日生諸島めぐりのラストに訪れた大多府島は、本土から見て最も奥に位置している島。かつて藩所が置かれていたという歴史を持つ島内には、江戸の面影を感じるポイントが多数。歴史を感じることができる離島です。
大多府島ってどんな島?
岡山県備前市に属する大多府島(おおたぶじま)。面積0.4㎢という小さな島で、日生諸島最南端に位置しています。
天然の良港をそなえており、かつては「風待ち」の島とも栄えていました。江戸時代には岡山藩の藩所が置かれており、現在もその名残を見ることができます。
島内には島を一周する「自然研究路」が整備されており、灯籠堂・勘三郎洞窟・大多府島灯台といった見どころをめぐることもできます。歴史と自然、どちらも良い感じに楽しめる、めぐり甲斐のある離島です!
アクセスと訪島計画
大多府島行きの船は、日生駅から徒歩15分ほどの日生港から出港します。1日7便、乗船時間は30〜45分程。
この船は架橋されている頭島からも乗船可能。こちらから乗ればわずか15分、160円。車があって、なおかつ大多府島だけ行く場合はこれが一番利便性が高そうです。
今回は鴻島などの日生諸島めぐりで訪問。紆余曲折あってこのようなプランになりました。
日生港から出港
日生港から大生汽船のNORINAHALLE(のりなはーれ)に乗船します。
天候はあいにくの雨。こんな天気の中でほぼ屋外となる離島へ向かうのは少し躊躇われますが、船が停まらない限り島行きを諦めるわけにはいきません!
船員さんからは風が出てるので、かなり揺れるかもと伝えられますが、それほどでもなく進んでいきます。
途中に見えるのは、午前中に訪問した鴻島。急峻な地形に立ち並ぶ別荘群は壮観です。
15:00頃に大多府島に到着。なんと到着時間が15分も早まりました!!これはラッキーです!!
広々とした大多府港
広々とした大多府島の港。港には停泊している漁船がたくさん。桟橋のテントで作業している人たちの声が響き、にぎやかな雰囲気。
自動販売機を備えた待合室がありますが、なぜか閉鎖されており中には入れません。
港には案内マップもあります。島を一周する自然研究路が整備されているので、ここをぐるっとめぐってみる予定です!でも、まずは手始めに港付近の集落を歩いてみることに。
江戸時代を感じる集落
港のすぐ側に建つのは、平成5年(1993年)に復元された大多府加子番所。加子というのは水夫のこと。多くは農民で構成されており、5人1組で1ヶ月ずつ番所に勤めていました。元禄11年(1698年)から明治時代に廃止されるまでの約170年間、幕府の船に飲料水を供給したりしていたそう。
内部は開放されており、広々とした休憩所になっています。先ほどの待合室が使用不可でしたが、ここがその代わりを担っているようです。隣にはウォシュレット付きトイレもあり快適です。
港の側の防波堤。こちらは元禄時代に岡山藩の土木技術者・津田永忠の指揮で築かれたといわれる元禄防波堤。石垣状の往年の姿で今なお残っていることから、よほどしっかりと造られていたのでしょうね。
集落内にあるのは六角井戸。直径2m・深さ6mの井戸で、元禄11年(1698年)の大多府港開港とともに造られたもの。島唯一の水源として諸国の回船や御用船に飲料水を供給、島民の生活を支えていたそう。
のぞき込んでみると、今でもしっかりと水を湛えています。
六角井戸の近くに祀られているのは水神様。毎年4月に祭事が行われるそう。
さあ、ここからは島をぐるっとめぐる自然研究路へ進んでみます。
天候はあいにくの雨ですが、これくらいで挫ける私ではありません!
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