整備された歩きやすい森の中を進んで「あがりこ大王」という巨樹に会いに行きます!大王以外にも「鳥海マリモ」や「出つぼ(湧水)」、そして「あがりこ女王」といった見どころが多数。澄んだ空気の中で、快適なハイキングが楽しめます。
獅子ヶ鼻湿原の散策コース
鳥海山の北東に広がる中島台・獅子ヶ鼻湿原。2,500年前の山体崩壊後、火山泥流が一帯に堆積、さらに溶岩流も流れ込みます。火山泥流は水を通しにくく、溶岩は水を通しやすいため大量の湧き水が発生、こうしてできたのがこの湿原。
湿原の一部は遊歩道が整備されており、中島台レクリエーションの森と呼ばれています。フルコース一周5km、歩行時間は約2時間20分とのこと。
道中にはいくつかの見どころがあります。そのうち「あがりこ大王」だけは、メインルートから外れたところにあるため、片道10分の道を往復することになります。
歩きやすいウッドデッキ
6:30
駐車場に到着。GWなので混雑回避のため早めの時間にやってきました。駐車場には網戸付きのトイレと案内板があります。道中にトイレはないので、ここで済ませておきましょう。
6:45
準備ができたら出発!入り口には「くまよけの鈴」が付いた杖も置かれています。
スタートからしばらくは歩きやすい砂利道。ミズバショウの花が咲いており、湿原感を引き立てます。
散策コースは途中からウッドデッキに変わります。とっても歩きやすい上に、ウッドデッキを歩くとなんだか楽しい気分になります。途中、右赤川という川を渡るシーンも。
7:05
「あがりこ大王」の分岐点に到着。ここまで駐車場から約20分ほど。前述の通り、「あがりこ大王」は、ここを左に進んで往復してくるルートになります。
存在感抜群なブナの木。幹から立ち上がる枝がロウソク立てのようなことから「燭台ブナ」と名付けられています。「ニンフの腰掛け」というファンタジックな名称もあるそうです。
7:15
唐突に現れる石が積まれた建造物。こちらは「炭焼き窯」。江戸時代末期よりブナの森を利用した炭焼きが行われており、26個の炭窯があったそう。ブナを伐採する際に、再度萌芽するように何本かは残していたそうですが、それが奇形の原因になったとも考えられています。
堂々たるあがりこ大王
7:17
駐車場から歩くこと約30分、ついに「あがりこ大王」に到着しました。幹周7.62m、樹高25m、推定樹齢は300年以上というブナの巨樹。周辺に多く見られるブナの奇形木としては最大級であるそう。
周囲にはウッドデッキが敷かれているので、ぐるっとまわって見学することができます。複雑に入り組んだ枝は、見る角度で印象が変わりますね!
何かに例えながら見るのも、こういう奇形木の楽しみ方のひとつ。芽が伸びている箇所があり、それがまるで枝に腰かけて両手を挙げる妖精のように見えてきました。
出つぼと奇形木群
7:30
「あがりこ大王」の分岐点に戻ってきて、先へ進みます。すぐにまた分岐点があり、ここからは約50分の周回コース。左が「出つぼ」、右が「コケの群落地」と記されています。
とりあえず左へ。沢沿いの道で、ここもまたミズバショウが多数咲いていました。
7:40
案内板が見つからなかったので少し自信が無いのですが、おそらくこれが「出つぼ」。鳥海山の雪解け水が80年以上もかかって湧き出している湧水池です。
「出つぼ」から先は奇形木が多数。口を開けたモンスターみたいな木など、個性的な木がそろっているので全く退屈しません。
ウッドデッキがなくなり、ちょっとした岩場も。少々ワイルドな道なりで、ぎりぎり手をつかなくても歩けるかな、という感じです。
天然記念物の鳥海マリモ
8:00
長い岩場を抜けると、びっくりするくらい歩きやすい道に。水路の水はめっちゃキレイです。
8:05
十字路に到着。右の橋が「鳥海マリモ」、左が「あがりこ女王」、直進が「管理棟(駐車場)」。まずは「鳥海マリモ」を目指します!
こちらが「鳥海マリモ」。ハンデルソロイゴケとヒラウロコゴケが絡み合って球体状になったもの。なのですが、落ち葉が堆積しており全然わかりません!
管理棟のおじさんの話では、天然記念物だから掃除したりできないそうです。マリモにとっては良い環境らしく、落ち葉の下にはきれいな緑色の姿を見ることができるとのこと。
あがりこ女王から駐車場へ
8:13
先ほどの十字路へ戻り、今度は左へ。すぐに見えてくるのが「あがりこ女王」。
太い幹周りと伸び上がる多数の枝、「あがりこ大王」をひとまわり小さくしたような姿がまさに女王の名に相応しい存在感です。
8:20
「出つぼ」との分岐点に帰ってきました。「出つぼ」~「鳥海マリモ」~「あがりこ女王」とめぐって、一周ちょうど50分。
8:45
駐車場に帰ってきました。トータルの所要時間は2時間ほど。歩くスピードはかなりゆっくり目で、途中5分ほど休憩してこのタイム。急ぎ足の方は、もっと短い時間でも一周できそうです。
早朝であったため、ほとんど人に会うこともなく、奇形樹が立ち並ぶ神秘的な森をたっぷりと堪能することができました。
駐車場で会った管理棟のおじさんに「もう一周してきたんか!クマにあわなかったかー?」と尋ねられました。最近ではクマは減ってきているそうですが、朝イチで入る場合は遭遇する可能性もあるそう。早朝に訪れる方はクマ除け鈴などの対策をお忘れなくです。
ちなみにこのおじさんは食べられる山菜についてもいろいろ教えてくれましたが、本当にすみません、山菜はニガテで、まだ克服できていないのです・・・・・。
コメント
[…] 奈曽渓谷の先を見ると、中島台・獅子ヶ鼻湿原。先ほど見に行った「あがりこ大王」がいる場所です。(※あがりこ大王についてはコチラ) […]