比叡山延暦寺 Part 2 仏教オールスターが修行した地『東塔』 (大津市)

滋賀県

京都駅からドライブバスで向かう延暦寺。最初に訪れたのは中心となる東塔。延暦寺の中心となる根本中堂や、延暦寺で修行した名僧の像が並ぶ大講堂、あの番組でおなじみの鐘など見どころも多く、最もにぎわっているエリアです。

時間:9:00~17:00
滞在時間:1時間19分
2020/3/28(土)

最もメジャーな東塔エリア

広大な寺域を持つ延暦寺は3つのエリアに分かれています。その中の1つ「東塔(とうどう)エリア」は、かつて最澄が延暦寺を開いた、いわば延暦寺発祥とも呼べる地。諸堂の数も最も多く、国宝に指定されている延暦寺の本堂・根本中堂をはじめ、大講堂や国宝殿など様々な見どころがあります。

ケーブルカーとロープウェイの終着点・比叡山頂駅から最も近く、また京都市内からの直通バス「比叡山ドライブバス」でもアクセス可能。三塔の中でも最もにぎわっているエリアです。

比叡山までのアクセスは前回。

比叡山延暦寺 Part 1 悩むアクセス手段 車無しで朝一番に向かうには? (大津市)
琵琶湖を望むようにそびえる比叡山山頂に並ぶ寺院。車無しで訪問する場合の交通手段「ドライブバス」と「ケーブルカー&ロープウェイ」を比較してみました。

 

 

名僧が勢揃い『大講堂』

延暦寺バスセンターから進んで行くと、最初に目に入るのは学問修行の道場・大講堂。長い歴史を持つ比叡山延暦寺、多くの僧侶はここで修行を積んできました。

講堂内部には比叡山で学んだ僧侶の像や、肖像画が並んでいます。

【延暦寺で修行した僧】
法然
(ほうねん):浄土宗の開祖

親鸞(しんらん):浄土真宗の開祖
良忍(りょうにん):融通念仏宗の開祖
栄西(えいさい):臨済宗の開祖
道元(どうげん):曹洞宗の開祖
日蓮(にちれん):日蓮宗の開祖

そこに並ぶ名前は、歴史に名を残す名だたる僧侶ばかり。オールスターっぷりが半端ないです!日本各地に残る著名な寺院も、ここで修行した僧によって開かれたものばかり。延暦寺を指して「日本仏教の母山」と呼ぶのも納得です。

除夜の鐘でおなじみ『開運の鐘』

大講堂の前には朱塗りの鐘楼があり、大きな鐘が吊るされています。

こちらは開運の鐘(世界平和の鐘)。1回50円で実際に鳴らすことができます。ときには行列ができることもあるそう。せっかくなので1回心を込めてついてみたところ、ゴーンという音が響き渡り、とてもすっきりした気持ちに。

知恩院と並び、毎年大晦日に放送されるTV番組「ゆく年くる年」の中継場所としてもお馴染みなので、知らず知らずのうちに目にしているのではないでしょうか。

延暦寺の中心『根本中堂』

最澄が彫ったとされる薬師如来像を安置するお堂で、延暦寺の中心とされているお堂が根本中堂です。2026年ごろまで平成の大改修が行われておりますが、内部の見学は可能となっています。(撮影はNG)

中を順路に沿って進んで行くと、本尊を安置する内陣に。薄暗い中、お坊さんが唱えるお経が響き渡る凄く神秘的な空間です。

通常の寺院のお堂と違い、仏像が低いポジションにあるのが特徴。誰もが平等という教えのもと、仏様を同じ目線の高さで見られるように工夫されているのです。

堂内で下をのぞくと通路があるのが見えます。こちらは「修行の谷間」と呼ばれており、修行僧が歩く道となっています。

目を引くのは「不滅の法灯」。本尊である薬師如来像の前に3基の小さな火が灯っているのですが、この火はなんと1200年以上灯り続けているのです。菜種油により燃え続けている炎。油を切らすと火が消えてしまうことから、「油断大敵」の語源になったともいわれています。

1200年もの間、火が消える危機はなかったのでしょうか。
1571年、織田信長により焼き討ちにされ、延暦寺は全焼してしまいます。そのときに消えてしまうのですが、山形県の山寺こと立石寺に分灯されていたためふたたびこの場た所で灯ることができました。

今しか見ることができない『修学ステージ』

そんな根本中堂ですが、中庭部分には修学ステージが建っています。改修期間中限定の公開のため、この期間に訪れた人だけが見ることができる、特別な場所です。また、ここでは写真撮影が可能です。

4階建てで複雑に組まれた鉄骨の足場。
高さは約10mにもおよび、一番上の階まで登れば屋根の上から修復の様子を見ることができます。こんな高い視点から眺めることができるのは、とってもレアではないでしょうか。

かつての入口『文殊楼』

根本中堂の向かいにある石段を登った先には文殊楼(もんじゅろう)。慈覚大師・円仁が、中国にある文殊菩薩堂にならって造ったといわれている伽藍です。

2階部分には知恵を司る文殊菩薩を祀っています。この2階への階段は、かなり急でほぼハシゴ状態。登る際は滑らないようにくれぐれもご注意ください。

お寺の玄関口である山門にあたり、かつて比叡山を徒歩で登っていた時代は、この文殊楼を通って東塔エリアに入っていたそうです。ケーブルカーやバスなどの交通機関でアクセスできるようになった現代では、入口というイメージはありません。お寺の伽藍も、時代とともに少しずつ意味合いが変わって行くのでしょうね。


日本国内の様々なお寺をまわったあとに来ると感動もひとしお。本当に数多くの宗派がここから生まれたことを実感しました。

大講堂でお守りが売っていたのですが、色使いやデザインが物凄くカッコ良いです。東塔に来る際はぜひチェックしてみてください!

このあとは西塔へ向かうため、シャトルバスのバス停《東塔》へ。お土産物屋さんやトイレがあった延暦寺バスセンターに比べるととっても簡素。自販機とベンチだけです。

比叡山延暦寺 Part 3 過酷な修行の場とおみくじ発祥の地『西塔&横川 』 (大津市)
東塔に続いて西塔(さいとう)と横川(よかわ)へ。厳しい修行が行われる「にない堂」や、おみくじ発祥の「元三大師堂」を巡ります。3エリア周った後は、ロープウェイ&ケーブルカーを利用して京都市内へ帰ります。

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