大航海時代の歴史と語りかける海『ポルトガルパビリオン』(大阪・関西万博パビリオン)

大阪・関西万博

ロープが無数に垂れ下がる個性的なパビリオン。展示内容はとにかく海に関するものばかり!世界をまたにかける大航海時代から、現代の海洋調査まで、そのバリエーションは豊か。最後には海が語りかけてきます。

訪問日:2025/9/8(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

無数のロープに包まれた建築

ヨーロッパの西端に位置するポルトガル。国土の西と南を大西洋に面した海洋国家としても知られています。

そんなポルトガルのパビリオンは、何かが無数に吊り下がっている不思議なデザイン。こちらはロープやリサイクルされた漁網。海洋国家らしいモチーフですが、現代アートのように洗練されています。

このパビリオンの設計を担当したのは世界的な建築家・隈研吾。カタール、マレーシアなど、万博内でも多数の建築を担当しているのです。

ここは比較的入りやすいパビリオン。9/8(月)11:20頃の訪問で、案内は20分待ち、実測は15分ほどでサクッと入ることができました。なお、待機列にあるスピーカーからは絶えず波の音が聴こえているため、常に海を感じます。

海との深いつながり

展示室は暗いブルーが広がる海の世界。青く輝く地球儀は、カンティーノによる世界地図。最も古い航海図であり、初めて日本の一部と青い惑星としての地球が描かれたそう。

そう、ポルトガルといえば大航海時代。中世には世界屈指の優れた航海技術を有しており、世界中に航海して植民地を築いた先駆者でもありました。「ヴァスコ・ダ・ガマ」「マゼラン」など、教科書でもお馴染みの偉人を輩出しています。

こちらはタッチパネルで見る海洋調査や再生可能エネルギー、ロボットシステム。歴史だけでなく、現代の先端技術も知ることができます。

海洋自然公園に関する展示もあります。ヨーロッパ最大の海洋保護区であり、豊かな海洋生物が魅力のひとつ。タキベラ、ニシクロカジキ、ゴルゴニア、アイスランドグルーパー、オニミズナギドリなど、様々な生き物が登場します。

南蛮貿易に遡る日本との関係

日本にとってポルトガルといえば、やっぱり1543年の鉄砲伝来。種子島に漂着したポルトガル人によって火縄銃が伝わり、戦国の世に大きな影響を与えました。

こちらは江戸時代に日本の絵師によって描かれた南蛮図屏風。描かれている南蛮人は、主にポルトガルの人のこと。絵図には彼らの乗ってきた船や交易の様子などが描かれています。ポルトガルは、最初に日本と交流したヨーロッパの国でもあるのです。

スクリーンに映し出されるのは、「オルガン」「パン」「シャボン」「コップ」「天ぷら」といった言葉。これらは全てポルトガル語由来の言葉。交易によって、様々な品物とともに言葉も入りました。現代でも知らず知らずのうちに使っている言葉ばかりでびっくりですね!

神秘的な海の言葉

海の部屋を抜けると、次の部屋はシアタールーム。幅20m・高さ5mほどの波打つ大型スクリーンが左右に設置された没入感のある部屋です。

流れる映像はやっぱり海。迫力のある海の中の映像が映し出されます。

ユニークなのは、人間目線ではなく海目線であるということ。「私にゴミをすてるなら、それをあなたに返す」「今日私の資源をすべて奪うなら、明日はあなたに何も与えてあけられない」といったように、海を一人称にしたメッセージが流れていきます。これまた神秘的な世界観です。

この部屋を抜けると展示はおしまい。最初の地球儀の部屋と、次のシアタールーム、2部屋だけなのでさらっと見るだけなら一瞬ですが、それなりに読み物もあるため、じっくり見ればなかなか見応えのあるパビリオンでした!

ショップとカフェ

出口にあるショップでは、再生紙を使用したノート、海を守ろうTシャツ、ピンバッジ、トートバッグなどスタンダードなグッズがそろっています。ここも外側と同様にロープがたくさん。

パビリオンの外にはテイクアウトコーナーがあり、「生ハム」「タコのサラダ」「バカリャウ(干し鱈)のコロッケ」「パオンデロー(半熟カステラ)」など、ポルトガルらしいメニューがそろっています。

中でも「エッグタルト」は超美味しいと話題のメニュー。すぐ売り切れてしまうため、並んでも買えないこともあります。

何度か狙って訪れたのですが、大行列に挫けたり、売り切れで販売してなかったりで、一向にたどりつけず・・・。どんな味だったのかなぁ。

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