世界中のリアル建造物を移築した体感型の屋外ミュージアム。テーマパークを楽しみながら、建築を通して文化も学ぶことができる施設です。他では見かけないような、レアな世界のグルメも堪能できます。
広大なテーマパーク
愛知県犬山市にあるリトルワールドは、世界の家と暮らしをテーマとした博物館。屋内型のミュージアム「本館展示」に加えて、世界各地の建造物を移築した「野外展示場」が広がっており、野外民族学博物館がコンセプトとなっております。
敷地面積はまさかの123ha!国内のテーマパークの中でも、ベスト10に入るであろう広さとなっています。そんな広大な園内ですが、見どころはぐるっと周回するように配置されているため、一周すると一通り見て回れるようになっています。細かな計画を立てずともめぐれるため、常にマップを確認したりする必要がないのがとっても快適。
各エリアでは、その国に合わせた植物が植えられていたり、スピーカーからエスニックなメロディが流れていたりと雰囲気も抜群。テーマパークと博物館が良い感じに混じっています。
まずは日本からスタート
最初に目に入るのは石垣島の家。1871年ごろに石垣島に建てられた琉球王国時代の士族の屋敷を移築復元したものです。台風にそなえて柱が多く、赤瓦を漆喰で固めています。積まれた石垣は、サンゴの働きでできた琉球石灰岩であるそう。
沖縄本島の祭場もあります。沖縄北部、国頭村にある神アサギと呼ばれる祭場を復元したもの。毎年旧暦の7月に、海の彼方にある楽園“ニライ・カナイ”からやってくる神「ニレー神」を迎える海神祭が行われる場所であったそうです。
こちらは北海道・アイヌの家。アイヌの聖地「二風谷」の人びとが復元した伝統的家屋が並んでいます。親が暮らす母屋、子供たちが暮らす分家、山で見つけた子熊を育てるクマの檻も設置されています。
華やかなヨーロッパ建築
まるで美術館のような佇まいのペルー・大農園領主の家。こちらは16世紀末ごろから発達したアシエンダ(大農園)の領主の邸宅を復元したもの。カトリックの礼拝堂や中庭、さらにはペルーの民芸品を販売するお店も入っています。
ドイツ・バイエルン州の村も再現されています。広場には人が集まりとってもにぎやか。白い壁に描かれたカラフルな壁画「フレスコ画」も華やかな雰囲気を引き立てます。
イタリア・アルベロベッロの家は、石積みという珍しい形状の屋根が特徴的。このような建築を「トゥルッリ」と呼び、現地である「アルベロベッロのトゥルッリ」は世界遺産にも指定されています。海外の世界遺産は全然知らないのですが、こんな個性的な家がずらりと並ぶ光景は、いつか見てみたいですね!
アジア・アフリカの個性的な家屋
色鮮やかな模様が描かれたカラフルな建物は、南アフリカ共和国・ンデベレの家。模様には特にルールなどは無く、女性がフリーハンドで描くそうです。独特の配色がセンス抜群ですね!
インパクトあるのがブルキナファソ・カッセーナの家。円形や方形の家がずらりと並んでいます。方形は男、円形が2つつながっているのは女の家。穀物庫、作業場となる庭、さらには呪術用の塚もあります。
おしゃれな雰囲気のトルコ・イスタンブールの街。左側の建物は民家、球体屋根はイスラーム学院。まるでオープンテラスのカフェのような広場は、とっても魅力的です。
タイ・ランナータイ地方の家は、全棟高床の家屋。屋根は急傾斜ですが、よく見ると瓦葺き。高床の下には舟や道具が吊るされております。
このあたりで世界一周もおしまい。最後の建築はなんと山形県!1767年という江戸時代中期に建てられた月山山麓の家です。中門づくりとよばれるL型の建築は、部屋の暖気を逃さない豪雪地帯ならではの工夫がなされています。
日本にはじまり、日本に終わるというのも、「世界一周」したような気持ちになれる、良い演出でした。
世界のグルメも楽しめる
各エリアにはレストランがあり、その地方の料理を楽しむことができます。ドイツのソーセージと生ビール、トルコのドネルケバブ、フランスのワインとチーズ、タイのトムヤムクンなど魅力的なメニューばかり。いずれもフードコートやパーラーのような形態なので、気軽に立ち寄れるのも嬉しいポイント。
とりあえずインドネシアの「ピサン・ゴレン」から。揚げたバナナにチェダーチーズとキャラメルソースがかかっているという、ありそうでない組み合わせ。あつあつのスイーツはとっても美味です。
こちらはアフリカンプラザの「ワニ骨ラーメン」。すっきりとしてますが、しっかり味の塩ラーメン。コンソメのような風味も感じてめっちゃ美味いです!
ラーメンの右側に写っているのは串焼き3本セット。日によって替わる内容で、訪問時はダチョウ・ワニ・カンガルーというレアメニューセットでした。
ダチョウは砂肝とレバー合わせたような風味、ワニは鶏ムネ肉のようなさっぱり感。カンガルーはレバーの臭みとパサパサした感じがなかなかクセの強いお肉でした。いずれも脂はなく引き締まっています。
今回紹介したのは展示物のほんの一部。本当はもっといろんな建築を紹介したかったのですが、記事のボリュームを考えて、なくなく削った次第です。ちなみに園内をめぐった所要時間は、食事休憩も挟みつつ一周して【2時間半】くらいでした。
帰りはバスに乗って犬山駅へと戻り、そこから名古屋方面へと向かいます。
あ、本館展示を完全に見逃しました!
アクセスと営業情報
名鉄線の「犬山駅」よりバスで20分。「名鉄バスセンター」や「オアシス21」からの直通バスもあります。
開園時間 | 10:00~16:00 ※季節、曜日によって変動 |
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休園日 | 不定休 ※季節、曜日によって変動 |
料金 | 2,200円 |
公式サイト | https://www.littleworld.jp/ |
※掲載の情報は2024年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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