1丁目、2丁目とめぐってきた前回に続き、今回は3〜5丁目。聖ザビエル天主堂や帝国ホテル中央玄関などインパクトある建築が目白押しの後半戦、時間と戦いながら村内をめぐってきました。
スパニッシュな別荘
3丁目の高台に建つのは「68. 芝川又右衛門邸」。大阪の商人・芝川又右衛門の別荘として建てられた建築です。
山のロッジのような趣あるたたずまい。真っ白な壁と、粘土を素焼きしたスペイン瓦のコントラストがあざやか。
ずっしりとした石垣の柱には、レンガでアーチが組まれています。このスペースは何か用途があるのでしょうかね。
基本的には外観のみですが、ここもまた無料ガイドに参加すれば内部も見学可能であるそう。1日8~10回ほど開催されています。
現存最古の洋式燈台
明治村のすぐそばにあるのが入鹿池という溜池。そんな池のほとりに立っているのが「29. 品川燈台」。明治3年に品川沖の第ニ台場に建てられた灯台です。
設計したのはフランス人技師のレオンス・ヴェルニー。観音埼灯台、野島埼灯台、城ヶ島灯台など東京周辺の多くの灯台の建設に関わった人物です。
実はこの灯台、現存最古の洋式灯台。「旧品川燈台」として、昭和43年に重要文化財にも指定されました。
芝居小屋と銭湯
病院、郵便局など庶民の生活に関連するバラエティに富んだ建築が並ぶ4丁目。こちらの「49. 呉服座」は明治25年に建てられた芝居小屋。
内部には立派な松が描かれた舞台が。1階の土間席や2階の桟敷席、さらには奈落などの舞台装置もあります。
呉服座の隣にあるのは「50. 半田東湯」。明治末期に知多半島の港町につくられたお風呂屋さんです。
入口や洗い場は男女で分かれていますが、浴槽はなんと1つだけ。水面上には男女のしきりが設けられているものの、浴槽部分は男女繋がっているという令和の時代には考えられない公衆浴場。きっと子供はお湯の中を移動したりしてたのでしょうね。
白亜の教会堂
最後のエリアとなる5丁目は、華やかで大きな建築が並ぶ見応えたっぷりなゾーン。「51. 聖ザビエル天主堂」は、明治23年にフランシスコ・ザビエルを記念して建設されたカトリック教会堂です。
美しい白亜の外観はもちろんのこと、内部もとっても華やか。色鮮やかなステンドグラスは美しく、特に「薔薇窓」と呼ばれる円形の窓に目を奪われます。
正面奥の内陣部分には7体の聖像がずらり。スピーカーからは讃美歌が流れる、厳かな空間でした。
世界的な名建築ホテル
さて、明治村最大の見どころと呼べるのがこちらの「67. 帝国ホテル中央玄関」。明治村のポスターでもおなじみの、村内を代表する建築です。
水しぶきを上げる噴水の奥に構える重厚な姿。傷跡のような模様がついたスクラッチレンガや大谷石が複雑に組まれ、さらに独特な幾何学紋様もプラス。どこか東南アジアのような雰囲気も感じさせます。
設計を担当したのはフランク・ロイド・ライト。建築マニアでなくともその名を知る人は多い、世界的な建築家。その作品の中には、世界遺産に指定されているものも多数存在しています。
「玄関」ということなので入口の構えだけかと思いきや、内部に入ることもできます。ロビーは広々としており、2回部分にはカフェも入っていました。
建設は大正12年と明治時代ではありませんが、これほど圧倒的な建築を前に、そんなことを指摘する気にはなれません。
周りには「57. 川崎銀行本店」や「58. 皇居正門石橋飾電燈」など目を引く建築が多数並んでおりますが、そろそろバスの時間。急ぎ足で正門へと戻ります。
ということで、3時間半くらいの滞在でしたが全然見切れませんでした。急ぎ足でめぐってやっと半分くらい見れたかな、といった感じです。
ディズニーリゾートやUSJに初めて行った人がアトラクション全制覇なんて至難のワザ。それと一緒で、初回から全て見ようなんて考えない方が良さそうな気もしますね。
いつかまた再訪して、今回見れなかった建築もしっかりと見ておきたいところ。その頃にはもっといろんな知識が増えてさらに楽しめるようになってたら良いな。
アクセスと営業情報
名鉄線の犬山駅よりバスで約20分。名古屋駅・栄駅・オアシス21から出発する直通の高速バスもあります。こちらの所要時間は1時間20分ほど。
開村時間 | 9:30~17:00 ※季節によって変動アリ |
---|---|
休村日 | 年に数回 |
料金 | 2,500円 |
公式サイト | https://www.meijimura.com/ |
※掲載の情報は2024年11月時点のものです。最新情報は公式HPにてご確認ください。
コメント