怪遺産認定!大歩危の妖怪ミュージアム『妖怪屋敷』(山城町)

徳島県

数多くの妖怪が暮らす徳島の秘境・大歩危(おおぼけ)。この地にある妖怪屋敷は、様々な種類の妖怪を知ることができるミュージアム。個性的なルックスはもちろん、その妖怪にまつわるエピソードもかなりユニークで、じっくりと楽しめる博物館です。

訪問日:2018/11/23(金) ※掲載内容および写真は訪問時のものです

道の駅にあるミュージアム

三好市山城町は、数多くの妖怪伝説が残る地として知られています。そんな妖怪の里にある道の駅ラピス大歩危には、妖怪屋敷という妖怪ミュージアムが併設されています。

道の駅の中に入ると、すぐに妖怪屋敷の入口があります。龍が囲むゲートの傍らにたたずむのは、言わずと知れた「こなきじじい」。ゲゲゲの鬼太郎のおかげで全国的に知られている妖怪ですが、その伝説の発祥はここ山城町と言われています。

館内はそこかしこに妖怪のモデルがたくさん!みんなが知ってるメジャー妖怪から、非常にローカルなものまで、個性的な妖怪たちがたっぷりと集まりとってもにぎやかです。

 

まるでおばけ屋敷?

基本的には妖怪のモデルと解説が並ぶ博物館スタイルの展示施設ですが、一部にはちょっとだけおばけ屋敷のような演出もあります。

「のぞくな」と大きく書かれた暖簾が下がるのは、穴の開いた障子。

覗いてみると・・・・おっと、そこは秘密にしておきますね。

「山城坑」と書かれた暗い穴。これはちょっと入るのを躊躇いますね・・・!

中に入ってみるとそこには・・・・おっと、こちらも秘密です。

実際のところ、驚かされるような仕掛けはほとんど無いのでお化け屋敷がニガテな方でも問題なく楽しめるハズ。ただし、想像力豊かなお子様はけっこう怖がるかもしれませんね。

個性的な妖怪たち

せっかくなので、ここで見ることができる妖怪の一部をご紹介させていただきます。手にカマのついたイタチ。これは間違いなくカマイタチ・・・!と思いきや、こちらは「ノガマ」という妖怪。人を斬りつけるという性質は同じですが、このノガマは捨てられた鎌が化けるといわれています。

この胴が膨らんだ短い蛇は紛れもなくツチノコ・・・!と思いきや「ノヅツ」でした。山の中で草をなぎ倒しながら人の前をサッと通るそう。特に何か危害を加えてくることはないようです。

吸い込まれそうなカッパの絵・・・と思いきや「エンコ」でした。とはいえ水辺に暮らしており人の尻子玉を抜くそうなので、名前が異なるだけで性質はカッパとほぼ同じのようです。

妖怪ってほぼ同じ外見・性質でも、地域によって様々な名称が付いているのがとっても面白いです。ちなみにこのエンコはトリックアートになってます。上手く真ん中に立って撮影すると、エンコに引きずり込まれているような写真が撮れます!

気になる妖怪エピソード

妖怪たちの近くに書かれているは、その妖怪にまつわるエピソード。ゾクッとするようなコワイ話から、「?」となってしまう不思議な話、教育的な意味が込められているものまで様々なストーリーがあります。ここでは大量の妖怪エピソードを見ることができますが、その中から私が気になったものをちょっとだけご紹介。

首の無い馬に乗った一つ目の男という恐ろしい姿の「ヤギョウサンとクビキレウマ」

節分の晩におかずが少ないと現れるらしく、出会うと蹴り殺されるという恐ろしい妖怪。登場のハードルが低いのに、会ったときの危険性が高すぎませんか?

ひょっこりとした「高入道」

解説を抜粋してみると『ある男性が何かにとりつかれたようになり、家の前を通る子供を「高入道じゃー!」とおどかした。「お前らに金の玉をやるぞ!」といって石ころを投げつけたりした。』

セクハラ甚だしい・・・!!現代でも人々の奇行がときたまニュースになることがありますが、妖怪の中にはちょっと変わっていただけの人間も含まれているのかもしれませんね。

こちらは「銭貸し妖怪」。初めて聞く名前ですが、どんなエピソードがあるのかな?

書かれていた解説を要約すると・・・・

夜中、銭袋をかついだ銭貸し妖怪に出会った男が、一年後に返す約束で銭を借りた

返す日になっても銭を用意できなかった

男は知恵のあるものに相談した

男は教えられた通りに仰向けに寝転がり、腹の上に「椀」を尻の上に「錠前」を乗せて妖怪を待った

この姿を見た銭貸し妖怪は「払わん(腹椀)にけつじょう(尻錠)おりたか」と言って何もせずに去った。
※「けつじょう=決上」でお上の決定という意味らしい

全く怖さがありません!

妖怪話というよりも、とんち話といった感じですね。利子もつけず簡単にお金を貸してくれて、さらに払わないことに対してもあっさり引き下がる銭貸し妖怪。素直でちょっとかわいい。

この銭貸し妖怪の役は、妖怪でなくて人間に置き換えても話が成立しそう。夜に出会って普通にお金を借りてしまうところからも、男が妖怪を恐れている様子は感じられません。また、お上の決定なら仕方ないも諦めるところもとっても人間味があります。

ところで、仰向けに寝ているのに尻の上に錠前を乗せるって、いったいどうやるのでしょうか?

いったいどんなポーズなのかは、展示を見てのお楽しみ。
(気になる人は、写真をよく見ると・・・)

2階は石の博物館

この妖怪屋敷の正式名称は「妖怪屋敷と石の博物館」。1階はひたすら妖怪展示が続いていましたが、2階は鉱石を展示する石の博物館となっています。大歩危周辺で採取されたものから世界のものまで、様々な鉱石が集められています。

暗い部屋に展示されているのは発光する鉱石たち。紫外線を浴びると発光する蛍光鉱物を展示しています。

バックに描かれているのは砕いた蛍光鉱物によって描かれたオパビニアやハルキゲニアなどの古生物。現代の動物とは大きく異なる奇妙なルックスのバージェス動物群は、どこか妖怪に通じているような気がしませんか・・・?

怪遺産とは・・・?

この道の駅のある徳島県三好市山城町は、妖怪の種類50種・妖怪伝承の場所がなんと100ヵ所以上もある妖怪の里。2008年には「後世に遺すべき怪遺産」に認定されました。

日本には世界遺産だけでなく、産業遺産や農業遺産などの様々な「遺産」があるのは知っていましたが、怪遺産というのは初耳です!

気になりすぎたので調べてみたところ、定めているのは水木しげるが初代会長を務めた世界妖怪協会という団体。定期的に世界妖怪会議を開催しており、荒俣宏京極夏彦といった名だたるメンツが出席しているそう。

ちなみに、ここ以外に怪遺産に登録されているのは鳥取県境港市岩手県遠野市。境港は水木しげるの出身地であり、妖怪ロードがあったり鬼太郎列車が走っていたりするエンタメ系妖怪スポット。一方遠野は河童淵やウネドリ様など妖怪にまつわる民話が多く残る地。どちらも日本有数の妖怪スポットなので、納得の選出です。

2022年現在も、まだこの3ヶ所しか認定されていないようです。ここに加えるならば、妖怪ストリートのある京都市上京区、柳田國男に縁があり池からカッパが飛び出してくる兵庫県福崎町とかどうでしょうか?

アクセスと営業情報

JR土讃線の大歩危駅から徒歩約15分。車の場合は井川池田ICから約30分ほど。

祖谷のかずら橋までは車で20分、祖谷渓の小便小僧までは30分ほどなので合わせての訪問もおすすめです。

開館時間 9:00~17:00
休館日 12月、1月、2月の火曜日
料金 600円
公式サイト http://wx07.wadax.ne.jp/~yamashiro-info-jp/cp-bin/wordpress/?page_id=71

※掲載の情報は2022年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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