由良海岸のシンボルとして知られる島。橋が架かっているため、気軽に訪島することができます。周辺にはビーチや釣り堀、島内には神社があり、多くの人が訪れるにぎやかなスポットです。
橋で繋がる小島
加茂水族館から笹川流れに抜ける途中、何か他に見どころはないかなとGoogle Mapを眺めていたところ、目に付いたのが白山島(はくさんじま)。
由良海岸の象徴とも呼べる島。周囲436mの小島で、3,000万年前の火山性噴火によってできたと言われています。
島へは赤い橋「白山橋」を渡っていきます。海の上を歩くような感覚でとっても気持ち良い。
石段を登った先の白山神社
神奈川県の「江の島」や、愛知県の「竹島」など、架橋離島といえば古来より信仰の地であるというのが定番。この白山島も、白山神社が建立されています。神職の方が常駐している神社であり、社務所ではお守りも扱っています。
目の前に立ちはだかるのは263段の石段。段数だけ見ると大したことなさそうに見えるかもしれませんが、急傾斜なので想像以上にハード。
上った先にあるのが白山神社の本殿。加賀(石川県)の白山比咩神社より勧請された神社であるそう。御祭神は伊邪那岐命(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナギノミコト)、菊理比咩命(ククリヒメノミコト)の三柱。
本殿の裏には、山道が延びています。少々険しい雰囲気ですが、せっかくここまで来たので、更なる先へと進んでみることにしました。
わずか1分で白山島の山頂に到着!標高はおよそ70m。木々が茂っており、それほど眺めが良いわけではありませんが、海風がとっても気持ち良いです。
島を囲む遊歩道
白山島には、島を一周できる730mの遊歩道が整備されています。神社の石段を下りたところで、そちらへと進んでみます。
上り下りしてきて火照ったところに浴びる海風は気持ち良すぎます。日陰というのもありがたいです。
ただの岩場が続いているように見えますが、それぞれの岩や「澗(ま)」と呼ばれる入り江には名前が付けられています。島内のマップを見ると、名称がびっしりと記されていました。
橋から見てちょうど裏手の辺りまで来ると、岩場を抜けるエキサイティングな雰囲気に。これは楽しそう!と思ったのですが、落石の危険があるため通行禁止となっていました。ということで、大人しく引き返します。
八乙女の像と由良の由来
白山橋のそばに建つ2人の人物像。こちらは八乙女の像。この地は、1400年前に出羽三山を開山したという「蜂子皇子(はちのこおうじ)」が上陸した地と伝えられており、それにちなんだものであるそう。
蜂子皇子の父である崇峻天皇は、権力争いの末に蘇我馬子によって討たれてしまいます。聖徳太子は皇子に「このままでは命が危ないから出羽の霊山を目指すのが良い」と勧めます。皇子はそれに従い、丹後(京都)より舟で海へ。この地にたどりつき、3本足の八咫烏(ヤタガラス)に導かれて出羽三山と呼ばれる3つの神社を開いたとされています。
皇子が上陸した際に、8人の乙女が岩場で舞っており、そのうち恵姫(えひめ)と美凰(みおう)の姉妹が皇子を招き入れたそう。おそらくこの2人の姿をモチーフにしているのでしょうね。
なお、この由良という地名も、蜂子皇子が出港した京都の「由良」にちなんで名付けられたそうです。和歌山県の由良と関連あるのかなと思っていましたが、まさかの京都でした。
由良海岸は人気スポット
白山島のある由良海岸は澄んだ海と白い砂浜が続く美しいビーチ。磯遊びスポットもあるので、子連れでにぎわっています。
白山島には釣り堀もあります。なんとギンザケ放流中とのこと。
海テラスゆらでは、「ゆらカレー」や「小鯛だしのちゃんぽん」など、オリジナリティあふれるメニューも。
知る人ぞ知るスポットかと思いきや、GWということもありたくさんの人が訪れています。このような小さな架橋離島は日本各地にありますが、その中でもひときわ賑わっている印象の島でした。
ちなみにWikipediaによると「東北の江ノ島」という呼び名もあるそう。江ノ島に比べると小規模ですが、かなり近い雰囲気は感じました!
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