人里離れた山の中に巨木が乱立する、まさに幻想的なスポット。遊歩道が整備されており、10分ほどで一周することができます。気軽に散策できる森ですが、ここまでのアクセスはなかなかハード!
わかりにくい入口
山形県の戸沢村には、幻想の森というなんとも魅力的な名前のスポットがあります。
さぞかし山奥かと思いきや、最上川沿いを通る国道47号線のすぐ近く。
意外とアクセス良さそう!と思いきや、ここで問題が。Google Mapにスポット登録されていますが、そこまで道がありません。どうやって行くのでしょうか?
ストリートビュー機能を使って国道47号線を走っていると、「川の駅最上峡くさなぎ・白糸の滝ドライブイン」から新庄方面(東側)へ500mほどのところに小さな看板と入口を見つけました。これで一安心です。
森へ続く困難な道
ということで、国道47号線から細い脇道へ。現地に行って実感したのですが、国道47号線は交通量が多く、入り口もとっても分かりにくいです。ストリートビューでリハーサルしていなかったら、きっと素通りしていたことでしょう。
さて、あとは進むだけと思いきやこの道がなかなかハード。未舗装の砂利道であり、上り坂&カーブの連続。さらに大きめの石や木の枝が転がっていたりもします。
加えて非常い細い道なので対向車が来た場合のすれ違いは困難。まったくスピードを出すことはできず、時速10km以下の徐行運転。めっちゃ神経使います。
進めど進めどひたすら続く砂利道徐行。もしかして、森の存在自体が幻想だったのでは・・・そんなことを考え出したあたりでついにゴール!5台くらい停められるちょっとした駐車スペースに到着しました。
GW真っ只中の訪問でしたが、朝イチだったため対向車はナシ。良かったです。
ここまで国道47号線の入口から15分ほど、距離は2~3km。数字だけ見ると大したことなさそうですが、カーナビやGoogle Mapにも表示されない道であり、どこまで続くかわからない中での走行はかなり疲れました~。
整備された森の中
駐車場から森の入口へ。いきなり両サイドにそびえたつ大木。仁王像のような佇まいなので、仁王杉と名付けましょう。
ここまでの道のりはハードでしたが、森の中はかなり歩きやすく整備されています。
基本的に道は平坦で幅も広く、加えてウッドチップまで敷かれているという至れり尽くせり。
一周するルートで、ぐるっとまわって10分程度。次々とあらわれる巨木を観察しながら快適なハイキングが楽しめるのです。
目を引く奇形樹
巨大なスギが並ぶ森、これだけだと日本各地にけっこうある光景。しかし、ここで見ることができるスギは、非常に特徴的。
根本から枝分かれしていたり、うねるように延びていたりと、いずれも奇形。まるでモンスターのような姿は存在感抜群です。
奇形なスギは利用が難しいため伐採されずに残された、そんな話を屋久島で聞いたことがありますが、ここのスギももしかしてそのような理由で残ったものたちなのかもしれません。
散策路を奥に進むと、整頓されたようにキレイに並ぶスギが。人為的に植えられたような様子は、林業かもしくは土砂災害対策でしょうかね。
オモテ杉とウラ杉
ここでちょっとした雑学を!日本で見ることができるスギは「オモテスギ」と「ウラスギ」の2つに分けることができます。オモテスギは太平洋側に多く、ウラスギは日本海側に多く自生。それぞれ気候に適した姿に進化しているため、葉の形や枝の付き方などに違いがあります。
この幻想の森で見ることができるのはウラスギ。ウラスギは雪が降る気候に適応しており、雪の重みで垂れ下がって地面についた枝から根が生えることがあるそう。奇形なスギも、ウラスギならではの成長を遂げた結果なのかもしれません。
さて、さくっと一周し終えたので駐車場へ。帰りも再び砂利道を15分ほど。行きに比べると、下り坂である点と、行程が分かっているという点でだいぶ気持ちが楽でした。途中2回ほど対向車に遭遇しましたが、待避スペースが近くにあったためセーフ。
森自体は物凄くステキな場所でしたが、そこまでの道のりが想像以上に疲れます。もし訪問される方は、とにかくゆっくり進めるように時間に余裕を持たせていくのがおすすめです。
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