歴史あるコンクリート建築の校舎を活用したクリエイティブなスポット。「Q1(キューイチ)」とも呼ばれるこの施設、中にはいったい何があるのでしょうか?
旧校舎を活用したスポット
昭和2(1927)年に建てられた山形市立第一小学校の校舎は、山形県初の鉄筋コンクリート造の学校建築。約80年に渡り山形市中心街の小学校としての機能を果たし、その役割を終えます。
歴史的価値が認められ、平成13(2001)年に国登録有形文化財に登録されます。さらに平成21(2009)年には近代化産業遺産にも認定されました。
平成22(2010)年からは、1階と地下1階を観光・交流・学びの拠点施設「山形まなび館」として利用開始。その後、活用実験を経て令和4(2022)年に、「やまがたクリエイティブシティセンター Q1」としてオープンしました。
気になる「Q1」というネーミングですが、山形市立第一小学校の旧校舎が「旧一小」と呼ばれていたことに由来しています。
さらにQ1=「問いのはじまり」という意味も。やまがたのクリエイティブ拠点として、問いつづけるという思いが込められているそうです。
立ち並ぶショップやオフィス
学校の面影を残しつつ、キレイにアップデートされた館内。新築の香りが漂うなか、各教室にはショップやカフェが入っています。
本場さながらのバーガーとステーキを味わえる「テキサスカウボーイ」、ワッフルやパフェの「And MERCI CAFE」、写真や美術などの書籍を中心に集めた「ペンギン文庫」など、いずれもおしゃれな雰囲気のお店ばかり。
階段を上った2階と3階は、一転してむき出しのコンクリート壁が特徴的。イベントスペースやシェアオフィス、関係者専用ラウンジやアトリエなどが展開されています。
展示室① 文化財展示室
館内には、「文化財展示室」と「紅花文庫」という2つの展示室があります。いずれも開館時間は9:00~18:00です。
文化財展示室では、国指定史跡「嶋遺跡」をはじめとした山形市内の遺跡の発掘調査によって出土した品々を展示しています。市内には、地中に埋もれた「埋蔵文化財」の所在地が300ヶ所以上確認されているそうです。
こちらは菅沢2号墳より出土した甲冑型埴輪。顔がないハニワですが、実はまだ人物埴輪が登場する以前のもの。甲冑を着た人ではなく、あくまで甲冑そのものの埴輪、ということみたいです。
展示室② 紅花文庫
紅花文庫は、この建物が完成した際に記念事業として造られていた施設。山形市立第一小学校の成り立ち、当時の教科書、学校日誌など、貴重な資料を展示しています。
面白いのが教科書のあゆみ。明治、大正、昭和と様々な時代の教科書が展示されています。明治37年〜昭和23年の国定教科書では、米沢藩を立て直した名君・上杉鷹山について書かれていたりもします。
現在の教科書も展示されています。実際に自分が使っていたものではないけど、なぜか懐かしさを感じます。
このあたりでQ1の散策もおしまい。建物の開館時間は9:00~22:00ですが、ほとんどのお店の営業時間は18:00まで。17:30頃訪問したらほとんどが既にcloseとなっていましたので、お店を見たい方は早めの訪問がおすすめです。
こちらは2階にある 探究教室ESTEMの前に置かれていた「山形ガチャ」。
「山形の方言で書かれたおみくじ」、「山形地方ガチャ」など、ローカル感あふれるユニークなガチャ。旅行で訪れた人にはたまらない仕上がりです。
アクセスと営業情報
JR山形駅から徒歩15分。建物の北側、道路挟んだ向かいに無料駐車場もあります。
開館時間 | 9:00~22:00 ※展示室は18:00まで、ショップはそれぞれ異なります |
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休館日 | 年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://yamagata-q1.com/ |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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