアフタータイプの重軽石です。

奇祭やすらい祭

大祭である「やすらい祭」は、無病息災を祈願したことにルーツを持つお祭り。桜の散る時期に流行るとされる疫病を鎮めるため、桜や椿で飾った花傘に疫神を集め、疫社に鎮めるというもの。「花鎮めの祭」とも呼ばれています。

「赤熊(しゃぐま=武士が被るかつら)」を被り、真っ赤な衣装に身を包んだ鬼が、髪を振り乱して街を練り歩きます。インパクトのある祭で、「蔵馬の火祭」「太秦の牛祭」と合わせて「京の三奇祭」に数えられています。

本社では、健康への願いを込めて納めるやすらい人形も扱っております。

この「やすらい祭」は今宮神社だけでなく、玄武神社、川上大神宮、上賀茂神社と4つの神社に伝えられています。それぞれ踊り方や囃子がことなっているそうです。

玉の輿神社

境内に掲げられたレリーフ、こちらは5代将軍・徳川綱吉の生母の桂昌院のお姿。

もともと西陣の八百屋に生まれたお玉は、江戸幕府3代将軍・徳川家光の側室となり、5代将軍・徳川綱吉の生母の桂昌院(けいしょういん)として、従一位という女性として最高位にまで昇りつめます。この今宮神社の再興にも務め、元禄7年(1694年)に社殿の造営を行ったり、やすらい祭の復興施策を行ったりしたそうです。

女性が結婚によって裕福な立場や社会的地位を手に入れることを意味する「玉の輿」というコトバ、このお玉に由来しているという説もあるそう。そんなお玉と縁の深い神社であることから、別名「玉の輿神社」とも言われています。

社務所では、そんなお玉にちなんで「玉の輿守」も。ここでもまた西陣織が使用されているそうです。

名物のあぶり餅

今宮神社といえばあぶり餅!参道では「一和(一文字屋和輔)」と「かざりや」の2軒が向かい合うかたちで営業しています。

今回は「一和」へ。なんとなく食べ歩きスタイルかと思っていたのですが、どちらのお店も席で食べるタイプでした。

あぶり餅というのは、竹串に刺した小さな餅を備長炭であぶったもの。祭事で用いられた竹や供え餅を、厄除けとして提供したのがはじまりであるそう。

白味噌の甘さと、あぶることで生まれるカリッとした食感&香ばしさがたまりません!1皿に11本乗っていましたが、1本が小さめなのであっという間に食べ終わり。これ2軒ハシゴも余裕でいけます!

なお、このあぶり餅は近年ますます人気になっています。GWには大行列で3時間待ちもあり得るそう・・・!

アクセスと参拝情報

地下鉄烏丸線「北大路」駅より徒歩20分ほど。

開門時間 境内自由
料金 無料
公式サイト http://www.imamiyajinja.org/

※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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