1000年以上の歴史を持つ古社『針綱神社』(犬山市)

愛知県

犬山城の守護神としてお城の傍に鎮座する針綱神社(はりつなじんじゃ)。「車山(だし)」の巡行で知られる犬山祭を祭礼とする神社であり、織田信長の叔父・織田信康とも関わりが深い神社です。カラフルでユニークな「鮎みくじ」もあります。

訪問日:2024/11/22(金) ※掲載の写真・情報は訪問時のものです

犬山城の守護神

犬山城が建つ城山の麓に鎮座する針綱神社。創建年は不明ですが、延長5年(927年)の延喜式神名帳には尾張国丹羽郡「従一位針綱明神」または「正一位針綱明神」とされており、平安時代には既に信仰を集めていたことが伺い知れます。

元々は犬山城天守閣付近にありましたが、天文6年(1537年)の犬山城築城の際に織田信康によって白山平へ遷座。その後、慶長11年(1606年)に小笠原吉次によって城下町に移転、明治15年(1882年)に現在の位置に遷座されました。

犬山駅から城下町を抜けると、犬山城の登城口に鎮座しています。犬山城に行く際に、この針綱神社かその隣の三光稲荷神社を通っていくのが一般的です。

趣深い木造の社殿

境内を進むと見えてくる石段。これを上ると、拝殿や本殿へと続きます。

階段が苦手な方は、三光稲荷神社の西側にスロープで犬山城へと続く道があります。そちらを利用すれば、途中で針綱神社の拝殿にも立ち寄ることができます。

主祭神は尾張氏の祖先神である「尾治針名根連命(おわりはりなねむらじのみこと)」。天火明命の十四世孫にあたる神様であるそう。

実はこの神社には、織田信康が奉納したとされる「手彫りの犬」があります。口コミなどを見ていると、「拝殿を覗くと、レプリカが見える」とのこと。私はすっかり見逃してしまったのですが、参拝予定の方はぜひ探してみてください!

ずらりと並ぶ末社

熱田社、鍛冶社、染甫社、大国社、造酒社など、境内には多くの末社が並んでいます。

こちらは金比羅神社(左)と、市神社(右)。木々に包まれ、神秘的な雰囲気です。

太宰府天満宮の御分霊を祀る針綱天満宮も。小ぶりな社ですが彫刻が施されており、高貴な印象。獅子や鳳凰、さらには太宰府天満宮らしく梅も彫られていました。

傍にはもちろん撫で牛も。天満宮に祀られる「天神」こと菅原道真は牛にまつわる伝説が多く、牛は天神様の使いとされているのです。

車山が巡行する犬山祭

針綱神社といえば、祭礼である犬山祭。毎年4月の第一土日に開催されるお祭りで、からくり人形を載せた「車山(やま)」が集まり、町なかを巡行。重要無形民俗文化財にも指定されています。

「どんでん館」にて撮影

寛永12年(1635年)に下本町、魚屋町が出した練り物がそのルーツ。寛永18年(1641年)には下本町が車山を出し、人形からくりが奉納され、これが犬山祭の原型となります。その後、犬山城城主・成瀬正虎が車山や練り物を奨励したため、さらに盛んになっていったそうです。

そんな犬山祭については、「どんでん館」「城とまちミュージアム」「IMASEN犬山からくりミュージアム」といった施設でたっぷりと知ることができます。神社からすぐ近くなので、合わせての訪問がおすすめです。

からくり人形や車山を体感!犬山城下町の3つのミュージアム (犬山市)
情緒あふれる街並みが保存されている犬山城の城下町。そこには3つの博物館があり、犬山の伝統文化を体感することができます。迫力の車山や精巧なからくり人形など、他では見られないものがたくさん!

かわいらしい鮎みくじ

針綱神社で人気なのがこちらの「鮎みくじ」。手でつかむのではなく、釣り竿で釣り上げるタイプのユニークなおみくじです。

鮎はとってもカラフル!ピンク、ブルー、イエローと様々なカラーバリエーションがあります。個包装のビニールがなかなか曲者で、狙った鮎を釣り上げるのは少々難しいです。

なぜ鮎のおみくじなのかというと、日本書紀において神功皇后が鮎釣りをして戦勝を占ったことに由来しているそう。

考えてみれば、「鮎」という漢字、「魚へん」に「占う」ですね!

今まで意識したことなかったのですが、何だかとってもスッキリしました。

アクセスと営業情報

名鉄線の「犬山遊園駅」または「犬山駅」より徒歩15分ほど。

参拝時間 境内自由
料金 無料
公式サイト https://www.haritsunajinja.com/

※掲載の情報は2024年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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