天岩戸を御神体とした神社と天安河原『天岩戸神社 西本宮』(高千穂町)

宮崎県

天照大神が籠ったという天岩戸を御神体とした神社。境内から少し歩くと、天照大神を岩戸から救出するために神々が集まった場所「天安河原」を見に行くことができます。巨大な洞窟と無数の石が積まれた光景は圧巻です。

訪問日:2024/4/7(日) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

清々しい参道

東本宮と西本宮、2つに分かれている天岩戸神社。前回の記事にて東本宮について書きましたので、今回は西本宮について。

静謐な森に包まれた神社『天岩戸神社 東本宮』(高千穂町)
東本宮と西本宮、2つに分かれている天岩戸神社。東本宮は、天岩戸から出た天照皇大神が最初に住んだ場所を祀っています。この2社には異なる点がいくつもあり、比較しながら参拝してみました。

参道の入口にそびえ立つ木の鳥居。早朝のためうっすらと朝もやがたち神秘的な出で立ちです。

2つ目の鳥居は石造り。ずっしりと重厚感があふれています。木の鳥居から石の鳥居という流れは東本宮と共通ですね。

本殿を持たない神社

そのまま進むと右手に参拝入口。

門をくぐると拝殿が姿を表します。御祭神は大日孁尊(オオヒルメノミコト)。初めて名前を聞く神様だと思ったのですが、どうやら天照大神の別名であるそう。

この西本宮は、天岩戸と呼ばれる岩窟跡を御神体としています。そのため、本殿はありません。ここが東本宮と異なるポイントです。

■天岩戸のご案内もあり
御神体の天岩戸は拝殿の背後に隠れており、通常は直接見ることはできません。しかし、1日15回ほど拝殿の奥にある遥拝所へ神職の案内が行われています。所要時間は20分程度、案内料は不要とのことです。

境内の見どころ

よく見ると、拝殿の側に社殿が連なっています。こちらは御旅所といい、手力雄命(タヂカラオノミコト)天細女命(アメノウズメノミコト)を祀っています。どちらの神様も、岩戸に籠った天照大神を救出するのに活躍した神様です。

拝殿向かって左には神楽殿が建っています。歴史を感じさせる木造建築は、明治時代の旧社殿の一部であるそうです。

拝殿のそばに立つオガタマノキ。天細女命が岩戸から天照大神を誘い出すための舞を舞った際に手に持っていたとされる木。天岩戸神楽で使用される神楽鈴も、このオガタマノキの実がモチーフであるそう。

天安河原をめざせ

西本宮から岩戸川を500mほど遡ると「天安河原」と呼ばれる場所があります。せっかくなので行ってみることにしました。

境内を出て、しばらくは車道を進みます。早朝につきオープン前ですが、お土産屋さんも並んでいました。

すぐに岩戸川の渓谷沿いの道に。水の流れる音と木々のさざめきが爽やか。

岩戸川に流れ込む土呂久川には、太鼓橋が架かっています。

西本宮の社殿から歩くこと5分。ぽっかり空いた大きな洞窟が見えてきました。ここが神話に登場する天安河原です。

巨大な洞窟と積み石

ここは、天照大神が岩戸に隠れられた際、八百万の神々が集まって相談したといわれる場所。洞窟の規模は、間口40m、奥行き30mという大きさ。

洞窟の奥には天安河原宮が鎮座、思兼神(おもいかねのかみ)を主祭神とし、八百萬神を祀っています。思兼神がどんな神様かといいますと、天照大神を岩戸から救出するために様々なアイディアを出して救出シナリオを考えた知恵の神であるそう。

洞窟周辺では、積み上げられた石がたくさん。「願いを込めて小石を積むと願いが叶う」という習慣があるそうですが、これは神社に伝わるものではなく、参拝客の間で自発的に生まれたものであるらしい。

ちょっと積んでみたいような気もしますが、平たく積みやすそうな石はもう残っておりませんでした。

アクセスと参拝情報

高千穂峡や高千穂神社からは6kmほど離れております。高千穂バスセンターからバスで15分の「岩戸 天岩戸神社前」下車後目の前、もしくは20分の「神社下」下車後、徒歩3分ほど。

参道前に駐車場を備えておりますが、西本宮周辺の駐車場は基本的に有料。「東本宮の参道入り口」から「西本宮の参道入り口」までは徒歩5分ほどなので、東本宮前の無料駐車場に停めて徒歩で2社をめぐるのもおすすめです。

料金 無料
公式サイト https://amanoiwato-jinja.jp/

※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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