真っ黒な壁の伝統的建築、現在は様々なガラス製品を扱うショップとなっています。もともとは取り壊し予定であった建物であり、その再生にはストーリーが隠されていました。
黒壁スクエアのシンボル
長浜駅から歩いて数分の市街地に広がる黒壁スクエア。伝統的な建造物の景観が保存された情緒あふれるストリートであり、美術館やギャラリー、カフェなどが集まる人気観光スポットです。
そんな黒壁スクエアのシンボルと呼べるのが、旧市街地の中心である「札の辻」に立つこちらの建築。
黒壁ガラス館と呼ばれており、様々なガラス製品が並ぶショップなのです。入館料などは不要。とりあえず入ってみることにしました!
(※この2枚、天候がまるで違うため別日のような写真ですが、いずれも同じ日に撮ったもの。わずか1時間弱で曇りの雪から晴天になっていました。)
華やかなガラス製品
1階ではグラスやピアスなど、日常使いできそうなラインナップ。階段を上った2階は、オイルランプやガラスペン、香水瓶など、コアなファンが好みそうなアイテムがずらり。
オルゴールをかわいいガラス細工で彩る「デコレーションオルゴール」の製作体験も行っているそうです。
こちらの壁に掛かるオブジェ、実はガラス製の時計!文字盤が無いため正確な時刻は分かりにくいですが、あまりにもオシャレなデザイン。こんな時計が似合う家に住んでみたいものです。
こちらはなんとガラス製の兜!角のような鍬形や、顔の左右に広がる吹返部分など、細かなところまでしっかりと再現されています。
屋外のフォトスポット
屋外に出ると、多数の風鈴が下がるフォトスポットも。ガラスと合わせて造花も添えられており、とっても華やかです。
すぐそばにはガラスのピラミッドも。山頂からはこんこんと水が流れ落ちております。
「クローバー停留所」と書かれたバス停風のポイントも。時刻表部分には、周辺ショップの徒歩所要時間が記されています。
黒壁のヒストリー
この黒壁ガラス館は、明治33年(1900年)に建てられた「第百三十国立銀行 長浜支店」を改装したスポット。壁が黒漆で塗られていたことから、黒壁銀行の愛称で親しまれていたそうです。
その後はカトリック教会へと姿を変えますが、教会の移転とともに業者に売却されマンション建設の計画が立ち上がります。町のシンボルをなんとか維持しようと地元の有志が立ち上がり、昭和63年(1988年)に長浜市との第三セクターである株式会社黒壁が設立します。
黒壁の前で通行人調査を行ったところ、日曜の午後にもかかわらず「ひと4人と犬一匹」という有り様であったそう。衰退していく町を前に、なんとか復興の手段はないかと模索が続きます。ここで初代社長がヨーロッパ旅行の経験からガラスを提案。全国のガラス施設を視察し、誕生したのが黒壁ガラス館でした。
その後も株式会社黒壁は、周辺の古建築を再生しギャラリーやショップをオープン。ガラス館を指す「黒壁1號館」から「黒壁30號館」まで、黒壁まちづくりが続けられています。古い市街地を観光スポットととして立て直した様子は、まちづくりの成功事例として日本各地から視察が訪れるほどにもなっているそうです。
さてさて、最後にこちら。黒壁ガラス館の2階で見つけたこの道具、これ何かわかりますでしょうか。
その名も「ストリートオルガン」。ハンドルを回すことで決まった旋律が流れるオルゴールのようなアイテムです。どんな音がするのか気になるところですが、おさわりNGでした。
アクセスと営業情報
JR北陸本線「長浜」駅から徒歩5分。
営業時間 | 10:00~17:00 |
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定休日 | 年中無休 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.kurokabe.co.jp/ |
※掲載の情報は2025年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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