最後は島の南部に位置する伊仙町。今回は犬田布岬、ヨヲキ洞窟遺跡、なくさみ館、300年ガジュマルをめぐって自然や歴史を体感。ラッキーなことに、闘牛のウシも見せてもらえました!
開放的な犬田布岬
島の南西部に三角形に突き出した琉球石灰岩の海蝕崖の岬、犬田布岬(いぬたぶみさき)。徳之島を代表する観光スポットであり、奄美十景の一つにも数えられています。
駐車場のすぐ目の前に広がるのは芝生広場。岬という名称から切り立つ崖の上をイメージしていましたが、想像していたよりもずっと広々としています。
芝生広場の先にある展望台に登ると、目の前には連なる断崖絶壁。青い海からは高波が打ち寄せます。訪問した日はかなりの強風で、展望台の上に立つとそのまま空へ飛び立てそうな勢いでした。
さらに先へ進むと見えてくるのは巨大なモニュメント。こちらは昭和43年(1968)に建立された戦艦大和の慰霊塔。第二次世界大戦末期、山口県徳山港から沖縄へ向かう途中沈没した戦艦大和の慰霊塔であり、大和の司令塔と同じ24mの高さに造られています。
実際に大和が沈んだのは九州南西沖でここからはかなり離れた場所であったそうですが、元乗組員の「徳之島西方二〇浬ノ洋上、「大和」轟沈シテ・・・」という証言からこの地に建てられました。
さっと見るだけなら15〜20分ほど。
戦艦大和がなぜ沖縄へ向かったのかは、こちらの記事にて。
樹齢300年の阿権ガジュマル
伊仙町には巨大なガジュマルが立っています。阿権(あごん)にあるため、「阿権のガジュマル」とも呼ばれており、その樹齢は300年であるそう。
枝を四方八方に広げた巨大な姿。わけわからないくらい大きいです!!下から見上げると、細い枝が集まる姿はまるで骸骨の様。石垣の上というロケーションも神秘的です。
枝からは多数の「気根」が地上に向かって垂れ下がっております。今は細い気根ですが、やがて太く成長していき、株全体がさらに巨大になっていくことでしょう。
道路沿いなので、5分程度で見ることができます。実際にガジュマルが映えているのは民家の敷地内なので、散策はNGとのこと。
縄文時代のヨヲキ洞窟遺跡
ヨヲキ洞窟遺跡は、縄文時代の遺跡。案内にしたがって畑の中を進んで行きます。
すぐに見えてくるのは大きな横穴。氷柱のように伸びる岩が凄い迫力です。辺りに流れる水の音と、虫のような鳥のような不思議な鳴き声が響き渡り、不思議な世界。
もしちゃんとした靴ならば洞窟の奥にも進めそうですが、サンダルなのでここまで。
この洞窟遺跡は、昭和59年のカムィヤキ陶器窯跡分布調査の際に発見されました。洞内には約4,500~1,000年前の生活痕が残されており、土器や貝・骨で作られた様々な道具が出土。遺跡からの出土品は伊仙町歴史民俗資料館にて見ることができるそうですが、訪問した日は残念ながら定休日でした。
洞窟を見るだけなら10分程度。中に入るとどれくらいの規模なのかは不明です・・・。
闘牛を体感できるなくさみ館
年間20回ほど開催される徳之島の闘牛。開催日以外でも、闘牛の雰囲気を味わうことができるのが、こちらのなくさみ館。
徳之島では、闘牛のことを「なくさみ」と呼ぶそう。「慰み」からきており、厳しい年貢を耐え忍んだ人々を慰める存在であったことに由来しているとのこと。
ここは闘牛場であり、屋根付きの大きなドーム空間となっています。開催時以外は受付などはなく、自由に見学できる感じです。試しに前列に腰かけてみると、フェンスは目の前!実際にここで見たら、凄い迫力なのでしょうね。
ドームの上部にはスポンサーの看板がずらり。島内の様々な会社の名前が並んでいます。
闘牛場の入退場口のすぐ隣には、闘牛について学ぶことができる資料館が併設されていますが、月曜だったので定休日。
闘牛場だけなら10分程度。資料館もそれほど大きくは無さそうでした。
闘牛場の様子を見に来ていた人に、「今日って資料館お休みなんですね」と話しかけると、「今、ウシいるから見に来る?」と嬉しいお誘いが!
なくさみ館のすぐそばにある牛舎に行ってみると、黒く猛々しいウシの姿が!牧場で見かける乳牛や肉牛とは異なる、たくましいボディ。止まっているのにあふれ出る強者オーラは、凄い迫力でした!
コメント