琵琶湖に浮かぶ離島『沖島』散策!お手軽1時間コース (近江八幡市)

滋賀県

海の無い滋賀県にある離島・沖島(おきしま)は、日本で唯一の有人淡水湖島。観光名所などはありませんが、離島ならではのゆったりとした時間を感じることができます。滞在時間65分のショートコースで厳島神社まで行ってきました。

2020/11/21(土)

日本唯一の淡水湖有人島

言わずと知れた日本最大の湖・琵琶湖。そこに浮かぶ沖島は、日本で唯一の淡水湖に浮かぶ有人島。面積はわずか1.5.k㎡、国土交通省によると人口は287人の小さな島です。

琵琶湖には沖島以外にも竹生島多景島と観光客が上陸できる島があります。どちらも寺院・神社の島なので日中は人がいますが、そこで生活しているわけではないため夜になると無人島になります。そのため、この沖島が唯一の有人島なのです。

また、ここでポイントは「淡水湖」の有人島であるということ。「湖」と言ってしまうと、海水混じる汽水湖も含まれるため、島根県と鳥取県にまたがる中海(なかうみ)の大根島(だいこんじま)、静岡県の浜名湖に浮かぶ弁天島も湖の有人島となります。

出発は近江八幡市の堀切港

沖島に向かう船は、近江八幡市にある堀切漁港から出港します。とても静かな雰囲気の湖の港で、海の港と違い潮臭さが無いため不思議な感じがします。

堀切港へのアクセスは、車の場合近江八幡駅から20分、竜王ICから1時間弱。

堀切港に観光客用の駐車場はありません。港から徒歩5分ほど、ファミリーマートのすぐ近くに来島者専用の駐車場がありますので、そちらを利用します。協力金は300円で、船の中で払うスタイルです。

なお、港にも沖島にもお店は見当たらなかったので、お買い物は駐車場近くのファミマで済ませておくのが良さそう。

近江八幡駅から堀切港までのバスも出ています。ただし、平日は1日4本/土日祝日は1日5本と少なめなので、事前にしっかり確認したほうが良いです。

時刻表で旅程を確認

こちらが沖島行きの船。思ったよりも大きめです。運賃は片道500円、所要時間はわずか10分です。

さて、離島に行く際に事前に確認すべきは船の時刻表。行きの便はもちろんですが、帰りの便もあらかじめ確認しておかないと、島での滞在時間が思うように取れなかったり、また逆に「帰りの船まで1時間以上ある・・・」なんてことになってしまうかもしれません。

【沖島行きの時刻表】
■往路:堀切発
7:15/7:45/8:15/9:15/10:15/12:15/14:15/16:15/17:15/18:30/19:45/21:00
■復路:沖島発
7:05/7:30/8:00/9:00/10:00/12:00/14:00/16:00/17:00/18:10/19:30/20:45
※1,2便は日曜運休

1〜2時間に1本と本数が多いため、旅程に合わせて利用しやすい。島での滞在時間をどれくらいにするか決めてから便を選ぶと、スムーズに決められそうです。

今回私は1時間くらいのショートステイを予定しているので、7:45の便で沖島へ向かい、帰りは9:00の便で。【早朝65分コース】にしました。

堀切港から沖島港へ

出港時刻が近づいてきたので乗船開始!港に券売所などは無いため運賃は船内で支払います。なんと、自動券売機が設置されていました。紙幣は1,000円札しか利用できないのでご注意くださいね。

広々とした屋内席は、風を受けないためとっても快適。シートもゆったりしています。

出港した船は、ぐんぐん琵琶湖の沖へと進んでいきます。海と違って波穏やかなのかなと思っていたのですが、意外と揺れます。

わずか10分で沖島の港に到着です。

島内散策ルート

沖島は小さな島なので、徒歩で周遊可能。交通手段を確保する必要がないため、気軽に散策できます。

港には観光案内図が設置されているので、島内散策の前に必ずチェック、もしくは写真におさめておきましょう。離島あるあるなのですが、Google Mapに無い道も多いため、こういう現地情報は大切です。

なお、こちらは沖島コミュニティセンター前に設置されている沖島マップ。シンプルすぎませんか・・・?

こちらはアイランダーという島イベントでいただいた見やすい観光マップ。以前いただいたものをとっておいたので、今回持参してきました。島では見当たらなかったのですが、どこかで配布しているのでしょうか。

今回は1時間というわずかな時間の滞在なので、島の東側にある厳島神社まで行き、港に帰ってくる【厳島神社往復コース】で歩いてみることにしました。

港と集落散策

港には鐘が吊るしてあります。「願い鐘」と記された鐘は、撞くとゴーンという音が静かな港に響き渡ります。ベルではなく、寺院の鐘なのが渋い。

港の近くにあった木で組まれた謎の物体。とても気になるのですが、案内板も無く、近くに人もいないため尋ねることもできませんでした。

あとで調べてみたところ、滋賀県立大学の学生によって作られた休憩所とのこと。「RYUBOKU HUT」という名が付けられており、その名の通り500本の流木を使って作られています。

港の周辺には集落が広がります。自動車が通ることを想定していないつくりは、いかにも離島の町並みといった風情。

メインの交通手段は3輪車

歩いていると目につくのは大量の自転車。そのほとんどは後輪が2つある三輪車タイプ。車の無い沖島では、この三輪車が最もメジャーな乗り物。安定した走行や、通常の自転車よりも多くの荷物が詰めるため、島の暮らしにマッチしているのでしょう。

よく見ると、サドルには四角い缶が被せられています。これはガンガンと喚ばれる雨よけ。ほとんどの自転車に装備されていますが、いったいこれだけの缶はどこから支給されるのでしょうか。

レトロな小学校

こちらの木造建築は沖島小学校。2019年の生徒数はわずか14人という、とても小さな学校です。

「小規模特認校」として指定されているため、沖島だけでなく対岸の近江八幡市からも通うことができます。実際通っている生徒の多くは、島ではなく市内から船で通学しているそう。

近くの町の小学校ではなく、あえて島の学校へ通うというのも不思議な感じですが、のびのびした暮らしやほぼマンツーマンの授業など良いところも多いようです。

畑の中の散策路

港の集落はちゃんとした舗装路でしたが、気がつけば木の板や砂利のワイルドな道に。

集落を出てもしばらく続く畑。各畑には「害獣避けの音が鳴る装置」が設置されています。

もちろん人が歩いても反応するのですが、いきなり鳴り出すのでとってもびっくり!犬の声・サイレン・爆発音などバリエーション豊かなサウンドが次々と鳴り響きます。

水辺には大量のの姿が。ウは水中に潜ってサカナをとる鳥。羽を広げているのは、潜ったあとに濡れた羽を乾かしているためです。同じく琵琶湖の島である竹生島はカワウの糞害に悩まされていましたが、こちらは大丈夫なのでしょうか。

不思議な形をした鎌首の木が見えてきたら、厳島神社はもうすぐそこです。

湖に立つ鳥居・厳島神社

ついに厳島神社に到着!波穏やかな琵琶湖を望む鳥居が美しく、沖島を象徴する絶景スポットです。

鳥居に向かって左側には小さな桟橋があります。これを進んでいくと、こんな感じに湖サイドから鳥居を見ることができます。

ただし、この桟橋は鉄のパイプにフェンスのような網を敷いただけの物凄く簡素なもの。歩くたびに揺れるためかなりコワイです。度胸試しができそうですが、辺りに人は全くいないため、琵琶湖に落ちても助は来ないかも。挑戦する際はくれぐれもお気をつけて!

鳥居の先には石段が続きます。少し登ってから見下ろすと、2つ並んだ鳥居の姿が。

このまま石段を登ると社殿があるのでしょうか?行ってみたいところですが、山の中に入ると帰りの船の時刻が不安なので今回はここまで。来た道をまっすぐ港まで帰ります。

なお、港からここまで25分ほどかかりました。厳島神社へ向かう方は、くれぐれも帰りの船の時刻にはお気を付けください。


今日はスケジュールが詰まっているので、約1時間で探索はおしまい。9:00発の船で堀切港へ帰ります!帰りは後部の屋外シートに座ってみたのですが、ジェットコースターみたいで楽しかったです。

ゆったりした時間が流れる島で、島内をのんびり歩いたり、港にぼーっと座ったりと、一日ゆったり過ごしてみるのが似合う島だと思います。今回は行けなかったのですが、資料館やカフェ(予約制)に加え、桜並木や石切り場の跡などの見どころもありますよ!

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