島のメインの港である「西港」。その周辺には、開拓からはじまった島の歴史を体感できるスポットが密集しています!遺跡のような佇まいの「旧ボイラー小屋」をはじめ、記念碑や神社をめぐって、南大東島の人の営みを感じていきます。

西港旧ボイラー小屋
西港に立つ石積みの建造物、こちらは西港旧ボイラー小屋。

強風時に船舶を陸に引き揚げるため、そのクレーンを動かすボイラーが設置されていた施設。大正末期ごろに建てられ昭和初期まで利用されていたそうです。

珊瑚石灰岩を乱積にしたという壁は、遺跡のような姿でとっても魅力的!廃墟や近代化産業遺産が好きな方には刺さりまくるスポットです。夕方に訪問したところ、ちょうど夕陽のタイミング!窓枠から差し込む真っ赤な光は、感動的な演出です。
ミレニアムパーク
西港のすぐそばには広々とした芝生の公園があります。こちらはミレニアムパーク。

波の様なオブジェが置かれており、マグロらしきサカナが泳いでおります。よく見るとすべり台になっており、かつてブランコが吊るされていたであろうスペース、そして鉄棒が一体化した遊具でした。

防波堤に描かれたアートは、島の学校の卒業記念作品のようです。いつでも見に行ける場所に記念作品が残るの、ちょっと羨ましいですね。

長屋橋の先はボロジノパークとなっていますが、橋が閉鎖されておりました。人の姿は見えたので、別ルートからならば入れるのかもしれません。

なお、この「ボロジノ」というのは大東諸島の別名。この大東諸島を最初に発見・報告したロシアの海軍左官ポナフティンの乗る艦名「ボロジノ」にちなんで名付けられ、19世紀のヨーロッパの地図には「ボロジノ諸島」として記載されていました。
上陸記念碑
明治33年(1900年)1月23日に開拓団が島に入り、開拓の歴史が始まった南大東島。西港から少し上ったところには、上陸記念碑が建立されています。

立ち並ぶ3つの石碑は、それぞれ別の記念碑となっています。
中:暴風で殉職した小島岩松と、島の開拓に貢献した開拓事務長・山田多恵吉の碑。
左:大東島開拓と鳥島爆発記念の碑
あれ、思ったより複雑な感じがしますね!というか、「鳥島爆発」って何でしょうか?
調べてみたところ、八丈島のすぐ近くに浮かぶ鳥島での噴火事件のことのようです。近代以降も何度か噴火している鳥島ですが、記念碑の年号から明治35年(1902)年の噴火の可能性が高い。鳥島は無人島でしたが、南大東島の開拓主である玉置半右衛門が上陸、羽毛のためにアホウドリを捕獲していました。噴火後も捕獲は行われますが、賑わうことなく無人島となってしまいます。
玉置半右衛門と関わり深い島であることはわかったのですが、なぜこの南大東島に記念碑が建てられたのでしょうか?今回の旅ではこの謎は解けませんでした。
お地蔵様
上陸記念碑のすぐそばの路肩に安置されているのはお地蔵様。

内地では特に珍しくない光景ですが、沖縄では実はけっこうレア!これぞ八丈島の文化が混じった大東文化ならでは。
右から2番目の花崗岩の地蔵は、明治の末に大沢仁太夫の妻ソイが立てたものとのこと。大沢仁太夫は明治33年に南大東島に来島、開墾に従事した人物であり、妻ソイがその遺言により建立したそうです。

開拓百年記念碑
西港のそばに広がるのはフロンティアパーク。キャンプ場でもある、芝生の公園です。

ここにそびえ立つのは南大東島開拓百年記念碑。平成12年(2000年)1月23日に開催された「開拓百周年記念式典」に合わせて建立されました。
台座部分には第一次開拓入植者23名の名前も記されています。奥山さんが8人もいますね!

あれ、玉置半右衛門(たまおきはんえもん)の名前がない!
開拓主と呼ばれる人物がいないことに驚きを隠せませんが、実は玉置は第一次開拓団には参加していませんでした。
記念碑向かって右側には、そんな玉置半右衛門之像も建てられています。ずっと名前ばかり見ていましたが、口髭を蓄えた気品漂う紳士なのですね。

記念碑向かって左側にも人物像が建っています。こちらは特定の個人ではなく、開拓者を象徴した開拓農民の像なのです。

金比羅宮
西港の南大東島開拓百年記念碑のそばに立つ鳥居。この先に鎮座するのは金比羅宮。

鉄パイプの囲いに包まれるように、小さな木の祠が祀られています。ここは第一次開拓入植者の一人である沖山権蔵が建立した神社。海の神様として信仰されています。沖山権蔵さん、さっき名前ありましたね!

新暦の10月10日には、島外から神主を招いて金比羅祭が開催されています。漁業関係者を中心に村内の有志が参加し、航海の安全や豊漁を祈願するそう。
全国各地にある金比羅神社ですが、沖縄ではほとんど見かけません。南北大東島と、あとは与那国島にもあり、日本最西端の神社として知られていますが、それはまた別のお話。
次回も引き続き島内めぐり!開拓時代を越えた先の歴史を感じるスポットをまわってみました。


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