遠野名物ジンギスカン発祥の店『ジンギスカンのあんべ』(遠野市)

岩手県

遠野を代表するグルメとして人気なのがジンギスカン。市内には多数のお店がありますが、今回は元祖と言われる「あんべ」へ。レアな焼き加減でも食べられるラム肉は、やわらかくて絶品!もう他の地域では食べられなくなってしまうかもしれません・・・。

訪問日:2022/10/8(土)

満州ルーツの名物料理

北海道の名物として知られるジンギスカン。実は、ジンギスカンは北海道だけのものではありません!ここ岩手県の遠野の名物でもあるのです。

遠野にある「ジンギスカンのあんべ」の初代店主である安部梅吉は、従軍中に満州にて羊肉を食べます。帰国後に精肉店・食堂を開業しますが、羊肉の味が忘れられず、ひそかに取り寄せては賄い料理として調理していたそう。

あるときお客さんにその賄いをふるまったところ好評であり、店頭にメニューとして並べ始めます。羊肉を食べる習慣があまりなかったため苦労もあったそうですが、次第に人気になり行列ができるほどの看板メニューへと進化していったそう。

北海道にルーツを持っているわけではなく、この地で独自の進化を遂げてきたメニューなのです。

元ジンギスカンの元祖「あんべ」

「遠野ジンギスカン羊丸・道」「遠野食肉センター 遠野本店」、少し離れたところにある「成吉思汗食堂 よねたや」など、多数のお店がありますが、今回はルーツといわれる「ジンギスカンのあんべ」へ行ってみることにしました。

こちらのファミリーショップあんべがそうなのですが、正面入口から入っても精肉店であり、食事処の雰囲気がありません。

何かの間違い?と思ったのですが、ファミリーショップに向かって右奥ヘ進むと、食事処の入口を発見!ショップと食事処は入口がわかれており、なおかつ食事処の方は見えにくいのでご注意ください。

少し敷居が高そうに見えますが、優しそうな店員さんがおひとり様でも快く受け入れてくれました。

店内は座敷・テーブル席が全部で9席。おそらくコロナの影響か、6席に縮小しておりました。卓上にはあのジンギスカン鍋がスタンバイしています!

おひとり様でも安心な定食

ジンギスカンは、マトンモモ、ラムカタ、ラムモモ、ラムカタロースの4種類。マトンは成羊、ラムは仔羊のことですね。

単品注文はもちろん、ご飯・汁物・漬物がついた定食もあるので、一人でも気軽にジンギスカンが楽しめます。どれにするか迷ったので、店員さんおすすめのラムカタロースの定食にしてみました。

もし一人ではなく複数人で来ていたならば、ジンギスカン全種類注文して味比べが楽しめそうです。

他にもカルビ、ホルモン、牛タンなどのスタンダードな焼肉メニューも。さらには地ビールズモナや、遠野産どぶろくといったご当地感あふれるお飲み物もそろっています。

脂をしいてスタンバイ

まずは脂を鍋全体に塗り、てっぺんに置きます。その後、モヤシ・タマネギ・ピーマンの野菜は外側、お肉はドームの部分へ。これで準備は完了!火が通るまでしばらく待機です。

あとはお肉が焼けてきたらひっくり返し、ちょっと色が変わったくらいが食べごろ。

このひっくり返すタイミングはとっても重要!早すぎると鍋にお肉がくっついてしまい、遅すぎるとお肉が固くなってしまうそう。お肉の縁が焼けてきて、少しくるんとしたくらいが良い頃合いとのことです。

やわらかジンギスカン

良い感じに焼き上がったので、タレにつけて食べます。

うまいーー!そして、やんわらかい!!!

半ナマでも食べられるとのことなので、レアな焼き加減で食べてみたのですが、ふっくらとした食感がたまりません。近年ではいろいろなところで見かけるジンギスカンですが、専門店でしかも焼き立てを食べてしまうと、もう他のジンギスカンでは物足りなくなってしまいます。

タレもショウガがきいてさっぱりしたタイプ。お肉に野菜にもあう味付けです。少し焦げた香ばしいモヤシもジンギスカンならではの風味。

最初は量が多いかなと思ったのですが、あっという間に食べ終わってしまいました!普段食堂で大盛りを頼むくらいの胃袋の方は、追加したくなるかもしれませんね。

ジンギスカンバケツ

さて遠野のジンギスカンといえば、ジンギスカンを焼くための専用の道具「ジンギスカンバケツ」

店内の飲食でバケツは使用されませんが、ファミリーショップには商品として並んでいました。見たこと無い人のために、紹介させてください。こちらがジンギスカンバケツです!

想像以上にバケツです。

穴の開いたバケツの上には、ジンギスカン鍋がすっぽりとハマります。バケツの中で固形燃料を燃やすことで、どこでもジンギスカンができるという代物。持ち運びはもちろん、火おこしの手間もいらないため、かなり手軽に楽しめます。

このジンギスカンバケツは、あんべの二代目である安部好雄が考案したもの。地域のイベントなどで出店することが多かったのですが、配達途中に七輪が破損することが多かったといいます。七輪よりも持ち運びやすいものということで、ブリキのバケツが採用されたそうです。

なお、このジンギスカンバケツ、近年では北海道でも販売されるようになっているとのこと。近年では他県からバケツだけを買っていく人も多いそうです。

これ、キャンプなどでコンロの代用品としても大活躍しそうな予感・・・。1つくらい買ってみても良かったかな、とちょっと後悔してます。

アクセスと営業情報

釜石線の遠野駅から徒歩11分ほど。お店のまわりには駐車場もあります。

営業時間 10:00~19:00入店
定休日 木曜
公式サイト https://www.anbe.jp/

※掲載の情報は2022年10月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。

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