様々な梅の盆栽が一堂に会す、冬の長浜を代表する催し「長浜盆梅展」。小ぶりでかわいい盆栽でけでなく、力強く見ごたえ抜群なものも。わざわざこのために長浜へ訪れたくなるくらい、満足度の高いイベントです!
長浜の冬イベント
滋賀県の長浜では毎年1月〜3月に「長浜盆梅展」というイベントが開催されています。その会場となるのがここ慶雲館。
ここは、1887年に明治天皇の行在所として建設された迎賓館。長浜生まれの実業家・浅見又蔵が建設、当時の総理大臣であった伊藤博文が命名したそうです。
開館時間は17:00までですが、1月末~2月末の1ヶ月程度の期間は19:30まで延長されます。ということで、日没後に訪問しました!
館内は靴を脱いで入ります。おそらく盆梅のためか、暖房はかかっておらず、室内とはいえなかなかの寒さ。使い捨てスリッパが無料なので、利用がおすすめです。履かないと、本気で足が冷たくなります。
ずらりと並ぶ盆梅
気品ある室内にずらりと並ぶのが盆梅。盆梅というのは読んで字の如く、梅の盆栽のこと。
開花時期に応じて入れ替えを行っており、常時約90鉢もの盆梅が展示されています。
長浜盆梅展は昭和27年からはじまり、今年で74回目とのこと。他の地域でも開催される盆梅展ですが、ここ長浜は歴史・規模共に国内屈指であるそう。
あれ、思っていたよりもずっと大きい!!!
小さな鉢に植えられたかわいらしい梅の盆栽をイメージしていたのですが、ここで見ることができる盆梅は大きく立派でとても力強い。それぞれ非常に個性的なので、一部ご紹介させていただきますね!
大迫力の姿
■比夜叉(ひやしゃ)
米原市三島池に伝わる夜叉姫伝説から命名されたという盆梅。背後には空に舞うカモやオシドリが描かれており、風格を漂わせます。推定樹齢はなんと250年!
ちょっと待ってください、そんなに長い時間かけて仕上げるのでしょうか!?
■芙蓉峰(ふようほう)
貫禄のある幹を彩るように赤い花が散る、迫力ある盆梅。推定樹齢は驚きの350年。そして重さ800kgと、長浜盆梅展で一番重い盆梅です。搬入は15人がかりで行われるそう。
■不老(ふろう)
長浜最大の盆梅であり、幹回りは2m近くという巨大な盆梅。地植えでもこんな大きな梅は滅多に見かけない気がします。気になる樹齢ですが、推定樹齢400年!!400年前はちょうど江戸時代がはじまった頃。そんな大昔から育ってきているのですね。
ついつい大きいものばかり紹介してしまいましたが、もちろん小ぶりでかわいらしいものも。小さい盆梅は、陰と合わせて撮るのもおすすめです。
限定公開の2階へ
夜間営業時に限り、通常は非公開の2階に上がることができます。階段を上った先の広間には、竹の明かりと盆梅の幻想的な世界が。
こちらは玉座の間。大きい方が明治天皇、小さい方が皇后がおかけになった椅子であるそう。長浜に上陸してから鉄道へ乗り換えるための待ち時間、約45分をここで過ごしたそうです。
2階からは庭園を一望できます。土日祝のみライトアップが行われており、訪問時はちょうど雪が降り積もって白銀の世界に。
樹木の枝が雪の重みで折れないようにする「雪吊り」は、長浜より北でしか行われていないそうです。
盆梅の凄さ
見応えたっぷりの盆梅ですが、凄いのはその美しさだけではありません!
盆梅展は2ヶ月ほどのイベントですが、期間が終了した後も管理が必要。水やり、消毒、剪定など様々な手入れが1日も欠かすことなく行われているそう。館内にはアルミ線やブラシ、ピッケルやスコップなど盆梅に使用される道具も展示されていました。
先ほど樹齢100年以上の盆梅を紹介させていただきましたが、そんな手入れが100年も続けられているということでしょうか。最初に手掛けた人はきっともうこの世にはいないはず。遠い昔から受け継がれてきていることを考えながら観賞すると、さらに深みを感じます。
現在も新しい盆梅は育てられていますが、100年先を考えて丁寧に育てているそう。この素晴らしい文化は、何年も、何百年も受け継がれていってほしいです。
アクセスと営業情報
・JR「長浜」駅の西口から徒歩3分。
・北陸自動車道「長浜」ICから約15分。
・駐車場は目の前に「長浜駅西口駐車場」の入口があります。
開館期間 | 3月中旬~12月1日、1月10日~3月10日(盆梅展)、 |
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開館時間 | 9:30~17:00 |
料金 | 300円 |
公式サイト | https://www.kitabiwako.jp/keiunkan/index.html |
※掲載の情報は2025年2月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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