琵琶湖を望むようにそびえる比叡山山頂に並ぶ寺院。車無しで訪問する場合の交通手段「ドライブバス」と「ケーブルカー&ロープウェイ」を比較してみました。
比叡山延暦寺の凄いところ
名前はとにかく有名な比叡山延暦寺。伝教大師こと最澄が開いたお寺で、その創建は788年ととても長い歴史を持ちます。日本の仏教の中心となってきた寺院で、とにかく凄いところがたくさん。まずは、そんな特徴を物凄く簡単にまとめてみました。
天台宗の総本山
天台宗は、遣唐使として唐に渡った最澄が日本に伝えた仏教の宗派。浄土宗や禅宗など日本の多くの宗派の基礎となったおります。そんな天台宗の頂点とも呼べる総本山が、ここ延暦寺なのです。
名だたる僧侶を輩出
修行の場である比叡山は、数多くの名僧を輩出してきました。浄土宗の開祖である法然や、日蓮宗の開祖・日蓮など、その名を挙げると枚挙に暇がありません。「日本仏教の母山」とも呼ばれています。
戦国時代には武装化
平安時代以降、延暦寺は強大な権力を持つようになります。高利貸しを行ったり、東国と京都をつなぐ近江の国に多くの関所を設けて通行料を徴収するなど、多くの事業を行い財力を蓄えていきます。
戦国時代に入るとその力はさらに強大になり、数千人の僧兵を持つ独立国家のような状態に。
織田信長は掲げた楽市楽座、そして天下統一の妨げになるとみて、1571年に延暦寺に対して焼き討ちを行います。このとき堂塔は全て燃やされてしまいますが、のちに豊臣秀吉や徳川家康によって再建されます。
3エリアに分かれた広大な境内
歴史に登場することも多く、名前は知っている方が多い比叡山延暦寺。実際に延暦寺というお堂があるわけではなく、比叡山頂に並ぶいくつもの塔々の総称になります。
境内はとにかく広く、「東塔(とうどう)」「西塔(さいとう)」「横川(よかわ)」の3つのエリアに分かれています。それぞれのエリアは距離があるため、シャトルバスでの移動がスムーズ。
京都サイドからのアクセス
車があれば細かい計画を立てずにアクセスできる比叡山延暦寺。しかし、今回は車無しの京都旅行。公共交通機関で行く場合はいくつかの手段を乗り継ぐことになるため、時刻表の見比べがとても重要です。
さらに、今回はなるべく朝一番で向かいたいという願望があります。【ケーブルカー&ロープウェイ】で向かうか【ドライブバス】で向かうか、2つの手段を比べてみました。
※今回は京都側からのアクセスでしたが、滋賀県サイドからケーブル坂本線を利用して向かう方法もあります。
その① ケーブルカー&ロープウェイ
まず、京都サイドから比叡山に向かう場合、最初に思いつくのがケーブルカーやロープウェイなどを乗り継いで行く方法。
スタートは京都北部、鴨川デルタの近くにある叡山電鉄出町柳駅。京阪本線の出町柳駅から乗り継ぎ可能です。
そこから叡山電鉄で八瀬比叡山口へ。叡山ケーブルに乗り換えケーブル比叡駅、ロープウェイに乗り換え比叡山頂へ到着するパターン。
比叡山頂から東塔エリアまでは徒歩だと30分ほどかかるため、シャトルバスに乗り換えて東塔エリアへ向かいます。
このシャトルバスの始発が10:00なため、朝イチで行く場合は以下のスケジュールになります。
※2020/03/28(土)に設定した場合です
※東塔エリアに行く場合、バス停《東塔》よりも《延暦寺バスセンター》の方がお店があったり利用しやすいです(詳しくは後述します)
■京都駅 8:32発
↓ 奈良線区間快速(奈良行)
■東福寺駅 8:35着/8:42発
↓ 京阪本線(出町柳行)
■出町柳駅 8:58着/9:07発
↓ 叡山電鉄本線(八瀬比叡山口行)
■八瀬比叡山口⇒ケーブル八瀬 9:21着/9:30発
↓ 叡山ケーブル(ケーブル比叡行)
■ケーブル比叡⇒ロープ比叡 9:39着/9:45発
↓ 叡山ロープウェイ(比叡山頂行)
■比叡山頂 9:48着/10:00発
↓ 比叡シャトルバス
■延暦寺バスセンター 10:06着
料金:1,750円(京都駅~東塔)
乗換えが多くとても複雑にみえますが、ケーブルカーやロープウェイなど普段利用しない乗り物に乗るのはとっても楽しそうです。さらに途中で乗車する叡山電鉄はデザイン性の高い観光列車で有名。アクセスも観光の一環として楽しめる方はこちらがおすすめです。
その② 比叡山ドライブバス
乗換えが多いのはめんどう、そう感じる方には直通のバスで行く方法もあります。京都駅や出町柳駅から乗車可能な京阪バス・京都バスの運行する比叡山ドライブバスは、乗り換え不要で一気に山頂までアクセスすることができます。
朝イチで向かう場合はこんな感じになります。(2020年の時刻表より)
■京都駅 8:30発(出町柳駅 8:59経由)
↓ 比叡山ドライブバス
■延暦寺バスセンター 9:45着
料金:820円(京都駅~延暦寺バスセンター)
なんと、京都駅から直通!!先ほどのケーブルカーやロープウェイを乗り継ぐプランに比べるとものすごくシンプルです。
ドライブバスは山頂だけではなく《延暦寺バスセンター》に停車してくれるところもとっても便利。さらにお値段も安上がりです。ただ1つ欠点があるとすれば、土日祝でも1日5本しか便が無いところ。スケジュール次第では、思い通りの時間に利用できない可能性もあります。
山頂での移動はシャトルバス
ロープウェイの到着駅のある比叡山頂をはじめ、延暦寺の中心となる東塔や西塔、横川など各エリアを次々とめぐります。
ただし、本数は1時間に2本。30分おきの発車となるため、これを利用する場合は各エリアでの滞在時間が30分刻みとなります。乗り遅れると、次のバスは30分後となるため、常に時間は気にする必要があります。
また、シャトルバスの始発は10:00比叡山頂発。仮にケーブルカーとロープウェイの始発ならば9:18に山頂に着くことができますが、シャトルバスが運行していないため東塔まで30分ほど歩くことになるので注意が必要です。
※シャトルバスには1日乗り降り自由な1日乗車券があります。東塔・西塔・横川の3エリアをめぐる場合はお得になるので、購入がおすすめ。シャトルバスの車内で購入可能です。
比叡山早回り計画完成
ケーブルカーやロープウェイで向かう方がロマンがありますが、値段も安く到着時間も早いドライブバスで行くことにしました。
そして、シャトルバスの時刻表を見ながら各エリアの滞在時間を決定しました。
忘れてはいけない帰りの手段。こちらもドライブバスにしようかと思ったのですが、下りの便は14:05/15:12/16:00の3本のみ。上手くスケジュールが合わないため、ロープウェイ&ケーブルカーを利用することにしました。ということで、往路バス・復路ケーブルというミックスプランが完成しました!
■京都駅 8:30発
↓ ドライブバス
■バス停《延暦寺バスセンター》 9:45着
——–東塔エリア(滞在:1時間19分)
■バス停《東塔》 11:05発
↓ シャトルバス
■バス停《西塔》 11:09着
——–西塔エリア(滞在:30分)
■バス停《西塔》 11:39発
↓ シャトルバス
■バス停《横川》 11:49着
——–横川エリア(滞在:41分)
■バス停《横川》 12:30発
↓ シャトルバス
■バス停《比叡山山頂》 12:50着
↓ 徒歩
■比叡山頂駅 13:05発
↓ ロープウェイ
■ロープ比叡駅 13:08着
↓ 徒歩
■ケーブル比叡駅 13:25発
↓ ケーブルカー
■ケーブル八瀬駅 13:34着
↓ 徒歩
■八瀬比叡山口駅 13:44発
↓ 叡山電鉄
■出町柳駅 13:57着
こう見るととても複雑に見えますが、いろいろな乗り物に乗ることができるため、とても楽しそうな予感。そして、上手くいけば14:00に京都市内へ戻ってくることができるため、その後いくつかの観光スポットをまわることができそうです!
ドライブバスで向かう比叡山
ということで、ここからはドライブバスを利用して実際に向かった記録になります。今回利用したのは、ドライブバスの始発となる8:30京都駅発。普通の路線バスタイプなので、チケット事前購入は不要です。
市内の各バス停をまわったあと、30分ほど山道へ。バスはどんどん比叡山を登っていきます。酔いやすい方は酔い止めを忘れずに。
途中、右手には広がる琵琶湖が!一瞬でしたが、この景色を楽しみたい方は右側座席がおすすめです。
延暦寺バスセンターに到着です。東塔へ行くには、こちらのバス停《延暦寺バスセンター》かバス停《東塔》どちらでもアクセスできます。ただし、バス停《東塔》はベンチと自動販売機しかありません。延暦寺バスセンターの方がトイレやお土産物屋もあるため、スタートにぴったり。
さあ、比叡山観光のはじまり!東塔、西塔、横川と3つのエリアを順にめぐっていきます。
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