廃線となった鉄道の線路を走る「グランド・スーパーカート」。色鮮やかに照らされるトンネルを抜けたり、100m以上の高さの橋梁を進んだりと、どきどきわくわくなアトラクションです。
廃線を利用したアトラクション
高千穂線は、宮崎県と熊本県を結ぶ国鉄の九州横断鉄道として計画された鉄道路線。1939年に日ノ影線・延岡駅~日ノ影駅間が開通しますが、その後戦争の影響で延伸は中断。1972年に高千穂駅まで開通しました。
しかし、熊本県側の工事は、1975年に高森トンネルの工事中に大規模な出水事故が起こり凍結。1989年、第三セクター高千穂鉄道として再スタートしてからは、通勤・通学をはじめとする地域の足として利用されるも、2005年9月6日の台風14号により「第1五ヶ瀬川橋梁」 「第2五ヶ瀬川橋梁」の二つの橋梁が押し流されて倒壊。廃線を余儀なくされました。
鉄道をなんとか復興することはできないかという人々の思いのもと、観光向け保存鉄道として復活。オリジナルの車両「スーパーカート」というアトラクションとして生まれ変わりました。
受付となるのはこちらの旧高千穂駅。出発時刻は決まっていますので、あらかじめ公式HPで確認してからの訪問がおすすめです。
乗車前に知っておきたいコト
あまてらす鉄道は、往復5km、約30分のアトラクション。出発時刻は1日10便。繁忙期は臨時便として9:00/16:20の2つの便が追加されることもあるようです。
⑥13:00 ⑦13:40 ⑧14:20 ⑨15:00 ⑩15:40
このあまてらす鉄道、事前予約は受け付けておりません。そのため、繁忙期に訪れる場合は、乗車時刻より早めに行かないと満席になってしまうかもしれません。ただし、当日窓口でチケット購入時に時間指定はできるみたいです。繁忙期に訪れる場合は、先に立ち寄って乗車券を入手、その後時間まで高千穂峡などを散策して過ごすというコースもありそう。
ちなみに、4月の日曜日、10:20の回は乗車率50%くらい。しかし、1つ前の9:40の回はほぼ満席でした。
かわいらしいスパーカート
以前は軽トラックを改造したという「スーパーカート」でしたが、現在は「グランド・スーパーカート」という全長25mの車両にパワーアップ!ディーゼルエンジンで駆動、定員も18名から60名に大幅アップしていました。白いボディにピンクのラインがなんともかわいらしい仕上がりです。
客車は1号車と2号車に分かれています。どちらに乗るか選ぶことはできず、乗車券の色で定められています。1号車の方が先頭ですが、帰りは2号車が先頭に。どちらに乗っても見える景色に差はでない仕様なのでご安心を。
出発すると、運転手のお兄さんが見える景色の解説をしてくれます。ただ解説するだけでなく、ところどころ笑えるポイントも。比較的近いエリアで運行している観光列車「南阿蘇鉄道トロッコ列車」に負けないようにトークスキルを磨いているそうです。
トンネルを抜けて天岩戸駅へ
すぐに見えてくるのがトンネル。中に入ると、突然カラフルなライトの演出がはじまります!照明の無い真っ暗なトンネルですが、それを逆手に取ってきらびやかな世界に。これは良い演出ですね。
列車は切り立つ壁や木立に包まれた道を抜けていきます。4月の訪問であったため、ところどころに咲くサクラも見ることができました。
見えてくるのは天岩戸駅。現在は利用されていない廃駅ですが、当時のままの姿で残されています。ゆっくり進んでくれるのでホームに貼られた当時の時刻表なども確認できます。
スリル満点の高千穂橋梁
さて、グランド・スーパーカートは天岩戸駅にて一度停車。この先はクライマックスとなる高千穂鉄橋となるのですが、風が強い場合は中止となるため、風の確認を行います。
運良く大丈夫であったため、いざ高千穂橋梁へ!
高千穂橋梁は、全長353.76メートルの鉄道橋。橋の下を岩戸川が流れており、その水面からの高さはなんと105m!!スリルと開放感が大洪水でございます。
そんな橋の途中でスーパーカートは一時停車。景色を見たり写真を撮ったりと自由に過ごすことができます。
ここでまさかのシャボン玉登場!!橋の下にふんわりと落ちていくシャボン玉たち、絶景に更なる彩を加えていきます。
ちなみにこのシャボン玉の演出、先ほども名前が挙がったライバル「南阿蘇鉄道トロッコ列車」にパクられたそうです!そんなことを楽しそうに話すスタッフさん、きっと南阿蘇鉄道とめっちゃ仲良いんでしょうね。
大平山トンネルで折り返し
さて、高千穂橋梁を渡り終えた先、高千穂鉄道で最も長い大平山トンネルの入口が終点。ここで折り返しとなります。
実はこのトンネル、先日走行試験を行ったそうです。ひたすら続く暗闇が退屈であり、現在何か良いアイデアを募集中とのこと。
帰りのトンネルでも、また同様にカラフルな演出があります。往路は写真・復路は動画といったように撮り分けることもできますね!
最後、乗車地点に戻った後は、記念撮影タイムも。駅員さんがスーパーカーとの前で写真を撮ってくれたりもします。
今回2回目の乗車となったスーパーカート。線路を走るというどきどきわくわくな感覚はやっぱり唯一無二!スタッフさんもローカル路線のような魅力があり、大満足のアトラクションでした。高千穂に訪れる際は、ぜひ立ち寄って体験してみてください!
アクセスと営業情報
受付時間 | 9:25~15:25 ※出発の15分前から受付開始 |
---|---|
定休日 | 第3木曜 ※悪天候時は運休となります |
料金 | 2,000円 |
公式サイト | https://amaterasu-railway.jp/ |
※掲載の情報は2024年4月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント