広々とした空間にナツメヤシの森を表現したパビリオン。基本的に並ばないで入れるため、ちょっとした合間に立ち寄るのにもぴったり。話題のラクダミルクやエミラティ料理が楽しめるレストランもあります。
気軽に入れるパビリオン
アラブ首長国連邦、通称UAE(United Arab Emirates)。首都はアブダビですが、最大の都市はドバイ。世界一の高層建築物であるブルジュ・ハリファなどで知られる人気の国です。意外と知られていませんが、前回の万博開催国でもあります。ドバイ国際博覧会は2020年10月20日〜2021年4月10日の予定でしたが、コロナの影響で2021年10月1日〜2022年3月31日に変更され開催されました。
そんなUAEのパビリオンは、ガラス張りの外観が印象的。内部に立ち並ぶ木のようなものが見えます。
このパビリオンは予約不要。そして、基本的に待ちなしで入れることが多いです。キャパシティがあり、なおかつ展示がさらっと見れるタイプなのであまり混雑しない貴重なパビリオン。今回は日曜日の昼過ぎという混み合いそうな時間帯でも待ちなしでした!
圧巻のナツメヤシの森
広々としたホール空間にずらりと並ぶのは太い木の柱。最大16mという巨大な柱は、総数は90本にも及びます。逞しさと寛大さを抱き志高く生きるUAEの人々を象徴しているそうです。
この木はナツメヤシの木材を合わせて作ったもの。近くで見ると、金属の留め金で無数の細い木材がまとめられています。
日本ではあまりなじみのないナツメヤシですが、中東地域では「生命の樹」とも呼ばれ、古くから人々の生活を支えてきた重要な植物。果実は「デーツ」と呼ばれ食用に、種子から採れる油脂は石鹸や化粧品、幹は建材や燃料に利用されています。
このパビリオンでは、そびえ立つナツメヤシの森を自由に散策できます。
感じる伝統と歴史
ナツメヤシの森の中には、様々なものが展示されています。こちらのフェッタムは、真珠採取のダイバーが利用する鼻クリップ。海のイメージがあまりなかったのですが、周囲の大半がペルシャ湾に面しています。かつては真珠採集は重要な産業であったそうです。
エミラティの短剣、ハンジャル。護身や狩猟に使用される伝統的な装いのひとつ。渋い輝きを見せるシルバーの装飾がとってもかっこいいです!ちなみに「エミラティ」というのは「UAEの国民」のことを指す言葉です。”Emirati”=首長国なので、日本語にすると「首長国人」。聞きなれない言葉でしたが、”Japanese”や”Chinese”と同じ感覚ですね。
こちらはダッラと呼ばれる伝統的なコーヒーポット。これで淹れたガフワ(アラビアコーヒー)を振る舞うことが、客人のもてなしの象徴であるそう。
シャーレに入っているのは各首長国の砂。UAEは7つの首長国からなる国。海に近いと白く、山は茶色くなるといったように砂にも違いがあります。
大地から天空へつながる展示
並んでいる人形は夢を実現する人々と題されています。いったい何者かと思ったのですが、こちらは様々な企業の代表者。伝統だけでなく、現代のUAEを感じる展示もあるのです。
こちらの人形は宇宙飛行士や研究者。UAEは宇宙機関である「ムハンマド・ビン・ラシド宇宙センター(MBRSC)」を擁しており、宇宙開発に力を入れています。
2020年には火星探査機「Hope」を火星の軌道に送り、火星の大気を研究しています。ちなみにこの探査機を打ち上げたのは日本のロケット。鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられました。
そういえば、このパビリオンのテーマは「大地から天空へ(Earth to Ether)」。ナツメヤシの森から宇宙につながる展示は、まさにこのテーマを体現していますね。
エミラティ料理とラクダミルク
このパビリオンはカフェレストランを併設しており、アラブの伝統料理「エミラティ料理」を食べることができます。イートインはけっこう並んでおり、テイクアウトならすぐかなと思いきや20分ほど待ちでした。
今回注文したのはラム・ウージ。伝統的なエミラティスパイスライスとラム肉のグリル。黄色豆とナッツ、フライドオニオンが彩ります。辛さはまったくなく、独特な酸味を感じるテイストです。
エミラティ料理に加えて話題となっているのがラクダミルク。ヘルシーなラクダのミルクに、ローストピスタチオと伝統的なアラブのデザート 「ラフシュ」(綿菓子)をトッピングしたドリンクです。
気になるお味は、甘さひかえめですっきりした口当たり。豆のような風味と独特な土臭さが、普通のミルクとは異なる異国情緒あふれる味でした。
遅めのランチタイムを終えて、この後はフィリピンパビリオン、マレーシアパビリオンへと向かいます!
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