明治時代に造られた洋風建築であるかつての県庁舎。現在は内部が一般公開されており、自由に見学することができます。ゴージャスな内装やミュージアム、レトロな雰囲気のカフェなど見どころは多いです。
迫力のある外観
山形市の中心部において、圧倒的な存在感を放つ洋風建築。こちらは山形県郷土館、通称「文翔館」と呼ばれるスポット。
1911年に焼失してしまった山形県旧県庁舎に代わり、1916年に竣工した2代目の建築。3代目となる新庁舎が建設されたのち、1984年には国の重要文化財に指定。修復工事がなされ、山形県郷土館として保存・公開されるようになりました。
イギリス・ルネサンス様式で築かれた重厚な姿は、当時の県総予算の1/4にあたる40万円を投じて造られました。南陽市産出の花崗岩によって仕上げられた外壁が迫力あります。
正面から見ると石造りの建築に見えますが、建物自体はレンガ造り。中庭を覗いてみると、また違った印象に変わるのが面白いです。
ゴージャスな内部
内部は無料で見学可能。赤い絨毯、こだわりが見える木の手すり、月桂樹の葉の輪飾りがデザインされたステンドグラスなど細部まで見どころの詰まった中央階段。歩くたびに響く木の軋む音がなんとも趣深いです。
訓示や辞令交付を行う正庁。貴族院議員の選挙などにも利用されていた部屋です。綺羅びやかなシャンデリア、白と金色のアンティーク仕上げのイスなど、ゴージャスな雰囲気。
皇族や国の高官が来県した際の控室である貴賓室。昭和50年の新県庁舎移転までは副知事室としても利用されていました。
同じく新県庁舎移転まで利用されていた知事室。知事の席に座って写真撮影も可能です。映画『るろうに剣心』の京都大火編・伝説の最期編の撮影も行われたそう。
市松模様のタイルが印象的なバルコニーに出ることもできます。目の前を一直線に伸びる道路が壮観。昭和天皇行幸の際には、ここから県民に手を振られたそうです。そんな話をきくと、真似して手を振ってみたくなりますね!
山形を学べるミュージアム
「記念碑の回廊」という、部屋が連なる展示室。ここでは、明治時代から現代までを5つの区分に分けて人々の暮らしを紹介しています。音楽のついた映像も流れており、イメージしやすい仕上がりです。
「最上川は語る」という展示室では、置賜・村山・最上・庄内という4つの地域それぞれの風土・文化などを紹介しています。山形県に縁が無いとなかなか知らないこの4つの区分、私も最近覚えました。
山形に縁のある作家を紹介したコーナーも。ひょっこりひょうたん島で知られる井上ひさしや、泣いた赤鬼の浜田広介などに関する展示が並びます。
人形が並ぶ部屋、ここは銀行出納係。昭和初期の銀行出納係の様子を、人形と古い家具で再現しています。ソロバンで計算している姿が妙にリアル。
新しくカフェもオープン
館内の一部屋は「Tsuki Cafe 文翔館喫茶室」となっており、山形県産の食材を使用したフードメニューや文翔館をイメージしたサイフォンコーヒーなどが楽しめます。2024年4月11日にオープンしたばかりとのこと。
こちらは「さくらんぼのはちみつハニートースト」。サクサクトーストにフルーティーなはちみつをかけて食べるかわいらしいメニュー。ボリュームもほどほどでおやつにぴったりです。
ちなみに、文翔館は旧県会議事堂ともつながっており、そちらも見学可能。今回訪問した際は、催事が行われており写真撮影はNGとなっていました。
アクセスと営業情報
山形駅からは2kmほどと少し離れているので、徒歩だと30分近くかかります。バスの利用がおすすめであるそう。
車の場合は山形自動車道の山形蔵王ICより10分ほど。隣に県営駐車場がありますがこちらは有料。裏手(北側)に文翔館の無料駐車場を備えています。
開館時間 | 9:00~16:30 |
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休館日 | 第1・3月曜日、年末年始 |
料金 | 無料 |
公式サイト | https://www.gakushubunka.jp/bunsyokan/ |
※掲載の情報は2024年5月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
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