博物館明治村 Part 1 モダン建築がずらりと並ぶ前半戦(犬山市)

愛知県

博物館明治村は、愛知県犬山市にある明治のテーマパーク。明治風に仕上げているのではなく、園内に並んでいるのはいずれも本物の明治時代の建築。とにかく膨大な情報量の園内、どのようにめぐるかの計画が非常に重要です。

訪問日:2024/11/21(木) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

ボリュームたっぷりな明治村

名古屋駅から電車とバスを乗り継いでやってきた博物館明治村明治時代のホンモノの建築が並ぶ屋外博物館であり、約100万㎡という広大な敷地面積を誇ります。

園内は正門のある1丁目から北口のある5丁目まで、5つのエリアに分かれており、それぞれに見どころがたっぷり。建築物の数は驚愕の67件を誇ります。その多くは内部に入ることができ、さらに読み物などの展示もたっぷり。横浜や神戸の西洋館が数十件あるような感覚です。

時間が決まっている方はある程度見たいものの目星を付けていくのが良さそう、と言いたいところですが、情報量が多すぎて何を優先して見れば良いか決めるのもかなり困難。

そんなときは公式サイトの「周遊プラン」!「ファミリーで楽しく遊べて学べる半日コース」や「明治村1日満喫コース」など複数のコースが掲載されています。迷った際は参考にしてみるのがおすすめです。

というわけでボリュームたっぷりな明治村、いざ記事にしようとするとどのようにまとめて良いかわかりません!!

いつも通りに見たものそれぞれの写真を載せて、さらっと解説も添えていきたいところですがあまりにも多すぎてとても書ききれません。ということで、特に印象的だったほんの一部をご紹介。建築の名前が漢字だらけで少々覚えにくいので、村内マップに記されていた「番号」も合わせて記載してます。

モダンな佇まいの学校

園内を進んで最初に目に止まったのは和と洋が混じる豪華な建造物。こちらは「3. 三重県尋常師範学校・蔵持小学校」。なんと学校なのです!

明治21年に三重県尋常師範学校の本館として津市に建てられたもの。そののち、昭和3年に名張市に移され蔵持小学校として利用されてきました。

内部見学も可能となっており、様々な展示が。蝋石を細く削った石筆、粘板岩でできた石盤など、半紙が高価だった時代の筆記用具も見ることができます。

再現された教室も。木の机と椅子は、経験していなくても懐かしく感じるのが不思議です。スピーカーから流れる童謡も、ノスタルジックな雰囲気を引き立てていました。

ゴシックな教会建築

高台にそびえたつのは「6. 聖ヨハネ教会堂」。木造煉瓦造二階建ての教会であり、細部はゴシック風に仕上げられています。特に長い年月を感じる木造部分は趣深いです。

この教会は、宣教師でもあるアメリカ人建築家ガーディナーによって建てられました。明治40年に京都に建てられ、昭和39年に移築されます。

内部に入ることもできます。スピーカーからはパイプオルガンの神秘的な音色が流れ、荘厳な雰囲気。ずらりと並ぶリードオルガンの中には、現存する中では国内最大級のものも。

華麗なる洋館

こちらは西郷隆盛の弟である西郷從道が住んだ「8. 西郷從道邸」。明治13年に建てられた、明治初期の貴重な洋館建築の一つです。

ノリタケの食器や燭台が並ぶ食卓、優雅にカーブを描くまわり階段、鉄板を押して成形した天井の模様など、細部まで見どころがたっぷり。

1日数回、ドレスを纏ったガイドさんの案内もあるそう。参加すれば、通常非公開の2階部分にも入ることができます。

ガイド案内は、ここ以外でも様々な建築で行っています。公式サイトにも「体験する」というページに記載がありますが、これまた膨大。やっぱり情報量が多すぎます。

白亜の県庁舎

真っ白く輝くのは「13. 三重県庁舎」。明治12年の擬洋風建築であり、玄関を軸に左右対称に広がります。

館内の展示もバリエーション豊か。明治の生活を紹介した内容も多く、民具や食事、人力車などの展示もあります。

こちらは知事室。デスクの隣には「決未」「決既」と記された箱も。多数の書類に目を通さなくてはいけない知事の多忙さを偲びつつ、文字を右から読む「右横書き」というのも気になるところ。現在の左横書きが徹底されるのは昭和中期頃だそうです。

趣深い電話交換局

重厚な石造りの建築は「21. 札幌電話交換局」。明治31年、札幌軟石によって造られました。

館内の2階には交換機も置かれています。2つの電話を手動でつなぐ電話交換業務が行われていたのです。

なお、電話の最初に発する声は当初は「おいおい」でしたが、それでは失礼ということになり「申します申します」に変わったそう。これが短くなって「もしもし」になったという説があるようです。

 


さてさて、1丁目、2丁目をひと通りめぐったところで休憩タイム!2丁目にちょうど「F. 食道楽のカレーぱん」の店を見つけました。

「食道楽」というのは愛知県出身の小説家・村井弦斎が明治36年に発表した新聞小説。恋愛小説でありながらも多数の西洋料理を紹介しております。ここで食べられるのは、劇中に登場するレシピを再現したカレーパン。マイルドでとっても美味しかったです!

時刻は13:30。あっという間に1時間半が経過してしまいました。今回は都合により15:20のバスで犬山駅に戻る必要があるため、残り時間は1時間半ほど。まだまだ見たいところはたっぷりですが、このままではたぶん間に合いません。さぁ、どうしよう!

つづく

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