古来より陶器の製造が盛んに行われていたやきもののまち・常滑(とこなめ)。昭和に造られた木造家屋や雰囲気のある窯が多く残っておりノスタルジックな景観を保っています。今回は日が暮れて真っ暗な中での散策となりました。
※街灯も少なく、暗くてよく見えない場所も多いです。やきもの町を楽しむなら、日中の訪問がおすすめです。また、散歩道は生活・生産の場でもあるため、静かな散策が好ましいです。
やきもの散歩道
「やきもののまち」として知られる愛知県の常滑市。良質な粘土を産出するため、古くから陶器製造が盛んな地域でした。
セントレア空港の開港により商業施設やホテルが多く進出し、発展を続けるエリアですが、昭和に造られた家屋や工場なども多く残されています。
そんな窯業関連の施設をめぐる散策ルートが「やきもの散歩道」。常滑市陶磁器会館をスタートし、土管坂やとこにゃんなどの名所をぐるりと一周できます。約60分でサクっとまわれるAコースと、約2時間30分でじっくり味わうBコースの2コースが設定されており、旅程に合わせて選ぶことができます。
今回は、日が暮れて静かになった中で、Aコースを歩いてみました。
情緒あふれる町並み
日本古来の木造家屋が並ぶ、なんともノスタルジックなストリート。街灯もわずかながら灯っており、犬の散歩やウォーキングしている人の姿も。観光スポットではありますが、実際に暮らしている人も多いようです。
積み上げられた四角い穴あきブロック。こちらは、地中に埋めたケーブルを保護するための保護管。常滑では、日本で唯一となるセラミック製のケーブル保護管を製造しています。
ニワトリのような不思議なオブジェも見つけました。現代でも陶芸家たちが暮らしており、ギャラリーも開かれています。
陶器の集合体・土管坂
やきもの散歩道のフォトスポットとして、旅行雑誌などでもおなじみの土管坂。壁一面にびっしりとつまれた土管が何とも壮観です。
土管の反対側には、丸いモノがたくさん埋まっています。こちらは、昭和初期の焼酎ビン。
なお、暗くて見えにくいのですが、足元には「ケサワ」というものが埋め込まれています。土管を製造する際に使用する焼台で、ここでは滑り止めの機能も果たしているそう。
巨大な製造所・登窯
暗闇にそびえる10本のレンガ煙突。こちらは、焼き物を製造するための登窯(のぼりがま)。
昭和49年まで使用されており、役目を終えた現在は、その歴史を伝える観光スポットとして保存されています。現存する中では最大級の登窯で、重要有形民俗文化財、そして近代化産業遺産にも指定されています。
登窯というのは、斜面に複数の窯が連なるように造られているのが特徴。周りをぐるっと一周することができ、様々な角度からその様子を見学できます。内部に入ることも可能で、アーチ状にレンガが積まれた姿を間近に見ることができます。
常滑のシンボル・とこにゃん
常滑は現在、日本一の招き猫の産地としても知られています。そんな町のシンボルといえば、とこにゃん。高さ3.8m・幅6.3mという巨大な招き猫です。
とこにゃんは、街を見下ろすかのように高い位置に設置されています。夜はピンクに輝いておりインパクト抜群。
よく見ると、とこにゃんの目の前には2匹の猫が。まるで御神体として崇めているような演出がユーモアたっぷりです。
なお、とこにゃんは後ろから見てはいけません・・・!
アクセスと駐車場
やきもの散歩道の起点となる常滑市陶磁器会館は、名鉄の常滑駅より徒歩7分ほど。常滑駅は、中部国際空港駅からたった2駅なので、空港利用と合わせて立ち寄ることができます。
車の場合は中部空港線の常滑ICから約5分ほど。駐車場は、常滑市陶磁器会館前にあり、平日は無料・土日祝日は500円となります。
少し離れたところに、やきもの散歩道大駐車場もあり、こちらは300円で利用可能。散歩道のほぼルート上にあるため、どちらに停めても歩行距離はほとんど変わりません。
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