街から離れたところに静かに建つ軽部(かるべ)神社は、乳神として祀られている神社。拝殿の内部には、乳房を象った絵馬がたっぷり!厚い信仰を感じますが、そもそもなぜ乳神信仰がはじまったのでしょうか。
田園風景に溶け込む神社
瀬戸内海の島を次々と巡る9日間の旅ですが、島旅はいろいろと消耗が激しいです。6日目となる本日は島はお休みして岡山県の遺跡や神社をめぐることに。朝イチで向かった先は、岡山県総社市にある軽部神社。
田んぼの中の道を進んだ先に鎮座しています。目の前には軽部川という小さな川が流れており、そこに架かる「たらちね橋」を渡って境内へ。
少し横長な石の鳥居。上に積まれた石は、いったいどうやったのでしょうかね。
静かにたたずむ社殿
鳥居の先にあるのは木々に包まれた拝殿。歴史を感じる木造の建築です。
創建は建武元年(1334年)。当初は軽部山の山頂に建立されましたが、焼失と再建を繰り返し、延宝6年(1678年)に現在地に移転されます。
Wikipediaによると、御祭神はこちらの五柱。
・伊弉諾命(いざなぎ)
・事解男命(ことさかのお)
・速玉男命(はやたまのお)
・国常立命(くにのとこたち)※現地では記載なし
境内に社務所はなく、無人の神社。実はこの神社、神社庁にも加盟しておらず地元のボランティアの方々によって清掃されているそう。「葉っぱ1枚でも拾って下さると有難いです。」というメッセージも記されていました。
伝わる乳神信仰
拝殿の内部をのぞくと、驚きの光景が!!
おっぱいがいっぱい!!!!
社殿の内部には乳房を型取った絵馬が数多く奉納されているのです。ここは乳神様を祀っており、「おっぱい神社」とも呼ばれています。
記されているのは「お乳がたくさん出ますように」「乳がんが治りますように」さらには「Dカップになりますように」といったお乳に関する願いごと。北は北海道から、南は沖縄まで、全国各地から参拝客が訪れているそうです。
個性豊かな乳房絵馬
この絵馬、よく見ると木の板であったり、段ボールであったり、毛糸で編まれていたりと、素材や作り方はばらばら。
社務所で取り扱いがあるわけではないので、参拝者がオリジナル作成したものが奉納されているのです。
自分で作るのは難しそう・・・そんな方のために、備中国分寺の目の前にある「吉備路もてなしの館」にてキットが2,200円にて販売しています。できあがった乳房と絵馬板がセットになっているため、お手軽に奉納することができるのです。御守ストラップも付いてます。
乳神信仰の由来
ところで、なぜ乳神として信仰されているのでしょうか。御祭神の五柱のうち、四柱は男性とされる神様。唯一の女神である天照大神が母神として信仰されているのでしょうか。
実はここの乳神信仰は、境内に「垂乳根(たらちね)の桜」と呼ばれる、枝垂れ桜があったことがルーツであるそう。
そんな垂乳根の桜ですが、昭和15年(1940年)頃に枯れてしまいます。現在は建物の軒下に根株が残されている状態ですが、その信仰は絶えることなく続いているのです。
アクセスと営業情報
JR伯備線と井原鉄道井原線の「清音」駅から徒歩10分。
開門時間 | 24時間 |
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料金 | 無料 |
総社市のサイト | https://www.city.soja.okayama.jp/s/kanko_project/kanko/kannkou_bunnka/kankouti/karubejinja.html |
※掲載の情報は2025年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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