最先端の文化はキリスト教とともにやってきた『天草コレジヨ館』

天草諸島

キリスト教の伝来とともに伝わった南蛮文化に焦点を当てたミュージアム。当時最先端だった印刷機や楽器などが展示されており、宗教とともに広がる文化について考えさせられる施設です。

営業時間:8:30〜17:00
休館日:年末年始
料金:200円
訪問日:2019/10/6(日) 

文化メインのミュージアム

天草コレジヨ館があるのは、天草下島の南の方。世界遺産に登録された崎津集落から車で10分ほどのところにあります。入館料は200円で、最初は係員のおじさんが付きっきりで解説してくれます。

天草コレジヨ館は、天草地方に多く存在するキリスト教関連ミュージアムの1つ。ただし、他の施設とは少し切り口が違います。生々しい出来事で悲哀なイメージがつきまとう天草のキリシタン史ですが、ここの展示内容の多くはキリスト教とともに伝播した南蛮文化や西洋の技術が中心。なんだか華々しいイメージの博物館です。
なお、「コレジヨ」というのはカレッジのこと。かつて、宣教師養成を目的とした神学校コレジヨがこの地にあったことに因んでいます。

天正遣欧使節団とは

時は天正10年(1582年)イエズス会の発案により、キリシタン大名大友宗麟・大村純忠・有馬晴信の代役として、4人の少年がヨーロッパへと派遣されます。
伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノ、中浦ジュリアンの4人は天正遣欧少年使節団と呼ばれ、スペイン国王やローマ教皇にも謁見しました。

この少年たちの活躍により、ヨーロッパを中心としていた世界に初めて日本という国が認識されることとなりました。マカオ、ゴア、リスボン、マドリード、ピサ、ローマと各国の都市をめぐった4人の少年たちは、帰国後は天草コレジヨにて過ごします。

その後、伊藤マンショは司祭となり長崎のコレジヨで教鞭をとります。原マルチノは江戸幕府によるキリシタン追放令を受けてマカオへ。中浦ジュリアンはキリシタン弾圧により捕らえられ殉教することとなります。千々石ミゲルだけは4人の中で唯一キリスト教を棄てるという選択をとります。

西洋の古楽器たち

館内には、天正遣欧使節団が持ち帰った西洋の楽器の複製品も展示されています。琵琶のような弦楽器リュート、不思議な形をした鍵盤楽器ヴァージナル、細い三絃のレベックなどの古楽器が並びます。

この楽器たちは、聚楽第にて豊臣秀吉の前で演奏されます。その際、3回もアンコールが起こったとの逸話も残っています。

こちらは竹製のパイプオルガン。パンフルートのように長さの異なる竹筒がびっしりと並んでいます。
スタッフさんに頼めば実際に演奏することも可能。普段耳にするオルガンとは違い、竹笛のような透き通る独特の音色でした。館内にある企画・展示ホールでは、古楽器のコンサートが開催されることもあるそうです。

 

現役の木製印刷機

館内に大きく鎮座しているのはグーテンベルク式印刷機。西洋楽器と同じく、こちらも天正遣欧使節団が持ち帰ったもののレプリカです。

展示されているこの印刷機は現役で使用できます。入館時にもらえる印刷機のパンフレットもこれで印刷したもの。実際に触って動かすこともできます。

この印刷機によりコレジヨの教材や平家物語などが印刷され、天草本といわれている印刷物が発行されました。中でも有名なのは「天草伊曽保物語」。天草でラテン語から日本語に翻訳されて印刷されたイソップ物語のことです。

コレジヨ館には、そんなストーリーを造形作家gajuさんにより立体化した作品『ESOPOの宝箱』が。覗いてみると、そこに広がるのはイソップ物語の世界。醜い姿をした奴隷だったイソップが様々な苦難を越え、最後は天国へと向かう姿が、独特のデザインの人形で描かれています。

世界中の人形も大集合

コレジヨ館の2階は、キリスト教とは少し異なった展示室。その名も世界平和大使人形の館

第一次世界大戦直後、良好ではなかった日米関係を憂いた親日家の宣教師ギューリックは、日本に12,739体の人形を贈答します。この人形たちは「青い眼の人形」と呼ばれ、日本全国へと配られました。しかし、第二次世界大戦が始まると、敵国の人形ということでその多くが処分されてしまいます。

新潟県柏崎市の「痴娯の家」にて撮影

園田天光光(そのだてんこうこう)さんという方が、戦火を逃れた青い眼の人形を展示したところ、子供から「どうして日本とアメリカしかないの?」といった質問を受けます。
それを聞いた天光光さんは世界中の国に人形を贈ろうと考え、在日大使館の大使婦人を通して世界100ヶ国に寄贈しました。

こちらがそのときに贈られた「平和大使人形」。大和太郎と大和花子という名前がついており、日本の子どもからのメッセージとパスポートを下げています。

この人形を受け取った各国からは答礼の人形が次々と贈られ、その合計117体もの人形が集まりました。ここに展示されているのはその答礼人形。カラフルな各国の民族衣装をまとった個性豊かな人形たちが並ぶ、華やかな空間でした。


時刻は16:30。観光スポットは終わりを迎える時間ですが、せっかくここまで来たのだから世界遺産の崎津集落にも立ち寄って行くことにしました!

この記事を書いた人
chihiro

国内旅行が大好き!車中泊やLCCを駆使して、離島と水族館は100以上・神社仏閣は300以上訪問。都道府県はあとちょっとで3周完了。スケジュール詰め込みがち。実はプログレとソウルが好きなベーシスト。

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