琵琶湖の東岸に建つ彦根城は、400年前に建立された歴史深いお城。多数の破風をまとった天守閣に上れば、琵琶湖をはじめとした周辺の景色を一望できます。
大人気な国宝天守
かつては全国各地に数万基あったとされるお城ですが、その多くは戦国時代の領地争いや、江戸時代の一国一城令、明治時代の廃城令、昭和時代の太平洋戦争によって失われていきます。
現在、天守閣があるお城は約100基。その中でも、江戸時代以前に造られた天守閣は12基のみ。これらを現存天守と呼びます。
今回ご紹介する彦根城も、そんな現存天守のひとつ。そして国宝に指定された5つの天守のひとつでもあります。歴史物語で名前を聴くことは少ないお城ですが、実はとってもスペシャルな城郭。現在は世界遺産登録を目指しているそうです。
そんなわけで、非常に混雑します!!
今回は2月の三連休中日に訪問したところ、駐車場も混雑、受付も混雑、そして天守閣内部は超混雑!!できるならば平日や朝イチ、夕方近くの訪問がおすすめです。
櫓門を越えて城内へ
受付から先はひたすら上り。なかなかハードですが、そもそもお城は防衛のための施設なので、文句を言ってはいけません。
ぐるりと上り、橋を渡った先にあるのが天秤櫓。本丸に攻めて来た敵を迎え撃つための櫓門です。秀吉が築いた長浜城の大手門を移築したものであるそう。内部も公開中で、門をくぐる人々を上から見下ろし謎の優越感に浸ることもできます。
続いて太鼓門櫓。合図用の太鼓があったことがその名の由来であるそう。こちらもまた築城時に他の城より移築されたものですが、どこから来たのかはわかっていないようです。
破風を纏った豪華な天守閣
険しい道のりを越えてたどり着いた天守閣。石垣の上に建つ重厚な姿は見応え抜群。
特筆すべきは破風の多さ!屋根についた飾りであり、彦根城の破風は全部で18。これは通常の天守閣の3倍にも及ぶ数だそうです。切妻破風、入母屋破風、唐破風という3種類の破風がそろっており、特に唐破風は黒漆塗りで、金箔の飾り金具が豪華絢爛。
お城の天守閣といえば資料館のようになっているケースが多いですが、彦根城の内部は展示物はほとんどありません。その代わり「鉄砲狭間」や「矢狭間」、破風の中に造られた「破風の間」など、様々な機能を見学することができます。
さてさて現存天守名物といえば、こちらの急な階段。
階段というよりほぼハシゴ状態です!!
こんな険しいルートがさくさく進めるわけはなく、ハシゴ待ちの渋滞が各フロアで発生しておりました。
最上階からの眺め
たどりついた最上階。屋根を支える小屋組は、天然木をそのまま生かした造りで、美しい曲線を描きます。
最上階には廻り縁がないため、外に出ることはできません。ガラス窓から西側を望むと、広大な琵琶湖の姿。きっと、かつての城主もここから琵琶湖を眺めていたことでしょう。
北東方面を望むと、平和堂HATOスタジアム。2023年に開業した陸上競技場です。雪に包まれた姿がなんとも絵になります。
彦根城のヒストリー
関ヶ原の戦いの後にこの地に封ぜられた井伊直政。徳川四天王の一人であり、「井伊の赤鬼」とも呼ばれた人物です。
直政は、かつての石田三成の居城であった佐和山城から、新しい城を築くことを計画します。その長男である直継、次男である直孝が跡を継ぎ、築城されたのが彦根城。工事は大きく2期に分かれており、第1期では7か国12大名によって天下普請が行われ本丸や天守閣が造られます。大阪の陣の後に行われた第2期では他の城郭建築が造られ城下町も整備。トータルで18年の歳月をかけ、1622年に完成したそう。完成後は、幕末まで井伊家の居城として役割りを持ちます。
明治時代に入ると、全国各地の多数の城が取り壊されていきます。この彦根城も老朽化のため破却される予定でしたが、彦根行幸で訪れた明治天皇のひと声により維持が決定(※随行していた大隈重信が進言したとも)。太平洋戦争の戦火も免れ、現在に至ります。
さてさて、そんな彦根城ですが運が良いと「ひこにゃん」が登場します!今回はお城の入場券売り場の目の前の広場にて、13:30の回に出会うことができました!まわりの人にぺこぺこしている様子がかわいすぎます。
さらにお城と博物館をめぐった15:00にもひこにゃんに遭遇!まさかの1日に2回も見れてしまいました。
アクセスと営業情報
・「彦根」駅から徒歩約15分。
・「彦根」ICから車で10~15分。
・駐車場は、目の前の「二の丸駐車場」が1回1,000円、700mほど離れた「彦根城口駐車場」は30分300円・上限1,000円。お城の近くはけっこうお高めです。
開館時間 | 8:30~17:00 |
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休館日 | 年中無休 |
料金 | 1,000円 |
公式サイト | https://hikonecastle.com/ |
※掲載の情報は2025年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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