羅城門マッピングとフィルムシアター『京都文化博物館』(京都市中京区)

京都府

京都の歴史・文化に関する展示が楽しめる博物館。プロジェクションマッピングやアニメーションで動く屏風絵といった、デジタルコンテンツもそろいます。国の重要文化財に指定された別館、古典・名作映画を中心に上映するシアターなど見どころたっぷりな博物館です。

訪問日:2025/3/30(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

京都の文化ミュージアム

京都文化博物館は1988年(昭和63年)に開館したミュージアム。平安建都1200年記念事業として創立されました。

1階はミュージアムショップに加えて、江戸時代末期の町並みを再現した「ろうじ店舗」。食事処やアンテナショップが並んでいます。天重、抹茶ソフト、寿司などのグルメも楽しむことができるみたいです。

エスカレーターで登った先、2~3階が「総合展示」、4階が数ヶ月毎に内容が変わる「特別展示室」。総合展示室は10:00〜19:30、特別展示室は10:00〜18:00(金曜は〜19:30)と、開館時間が異なっています。今回は時間の都合で総合展示だけを見てきました!

ちなみに総合展示室は2025年3月にリニューアルしたばかり。これは楽しみです!

甦る羅城門の姿

入口を進むと、羅城門(らじょうもん)の模型が鎮座しています。こちらは1/30スケールで1988年に作成されたもの。

羅城門というのは、平安京の中央南北に延びるメインストリート・朱雀大路の南端に建てられていた門。幅は35m、高さ21m、奥行9mという巨大な姿であったそう。京のシンボルであった門ですが、816年に大風で倒壊、再建されるも980年の暴風雨によって再び倒壊。以後は再建されることがありませんでした。

このジオラマ、裏側にまわると工事の風景を再現しています。張りめぐらされた木組みや長いハシゴ、命綱もつけずに作業している人形を見るとゾクゾクしてしまいます。

ここでは5分間のプロジェクションマッピングも開催!鮮やかなデジタル映像に加えて、解説も聴くことができます。

京都の街の歴史

展示室は「京の歴史」「京のまつり」「京の至宝と文化」といったテーマごとに分かれた展示が広がっています。

壁一面に貼られているのは中古京城図。江戸時代末期のものであり、そこに描かれているのは平安時代末〜鎌倉時代の京都の姿。

清水寺、上賀茂社、松尾社などもしっかり描かれています。目を引く高い塔は、平安時代~室町時代にあった法勝寺。後白河法皇が建てた寺院であり、高さ81mという巨大な八角九重塔がそびえ立っていたそう。

モニターに映し出されているのは鴨川納涼図屏風。鴨川の河原で過ごす人々がアニメーションで表現されています。瓜売りや茶屋など、にぎやかな声も聞こえてきました。

レンガ造りの重厚な別館

館内を進み、中庭に出ると目の前にそびえ立つのが、レンガ造りの趣あふれる別館。赤レンガに白い花崗岩の装飾が印象的な姿。屋根に並んだ「ドーマー窓」がおしゃれな雰囲気です。

こちらは明治39年(1906年)に竣工したもので、昭和40年(1965年)まで日本銀行京都支店として利用されていた建物。

設計を担当したのは辰野金吾。「東京駅丸ノ内駅舎」や「日本銀行本店本館」など、様々な作品を残しており、「日本近代建築の父」と称される建築家です。ここでは、弟子である長野宇平治もともに設計に参加していたそう。

内部は広々としたホール空間となっており、イベントなどに利用されています。 通常なら内部見学できるのですが、訪問時はイベント準備中につき入場不可になっていました。

ちなみに本館と別館は隣り合っており、外側から見ると本館のストライプが別館の白線と同じ位置に!これはきっと意図的に合わせられているハズ。

映画とフィルムシアター

総合展示室に展示されている手廻し映写機。明治以降衰退していく京都では積極的な近代化政策が推し進められます。その中で、二条城の近くに初めての撮影所が造られました。昭和初期には多数の撮影所がひしめき合い、若き監督と俳優たちが次々と作品を作り出していったそう。

館内にはフィルムシアターがあります!古典・名作映画を中心に、様々な特集企画で映画が上映される170席の映画館。出入りは自由だったのでちらっと覗いてみると、大正15年(1926)年の「快人狼」という作品が上映されていました。モノクロサイレントという、今の映画とは全く異なる形態にびっくり。

このシアター、別料金は不要で総合展示の料金500円で鑑賞することができます。今回は旅の途中での訪問で見送ってしまいましたが、もし近所に住んでたら通いたくなりますね!

スタッフさんとお話ししてみたところ、「どんな映画でも毎日来る方」や「必ず一番乗りする方」、そして「必ず最後の5分に来る方」など、愉快な常連さんがたくさんいるそう。年配の方が多いとききましたが、もしかしたら当時リアルタイムで見てた作品に出会えたりしているのかも。そう考えるとムネアツですね!!

アクセスと営業情報

地下鉄烏丸線・東西線の「烏丸御池」駅5番出口から徒歩3分。

開館時間 特別展:10:00~18:00
総合展示:10:00~19:30
別館:10:00~19:30
休館日 月曜、年末年始
料金 総合展示:500円
公式サイト https://www.bunpaku.or.jp/

※掲載の情報は2025年3月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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