雪に包まれた神秘の渓谷『赤目四十八滝』(名張市)

三重県

渓谷に点在する多数の滝。今回は最序盤ともいえる不動滝と千手滝を目指して谷川沿いを進みます。雪が降り積もる中の渓谷は、まるで水墨画のような世界が広がっていました。

訪問日:2025/2/24(月) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

どこまで進むか滝めぐり

三重県の名張市にある赤目四十八滝は、滝川渓谷の約4㎞にわたって点在する滝の総称。山岳信仰の聖地であったとも、忍者の修行場であったとも伝えられる、歴史の深い場所です。

そんな渓谷の滝めぐり、全てめぐるには片道100分ほどかかるそう!今回は旅の途中で立ち寄るためちょっと全部は難しそう・・・。そう思っていたのですが、赤目五瀑に数えられる「不動滝」は6分、「千手滝」は20分、「布曳滝」は23分ほどでアクセスできるようです。とりあえずこの辺りまで目指してみることに。

受付はこちらの赤目滝水族館。営業時間が決まっているため、往復の時間を考慮しなくてはいけません。ちなみに渓谷保全料1,000円(水族館入館料込み)が必要な点もご留意ください。

受付の人の話によると、本日は積雪のため千手滝より先は閉鎖しているとのこと。目標よりも少し手前ですがせっかくなので行ってみることにしました!

水族館の先へ進むと、雪が降り注ぐ渓谷。普段着だったので少々不安でしたが、滝から帰ってくる人はみな軽装。尋ねてみたところ、基本は除雪された歩道で歩きやすいそうです。ひと安心です。

赤目の由来となった牛

唐突に現れるのは黒い牛。近くに天満宮でもあるのかと思いきや、よく見ると目が真っ赤!

この赤目牛は、赤目の地名の由来でもあるそう。かつて修験道の開祖である役の小角がこの地で修行を行った際に、不動明王が牛に乗って出現。その牛の目が赤かったため、この地を「赤目」と名付けたそう。

もうひとつの説もあります。不動明王と出会った役小角は不動明王をまつる不動院を建立します。その本尊である、不動明王の目が赤く輝いていたためとも言われているそうです。

神秘的な不動滝

赤目滝水族館から、あっという間に不動滝に到着!ルート上の橋から良い具合に見渡せます。

落差15mという立派な滝であり、不動明王にちなんで名付けられたそう。

というか、雪の中の滝ってめっちゃ良くないですか!?

これまでいろいろな滝をめぐってきましたが、雪に包まれた滝を見るのはたぶんはじめて。こんなにも素敵なのですね。

そのまま進むと階段を上り、上からも見ることもできます。明治中期以前はここより奥は深山幽谷の原生林で、修験者のみ入ることが許される聖地であったそう。

見どころの多い渓谷

進んで行くと見えるのは乙女滝。1mほどの小ぶりな滝です。

つづいて大日滝。案内はあるのですが、滝の姿は見えず。どうやら川の対岸を進まないと見えないようです。あとあと知ったのですが、通常は水量が少なく雨が降ったあとでないと姿が見づらいそう。冬季は氷瀑になることもあるようですが、手前まで行くには沢登りの経験が必要とのこと。

大きな岩がごろごろとしてくると、巨大な八畳岩が見えてきます。弘法大師こと空海がこの地で修行をした際、たくさんの天童がこの上で舞楽したという伝説から「天童舞台石」とも呼ばれているそう。冬以外ならば、きっと岩の上で休んだりできたのでしょうね。

ゴールの千手滝

さぁ今回の最終地点、千手滝にたどりつきました!大きな滝壺が広がり、木々も開けて開放的な空間です。

落差15mの立派な滝。その名の由来は、千手観音にちなんでいるとも、落水が千手のようだからとも言われています。滝の隣の岩場も、採石場のような姿。ゴツゴツとした質感は、流麗な滝との対比があざやか。

白と黒のグラデーションがかかる滝壺も、墨で描く水墨画のような美しさ。

さて、今回はここまで。ここより先は通行止めとなっているので、引き返します。「千手滝まででは物足りないかな?」とも思ったのですが、ほどよい渓谷歩きでした。

何より、雪の渓谷は最高すぎました!

アクセスと営業情報

営業時間 夏季:8:30~17:00(3月第2金曜~11月30日)
冬季:9:00~16:30(12月1日~3月第2水曜)
定休日 2月28日~12月31日と12月~3月第2水曜日までの毎週木曜日
料金 1,000円
公式サイト https://www.akame48taki.com/

※掲載の情報は2025年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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