高畠石と呼ばれる凝灰岩の産地として知られる高畠町。町内には採石場の跡が残っており、大迫力の石の壁を拝むことができます。周囲を石に囲まれた空間は、音が響き渡るホールになっていました。
高畠町名産の髙畠石
山形県の高畠町(たかはたまち)の名産といえば「高畠石」。栃木県の大谷石などと同じく火山灰が堆積してできた凝灰岩であり、軽く加工しやすいのが特徴です。様々な場所で利用されており、古くは古墳の横穴式石室、江戸時代には家の土台や墓石、近代においては山形交通高畠線の高畠駅の駅舎などにもこの石が活用されていました。
そんな髙畠石の採石場跡を見学することができるのが、瓜割石庭公園。1923年から2010年まで稼働していた採石場「瓜割丁場」を公園として整備したスポットです。入園料などは不要で自由に見学することができます。
高畠石は、羽山石、高安石など石切場の名前を付けて呼ばれています。ここで採れたものは「瓜割石」と呼ばれていました。ちなみに瓜割という名前ですが、石切場の清水が瓜が割れるほど冷たかったからその名がついたそう。
大迫力の石の壁
すぐに見えてくるのは、そびえ立つ石の壁。木々に包まれた採石場は、まるで石造りの古代建築のようです。
壁を間近で見てみると、褐色で表面に泡のような穴が無数に確認できます。この暖かさのある色味や質感が髙畠石の特徴であるそう。
石の壁の一部には、大きく切り開かれた穴があります。中を覗いてみると、今は使われていないような木棚やベンチが。電球も吊るされていたので、通電もされていたみたいですが、謎のスペースです。
トンネルの先の空間
別の壁に開けられた穴、こちらは反対側へ貫通したトンネルになっているようです。抜けた先には何があるのでしょうか?
トンネルの先は広いスペース。周囲に広がるのは先ほどよりもさらに高い石の壁、その高さは約33mにも及びます。
冒頭にて2010年まで稼働していたと記載しましたが、ここでは最後まで機械化することなく手掘りによって石が切り出されていたそうです。こんな高い石の壁を手掘りで行っていたなんて、職人の技術の高さに驚かされます。
音響抜群のホール
この広場にはボランティアガイドのおじさんがおり、瓜割石の歴史や採石方法について、面白おかしく解説してくれます。途中には突然クイズがはじまったりと、エンタメ性の高い内容でした。
話を聞いていて感じたのですが、この空間、おじさんの声がめっちゃ響き渡ります!!
周囲を石の壁に囲まれた広場は、ホール空間となっているため音がとっても良く反響するのです。それを利用して、ここではコンサートなどの音楽イベントや、芋煮会なども開催されているそう。
突然飛び出す、他の地域にはないイベント「芋煮会」。山形県であることを改めて実感しました。
ちなみに芋煮会として使用する場合は、水道料・電気料を含んだ使用料金がかかるそう。電気ということは、もしかして先ほど見かけた石壁に空いた「謎のスペース」が芋煮会の会場だったりするのでしょうか・・・?
※採石場がお好きな方は、コチラのページもご覧ください。
アクセスと営業情報
東北中央自動車道の南陽高畠ICより車で約10分、高畠駅より車で約15分ほど。周辺には多数の古墳や、髙畠石でできた「旧高畠駅」など見どころは多いです。
※公園でイベント開催時は入場不可の場合があるそうです。
開園時間 | 24時間 |
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休園日 | 年中無休 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://yamagatakanko.com/attractions/detail_1972.html |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント
[…] 古墳以外にも、迫力の採石場を見学できる「瓜割石庭公園」や、三重塔が残る「安久津八幡神社」、髙畠石でつくられた「旧高畠駅」、泣いた赤鬼の物語で知られる「浜田広介記念館」など、観光名所が多数あります。古墳めぐりとあわせていろいろ訪問してみるのもおすすめです。 […]
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